Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第35回−4

1877年11月20日 火曜日
昨日杉田先生のお宅にいた時のことだ。
「日本人の皮膚の色である黄色は金の色だ」
武さんがそう自慢なさると、盛が一言。「銅の色でもある」
盛もなかなかやるな。私はそう思った。
父と母は種田夫妻のところに食事に招かれたので、アディと私だけで留守番をすることに。
母は二人だけ置いて行くのを心配したが、都合良くそこに村田氏が来られてその話を聞き、一緒に留守番をすることを買って出て下さった。
お陰で賑やかではないが、楽しい夕べを過ごした。
夕食をすませ、新聞を読み、お喋りをし、歌を歌い、チェッカー遊びをしているところへ両親が戻って来た。
村田氏は立派な要望の青年に育ったが、人物もなかなか立派である。
母から聞いたところでは、種田夫妻は芝にある素敵な大名屋敷に住んでおられるそうだ。
両親が到着した時、種田氏は寒い北風の中を黒塗りの大きい門のところまで出迎えて下さり、広い座敷に通されたそうだ。
障子は広く開け放してあって、射し込む月の光に照らし出されたのは、部屋の中央に固まっておいてある三つの小さい火鉢と、その周りに並べた三脚の椅子であった。
外の寒気を逃れるための場所としては、奇妙な場所であった。
月は煌々と照り、この上なく美しかった。
星のきらめく晴れ渡った青い空に浮かぶ満月。しかしその寒かったこと。
村田氏はクリスマスと正月が住むまでフランス料理の料理人を貸して下さると仰った。