Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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1877-11-01から1ヶ月間の記事一覧

クララの明治日記 超訳版第36回−8

1877年11月30日 金曜日 十一月の最後の日、そして上野の博覧会の最終日だ。 ウィリイが、母とお逸と私を博覧会に連れて行くのに、ぎりぎりに帰ってきた。 博覧会場へ行く道の両側には、天皇陛下のお通りを拝もうと待っている群衆が並んでいた。 私た…

クララの明治日記 超訳版第36回−7

1877年11月29日 木曜日 二週間も休校してしまったので、昨日から学校を再開した。 食事の心配をしなくてもよくなったので、母もまた教えることができるようになった。 私は料理が下手で、母の手助けにはならなかった。 今ミルトンの最初の奥さんの「…

クララの明治日記 超訳版第36回−6

1877年11月28日 水曜日 三浦夫人が今朝女中を連れて来て下さった。 お鶴――鶴は長寿と幸せの印だ――という名の、十七、八歳の大人しそうな娘だ。 なんてロマンチックな名前なのだろう! しかし、丸い間の抜けたような顔と、半開きのひっこんだ眼は鶴の…

クララの明治日記 超訳版第36回−5

1877年11月27日 火曜日 今朝十時に私たちの救い主「平兵衛さん」が紳士のような身なりをして、人力車に一杯衣服や、箱や、おいしい料理を想像させるような台所道具を、積み込んでやって来た。 私たちの半ば飢えたような様子に驚いたのだろう。 すぐ…

クララの明治日記 超訳版第36回−4

1877年11月26日 月曜日 またしても雨の一日。 でも、家の中でしなければならない仕事が山とあるので、雨は好都合だ。 私は針刺しを仕上げて大得意。 だけど青い大きな針刺しで、私が完全に仕上げたものとしては、これが初めてだったりする。 午前中…

クララの明治日記 超訳版第36回−3

1877年11月25日 日曜日 今日はコクラン先生のお説教だったが、とても面白いためになるものだった。 いつのお説教もためになるものばかりなので、忘れないように書き留めておけたらよいのにと思う。 午後、私の生徒たちは皆来たけれど、私は彼らに教…

クララの明治日記 超訳版第36回−2

1877年11月24日 土曜日 一日中家にいてパイやケーキを焼き、クリスマスの贈り物を作った。 クリスマスがもうすぐだというのに、私たちは何も準備ができていない。 「クリスマス、楽しみですわね」 おやおさんなどの日本のお友達はしょっちゅうクリス…

クララの明治日記 超訳版第36回−1

1877年11月23日 金曜日 杉田夫人が若い女中のヤスを寄越して下さった。小綺麗な可愛い子である。 「すみません。わたし、何も出来なくって」 しきりにそう謙遜するが私たちは大助かりだ。 村田家のフランス料理の料理人が、一向に現れないのはおかし…

クララの明治日記 超訳版第35回解説

解説の前に。 11月19日分の日記の最後の所、杉田家でなされた「約束」の行く末について、この日記の翻訳者で海舟の曾孫であり、お逸のすぐ上の姉、疋田孝子さん(海舟の次女)のお孫さんの下巻の後書きから貴重な証言をご紹介。 『数年前に、娘夫婦の元に…

クララの明治日記 超訳版第35回−5

1877年11月21日 水曜日 昨夜はあまりに寒いので、母の寝床に潜り込んでやっと暖まり、気持ちよく眠った。 前からの約束で、おやおさんがおすみと音楽を習いに来られ、私たちは長いこと一緒に演奏した。 それから、母に伝言を頼まれて、ド・ボワンヴ…

クララの明治日記 超訳版第35回−4

1877年11月20日 火曜日 昨日杉田先生のお宅にいた時のことだ。 「日本人の皮膚の色である黄色は金の色だ」 武さんがそう自慢なさると、盛が一言。「銅の色でもある」 盛もなかなかやるな。私はそう思った。 父と母は種田夫妻のところに食事に招かれ…

クララの明治日記 超訳版第35回−3

1877年11月19日 月曜日 喜びや悲しみを伴って一日一日が足早に過ぎ去っていく。 私は喜びも悲しみも平静に受け止めようと心掛けている。 困難にもかかわらず、私たちは無事に毎日を送っている。新しい日記帳を始めるたびに、最初の日記帳のことを思…