Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

クララの明治日記 超訳版第47回−1

1878年5月13日 月曜日
昨日、横浜から来られたS・R・ブラウン先生の興味深いお説教があった。
今日は上杉氏と大鳥ひなさんの結婚式。
純日本風で行われた式に参加したウイリィは、十二時頃に帰ってきた。
その留守中、ちょっとしたハプニングが起きた。
京都から来た使用人のチヨが癪を起こしたのだ。
笠原は熱があり、頭痛がして寝込んでいたので、母とカネと私とでチヨを押さえる羽目になった。
チヨが床の上をのたうちちまわり、カネが背中に坐って腕を押さえ、私が足を押さえた。
どうでもいいことだけど、チヨの足はひどく臭かった。
それでもチヨは歯ぎしりをし、体をひくひくと色々の形にくねらせるのだ。
初めての経験だったが、ヨバンが熊倉先生のお弟子さんを呼んできてくれるまで、私たちは一生懸命押さえていた。
お弟子はモルヒネの皮下注射をした後、辛子の軟膏を体に貼って、冷淡な、如何にもおかしそうな表情をして彼女のもがくのを見ていた。
私は興奮してしまって二時過ぎまで眠れなかった。
こうなってしまっては、チヨを置いておくことはできないだろう。
正直、こんな騒ぎや心配はごめんだ。
確かに彼女のヒステリーの原因は本当に可哀想なものだ。
彼女は結婚したばかりの夫の後を追って京都の家を出て来た。
が、東京に来てみたら。
夫は実は前に結婚していて、前の妻のところへ戻ってしまっていたのだ!