Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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1879-01-01から1年間の記事一覧

クララの明治日記 超訳版第105回−2

1879年12月31日 水曜 十二時十分。 『門松は冥土の旅の一里塚、めでたくもありめでたくもなし』 一休禅師 古い年が死に、めでたい新年が誕生するのを見守るために、キリスト教の信奉者たちが、幾人か十時に集まった。 ディクソン氏が会のリーダーを…

クララの明治日記 超訳版第105回−1

1879年12月30日 火曜 昨晩ウィリイと私はショー氏のところで楽しく過ごした。 ショー氏は素晴らしい幻灯を持っていて、ウィリイにこう云っていた。 「新しい景色を揃える手伝いを少しして欲しい」 ショー夫妻は本当に良い人たちだ。 私は二人を深く…

クララの明治日記 超訳版第104回−3

【クララの明治日記 超訳版解説第104回】 「江戸という町は本当に火事が多い町ですわね、毎年のように大火が起こっている気がしますわよ」 「八千戸焼失クラスになると、流石に数年に一度だけどねー、三年ぶりかな? ……って、そうそうクララの云っている“…

クララの明治日記 超訳版第104回−2

1879年12月28日 日曜 福沢家の人々がクリスマスのデコレーションを身に三田からやって来られた。 子供さんたちが極めて行儀が悪く粗野だった。 親切なショー夫妻に対する行動があまりにも私を苛立たせたので、まったく構わないことにして、子供たち…

クララの明治日記 超訳版第104回−1

1879年12月27日 土曜 一昨日、クリスマスの夜も更けて皆様が帰られ、疲れきってやっと床に就いたと思った途端のことだ。 ひどい風が吹きだし、家がキシキシと揺れはじめ、怖くて寝られなかった。 風は昨日一日中吹いていた。 私たちは家に閉じこめら…

クララの明治日記 超訳版第103回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第103回】 「今回は現在から約百三十年前のクリスマスの模様をお送りしましたけれど、今回は今までになく“欧米風”のクリスマスの光景だった気が致しますわね。 日本人のゲストが少なかったせいかしら?」 「確かに、日記の…

クララの明治日記 超訳版第103回−2

1879年12月25日 木曜 クリスマスおめでとう。 今朝は早くから家中のものが起きて、おめでとうと挨拶し、朝食が終わると、今晩のおもてなしの料理にかかった。 十一時に芝に出かけ、クリスマス礼拝に間に合った。 礼拝者は多くなく、いつものメンバー…

クララの明治日記 超訳版第103回−1

1879年12月24日 水曜 今週は忙しすぎて、書くのはおろか考える暇さえなかった。 月曜は一日中おそろしく忙しかった。 近所中の庭をまわってクリスマスツリーを探していたからだ。 故国で使うような木はここでは珍しく、切ったものはたった一本であに…

クララの明治日記 超訳版第102回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第102回】 「本当に影の薄かったクララのお父様、ウィリアム・コグスウェル・ホイットニー氏ですが、こうして家族に先立っての帰国となりました」 「実質的には今日の一橋大学の初代校長みたいなものなんだけどねー。 教師…

クララの明治日記 超訳版第102回−5

1879年12月21日 日曜 インブリー氏がマリアの人となりと、キリストの幼年時代について、クリスマスの説教をなさったが、言葉遣いが素晴らしく上手だった。 日曜学校はうまくいき、新しい女の子が二人来た。 丘の物乞いの人たちには沢山パンフレット…

クララの明治日記 超訳版第102回−4

1879年12月20日 土曜 昨日大山夫人が、裁縫のクラスに戻ってきた。 午後には森老夫人も来られたが、いつも母を指さしては「オー、ワカイ、ワカイ!」と仰るので面白い。 以前は私より若く見えるのだったが、この頃はアディよりワカイことになった。 …

クララの明治日記 超訳版第102回−3

1879年12月13日 土曜 今朝は疲れて遅く起きたが、服を着ながら、階下の小包が楽しみだった。 アディは今日、調子がよくない。昨日ジェシーと遊びに領事館に行って、お菓子を食べ過ぎたのだと思う。 箱の中には、アディに鳶色のコール天の飾りがつい…

クララの明治日記 超訳版第102回−2

1879年12月12日 金曜 今日は、私の生涯でもっともつらい一日だった。 父が発ったのだ。 昨夜は二時まで起きていたが、今朝また早く起き八時前に朝食とお祈りをすませた。 お客がどんどん来るし、私たちは荷造りに忙しかった。 勝夫人、疋田夫人、内…

クララの明治日記 超訳版第102回−1

1879年12月11日 木曜 今日はクラスはやめにして、父に持たせるおみやげを買いに母と本町へ行った。 カーペンター夫人には刺繍、エマには青銅と象牙のブローチを選んだ。 店員はこの前のことを詫びてきた。 「横浜のイギリス人たちは威張り散らすし、…

クララの明治日記 超訳版第101回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第101回】 『ヨナタンとダビデのように固く結ばれたお逸とどうして離れられよう!』 「遂に別れの時期が近づいてきてしまったけれど、クララとわたしの堅い友情を何よりも示してくれる言葉だよね♪ …………って、ダビデの方はと…

クララの明治日記 超訳版第101回−2

1879年12月9日 火曜日 フィッツジェラルド夫人の欲しがっていた刺繍した品物をお逸と今朝本町に買いに行った。 大山夫人は赤ちゃんが亡くなって以来ずっと加減が悪いので、先に見舞いに行ってからにしようかと思ったけれど、リーランド夫人と本町で十…

クララの明治日記 超訳版第101回−1

1879年12月8日 月曜日 このところ小さな地震が頻繁にあるので、時々恐ろしくなる。 大地が足下で揺れるのは死ぬほどこわい。 パチェルダー夫人がみえ、恐ろしい地震の話をなさり、私の恐怖感は軽くなるどころではなかった。 サンフランシスコで地震に…

クララの明治日記 超訳版第100回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第100回】 「まずは今回は御礼の言葉から。連載100回達成ありがとうごさいます♪」 「正確に云うと、この“痛い”企画は第2回からですから、解説については今回が第99回ですけれどもね。でも、何故お礼ですの?」 「いや…

クララの明治日記 超訳版第100回−4

1879年12月6日 土曜日 今日は田中が朝から来て、一日中瀬戸物の荷造りを手伝ってくれた。 ずっと雨だったが、ジェイミーと勧工場に行く約束をしていたので、一時に出かけた。 お兄さんの家の門のところで会い、永楽町の展示場へ行った。 人出はとても…

クララの明治日記 超訳版第100回−3

1879年12月5日 金曜 今日はいつものように裁縫のクラスがあり、たくさんの人が来た。 食事の後は、みんなで楽しくお喋り。 富田夫人、およしさん、お逸と一緒に、裁縫をしながら話をした。 およしさんが面白い出来事を話してくれた。 昨日一ヤード近…

クララの明治日記 超訳版第100回−2

1879年12月4日 木曜 土曜はマッカーティ夫人のところ、月曜はライト氏のところに行くことになっている。 今朝早くリーランド夫人に会いに、加賀屋敷へ出かけた。 フィッツジェラルド夫人のために屏風や他のものを見に本町に一緒に行っていただくため…

クララの明治日記 超訳版第100回−1

1879年12月2日 火曜 昨日の一日と今日の午前中、ひどい風邪で頭と喉が痛くて寝ていたが、午後にはなんとか起きだした。 わざわざ加賀屋敷から訪ねて来られたフェノロサ夫人とメンデンホール夫人をお迎えするのに間に合わせなくてはならなかったからだ…

クララの明治日記 超訳版第99回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第99回】 「ようやく開始当初から予告していました同志社大創設者の新島襄氏の登場ですわ」 「ちなみに、この方の墓碑銘を書いているのはうちの父様ね」 「いきなりそういう話に持っていくんじゃありませんことよ!」 「でも…

クララの明治日記 超訳版第99回−5

1879年11月30日 土曜 今朝は芝の礼拝堂に行くはずのところを、インブリー氏が築地で説教なさるのを聞き逃したくないと思い、計画を変えた。 しかし説教なさったのはグリーン氏だった。 日曜学校に行こうとしていたら、梅太郎が一緒に行きたいと云う…

クララの明治日記 超訳版第99回−4

1879年11月29日 土曜 今日は八時の汽車で横浜へ行った。 母は婦人会に出席するために、私はヘップバン夫人にお会いするためだった。 ウィリイが出迎えてくれ、無事人力車に乗せてくれた。 母は先に二一二番地に行き、私はヘップバン夫人のお宅に向か…

クララの明治日記 超訳版第99回−3

1879年11月28日 金曜 お逸は今日徳川家へ行った。毎月八の月に行くのだ。 一体なんに惹かれてだろうか? 「お菊が結婚するの」 お逸が突然そう云うので私はびっくりした。 「結婚ですって、いつです!?」 「今日よ」 お菊は勝家にずっといるものとば…

クララの明治日記 超訳版第99回−2

1879年11月27日 木曜 感謝祭 母はひどく腹を立てて図書クラブから戻ってきた。 私が辞めて母に仕事を譲ったのだけれど、例によってイギリス人の女の人たちがとても失礼だったのだ。 会長のケネディ夫人を知らないので名刺を渡したところ、ケネディ夫…

クララの明治日記 超訳版第99回−1

1879年11月26日 水曜 今朝、朝食後、母とウィリイと私は銀座まで行った。 が、その直前にウィリイは勝氏に会いに行って、長話をしてきた。 勝氏は現在の事態を厳しく批判されたそうだ。 「西郷隆盛氏の死後は日本には正直な人間は一人もいない」とま…

クララの明治日記 超訳版第98回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第98回】 「………………………………………………」 「………………………………………………」 「…………お逸、貴女、クララの一番の親友なのでしょう? 何か云いなさいよ!」 「親友だからって、なんでも云えるわけないじゃないの! ……しかし、それにしても何の脈…

クララの明治日記 超訳版第98回−6

1879年11月24日 月曜 今朝、富田夫人と倉庫に預けてあるトランクにしまっておいた駝鳥の羽根をとりに行った。 夫人はとても愛想よくもてなしてくださり、茶の間の火鉢のそばに私たちを坐らせ、おいしいお菓子やお茶を出して下さった。 森夫人の出発…