Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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1875-01-01から1年間の記事一覧

クララの日記 超訳版第7回解説

【クララの明治日記 超訳版第7回解説】 「ということで、逸子初登場となった第7回のクララの明治日記超訳版をお送りさせて頂きましたわ。お逸、初出演の感想は?」 「……な、な、なんなのよーっ、コレは!? 折角出番が来たのに台詞なしなのっ!?」 「借りてき…

クララの日記 超訳版第7回−5

1875年12月27日 月曜日 ある日本の新聞に、うちのパーティーの記事が載っていた。 こんなことが日本で行われたのは殆ど初めてだというが、好感を持たれるといいと思う。著名なお客様方の名前も皆載っていた。

クララの日記 超訳版第7回−4

1875年12月25日 土曜日 いよいよクリスマスがやってきた。昨年、あんなに頭を絞った問題、つまり「来年のクリスマスを何処で祝うのだろうか?」。この問題が無事に解決したわけだ。 私たちは準備のため、とても忙しかった。確かに今回のそれは今まで…

クララの日記 超訳版第7回−3

1875年12月16日 木曜日 昨日、夕方五時に中原国三郎氏がみえて、十時過ぎまでおられた。一ヶ月大阪に行っていて少し前に帰って来られたのだ。 中原氏はアメリカの青年のような感じの方だ。しかしアメリカでは教会に行っていたのに、今はもうあまり積…

クララの日記 超訳版第7回−2

12月12日 日曜日 吉原で大火災が発生し、一日中燃え続けた。 四〇六戸の家が焼失したということだ。

クララの日記 超訳版第7回−1

1875年12月11日 土曜日 今朝、朝食の支度をしに下に降りたら、小野氏がいつもの威厳あるサムライの着物とは違う格好で、何かお手伝いをしようと現れた。今日は十一日だから「イチロク」の公休日にあたるのだそうだ。つまり日本では「一と六のつく日…

クララの日記 超訳版第6回解説

【クララの明治日記 超訳版第6回解説】 「父様、キターーーーーーーーーーーーーーッ!」 「恥ずかしい真似はおやめなさい、この馬鹿娘!」 「……いたたったたっ。酷いじゃない、いきなり頭を叩くなんて!」 「自ら一族の品位を貶めるような真似はするものじ…

クララの日記 超訳版第6回−3

1875年12月1日 水曜日 「日本語の勉強がしたい」 お祈りの後、家族や富田夫人、小野氏、盛たちがいる前で私がそう宣言したのは、まだ一週間足らず前の事だ。富田夫人はすぐに「それでは教えてあげましょう」と仰り、しばらくして新聞記事を書かれてい…

クララの日記 超訳版第6回−2

1875年11月27日 土曜日 宮内省にお勤めの小野氏は土曜日が休みということなので、王子の有名な庭園や庭などに遠征することになった。 11時に3台の人力車に分乗して出発。母と富田夫人が一台目に、アディと私が二台目に、小野氏と盛が最後の車に乗…

クララの日記 超訳版第6回−1

1875年11月25日 木曜日 今日はアメリカでは感謝祭の日だ。 ご馳走を用意して日本に来て以来お世話になった方々を招待することにした。準備のため大変忙しかったけれど、お客様がおいでになってからはとても楽しかった。流石に七面鳥が手に入らなかっ…

クララの日記 超訳版第5回解説

【クララの明治日記 超訳版第5回解説】 「……ようやく羞恥心をかなぐり棄てられるようになってきた自分が悲しいキム・ユウメイです。それでは逸子、今回の読み所と解説すべき点は?」 「日本人全員、パンツ、履いてない!」 「当の日本人である貴女がそれを…

クララの日記 超訳版第5回−3

11月13日 土曜日 今日は家でお菓子を焼いてから、富田夫人と芝の福沢諭吉氏のお宅に伺った。 人力車の乗り心地も良く、福沢家の皆さんがとても親切で礼儀正しいので、私はすっかり嬉しくなってしまった。大柄で恰幅の良い福沢先生が、わざわざ私のために…

クララの日記 超訳版第5回−2

1875年11月3日 水曜日 今日はミカド陛下の誕生日という事で、東京中どの家も白地に真紅の朝日を現す日本の国旗を掲げ、提灯と旗も一緒に飾られている。町全体が祭りのようだ。 だけど悲しい報せもあった。小野氏の友人で、私が訪問した時にはとても上…

クララの日記 超訳版第5回−1

1875年10月24日 日曜日 丁度使用人のヒロと日本の礼拝から帰ってきて、軒先で富田夫人と話をしていたところだった。近づいてきた優雅な二輪馬車が我が家の門の前で停まったのは。 覗いてみると、遠すぎて乗っている人の顔かたちはよく分からなかった…

クララの日記 超訳版第4回解説

【クララの明治日記 超訳版第4回解説】「本日も解説はわたくし勝逸子と、キム・ユウメイでお送りします……って、ユウメイ! スマイル、スマイル!」 「……はぁ〜。まだ“ラノベ風”とはとても云えませんけれど、仕方ありませんわね。実のところ、日記をそのまま…

クララの日記 超訳版第4回−3

10月13日 水曜日 日本人と知り合いになってから随分楽しい思いをし、日本人がますます好きになってきて、気持ちの良い毎日を送っている。だけど、言葉の壁は厳然として私たちの前に立ち塞がっているのだと実感させる、でも滑稽な出来事が今日あった。 「…

クララの日記 超訳版第4回−2

10月9日 土曜日 今日は富田夫人と芝に住む夫人の叔父様を訪問することになった。夫人の元の名前は杉田阿縫というそうだ。 杉田玄瑞先生の家は日本風の造りで、芝の美しい高台にあり、前と後ろに見える江戸湾と東京の眺めが素晴らしい。蕃書調所という江戸…

クララの日記 超訳版第4回−1

10月6日 水曜日 突然我が身に「審判の日」が降りかかった訪れたのは、午後六時半過ぎのことだった。 夕食を終えたわたしたちはそれぞれくつろぎながら、祈祷会が始まるのを待っていた。 私は居間のソファで読書をしていて、富田夫人もすぐ傍に立って、祈…

クララの日記 超訳版第3回解説

【クララの明治日記 超訳版第3回解説】 「先週に引き続きまして解説を仰せつかりました勝逸子です」 「………………………………」 「……あのー、もう始まっているんですけど……ユウメイ、さん?」 「今週は解説することなんてありませんわ。以上」 「いや、以上、って云…

クララの日記 超訳版第3回−3

10月4日 月曜日 日本での生活はますます面白くなってくるので、しばらくしたらきっとこの美しい島が祖国のように好きになり、離れるのが残念になるだろう。勿論どんなに美しい国でも、アメリカに対する私の愛情を移し替えることは出来そうもないのだけれ…

クララの日記 超訳版第3回−2

今日はなんと忙しい日だったことか! 私たちは木挽町14番地の新しい家に落ち着こうとしているのだ。 今朝アメリカから大箱が四つ届き、それからずっと大事な懐かしい物――故国の香りのする物―を整理したりして、あまりにもする事が多く書く暇もなかったのだ…

クララの日記 超訳版第3回−1

1875年9月19日 日曜日 時は矢のように飛んでいく。日ごとにこのことをひしひしと感じる。私は十五歳になったばかりだけれど、これから先の年月がますます早く見えるようになってくるのが分かる。快い朝陽を浴び、あたり一面の美しさに浸りながら、二…

クララの日記 超訳版第2回解説

最後に本日の「クララの明治日記 超訳版」の解説を、今後登場予定の二人が担当。 【クララの明治日記 超訳版第二回解説】 「ということで『クララの明治日記 超訳版』第二回をお送りしました」 「『ということで』ってなんなんですの、突然!?」 「なんなんで…

クララの日記 超訳版第2回−3

1875年8月30日 月曜日(クララ15歳誕生日) 今日、私は十五歳になった! 十五などと書くと、とても老けたような気がする。去年の誕生日には、今年の誕生日を「日出ずる国」つまり美しい日本の国で迎えるなんて、考えもしなかった。しかし今日は私の…

クララの日記 超訳版第2回−2

1875年8月27日 金曜日 「斯てその苦しみのうちにてエホバを呼ばわりたれば、エホバこれを艱難より助けいだしたもう」 神様は私たちの訴えを聞き届けて下さった。神様のお力が十分よく分かったので、私たちはこれからも神様のご加護が頂けることを固く…

クララの日記 超訳版第2回−1

1875年8月19日 木曜日 想像して貰いたい。 一国の政府の高官の求めに応じ、地球の裏側から見知らぬ異境に来たにもかかわらず、職どころか住む家すらなく、財布の中に一ドル五十セントしか残っていない状況を。 日本に上陸してはや二週間。我がホイッ…

クララの日記 超訳版第1回

【幕開き】 江戸幕府の最後の幕を引いた男、勝海舟。 彼に青い目の孫が、しかも六人もいたと云えば、驚かれるだろうか? 海舟の三男で、長崎時代の愛人くまとの間に生まれた梅太郎は、ニュージャージー州生まれのアメリカ人クララ・ホイットニーと明治十九年…