Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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1876-01-01から1年間の記事一覧

クララの明治日記 超訳版第24回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第24回】 「さて、今回は来日二回目のクララ一家のクリスマスの模様メインだったわけど」 「昨年のと読み比べると……お逸、あなた、全然印象が違うようですけれど?」 「そりゃあ、去年は父様も姉様もいたもの。今年は二人と…

クララの明治日記 超訳版第24回−8

1876年12月30日 土曜日 今日、お正月のために幾種類かのケーキを作って、かなり忙しかったが、パウンドケーキはとてもよくできあがった。母はパイとクッキーを作った。 仕事が済んでから、ホーンビー・エヴァンズ夫人がいらっしゃって、貧しい日本の…

クララの明治日記 超訳版第24回−7

1876年12月29日 金曜日 今日は公使館へ行って、ビンガム夫人にお会いした。 「三冊アルバムを買いにいったのですけれどね、二冊は娘に、後の一冊はクララさんのためにね」 夫人は、私に送って下さったアルバムについて、こう仰った。 「また近いうち…

クララの明治日記 超訳版第24回−6

1876年12月25日 月曜日 またクリスマスがやって来た! 今朝贈り物の交換をした。アディがまず自分の靴下に入れて貰い、それから私は、母に型染めの小物入れと、鼠の彫刻一対、ウィリイにはチェス盤をあげた。母は私に美しい机を、ウィリイは写真のア…

クララの明治日記 超訳版第24回−5

1876年12月23日 土曜日 今日、つまり土曜日の夕方、坐ってこれを書いていると、杉と松の清々しい匂いが漂ってくる。今日、庭木を刈り込んだのだ。庭師と職人が、一日中、香りのよい杉と柊と松をせっせと手入れしていた。クリスマスツリーを立てたが…

クララの明治日記 超訳版第24回−4

1876年12月16日 土曜日 さて今日は、かなり楽しい一日だった。丁度よい時間に起き、お菓子を焼くのを早めにに済ませた。 祈祷会で、小泉氏が「ヒポクリット(偽善者)」を「ピポクリット」と発音したので、母が訂正したが、小泉氏はその甘ったるい発音…

クララの明治日記 超訳版第24回−3

1876年12月11日 月曜日 今朝目が覚めると、ド・ボワンヴィル夫人からウィリイと私に、今日の夕食の招待状が来ていた。 シンプソン夫妻とショー家の人々と一緒にクリスマス聖歌の練習をして欲しいと書いてあった。 だけど今日の夕方は、イービー夫妻…

クララの明治日記 超訳版第24回−2

1876年12月 9日 土曜日 今日はランキン氏と芝のお寺に行く予定だったのだけれど、マッカーティ先生との約束があって、ランキン氏が出かけられなくなったので、私たちだけで行くことになった。

クララの明治日記 超訳版第24回−1

1876年12月8日 金曜日 今日、母と富田夫人は横浜へ洋服を買いに出かけた。 といっても母は付き添いだ。富田夫人は、これから暮らすことになっている上海で洋服をお召しになるつもりなのだそうだ。そのことでようやくご主人から「好きな洋服を買ってよ…

クララの明治日記 超訳版第23回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第23回】 「みんなー、ツンデレスターが始まるよー! ユウメイのツンぶりを堪能する時は、部屋を明るくして、なるべくモニターから離れて見てね!」 「誰がツンデレスターですの、誰が!?」 「……うーん、じゃあ、ツンツンスタ…

クララの明治日記 超訳版第23回−8

1876年12月4日 月曜日 いつものようにお逸が来た。授業の後、一緒に銀座へお使いに行った。とても優しい人で、私たち二人は大の仲良しだ。 祈祷会の始まる頃、富田夫人がご兄弟と来訪され、ご主人からと云って私に新しい本を下さった。四十七士の話『…

クララの明治日記 超訳版第23回−7

1876年12月2日 土曜日 今朝令嬢たちが来てから、団子坂の菊人形を見に出かけた。母とアディ、ウィリイとモモタロウ、お逸と私、おやおさんとおすみというように組んで十一時に出発した。 まず上野に行って昼食をとり、済むとまた人力車に乗って団子坂…

クララの明治日記 超訳版第23回−6

1876年11月29日 水曜日 「クララ! 早く起きて服に着替えなさい!」 突然開け放たれた扉に、私は跳ね起きた。 一体何が? そう思う間もなく、慌てて部屋に入ってきた母が寝室のカーテンを引く。 北の空が朱に染まっていた。あの方角は……皇居のお堀の…

クララの明治日記 超訳版第23回−5

1876年11月28日 火曜日 今日、ホール・アンド・ホルツの店で新しい服を試着してみようと思い、一時の汽車で母と横浜へ行って、五時か六時に帰って来た。 横浜はとても静かだった。景気が悪くて会社がいくつか潰れたのだという。私たちは用事を早めに…

クララの明治日記 超訳版第23回−4

1876年11月25日 土曜日 今日は横浜に行くのかと半分期待していたのだけれど、取り止めとなってしまった。挙げ句、ドーナツ作りを強制されたのだからたまらない。 朝の労働後、母と私はマッカーティー夫人を訪問した。夫人は在宅で、養女である清国の…

クララの明治日記 超訳版第23回−3

1876年11月23日 木曜日 今日は日本の感謝祭、つまり「米の祭日」――新嘗祭というそうだ――で、学校も役所もみんなお休み。 どんな小さなあばら家にも、堂々たる政府の建物にも旗が翻っている。 授業の後、天気もよくて休日でもあるので、ビンガム夫人…

クララの明治日記 超訳版第23回−2

1876年11月22日 水曜日 今朝、猫の鳴き声で随分早く目覚めたが、横浜に行く予定なので、そのまま起きていた。 八時半にはお逸が来て、九時半には家を出た。しかし新橋の停車場近くまで来たら、汽車が出たところなので、大いにがっかりした。 「諦め…

クララの明治日記 超訳版第23回−1

1876年11月21日 火曜日 長いことおなざりにしていた日記よ、おいで! 忘れていたように見えるかもしれないけれど、決してお前を忘れていたわけではないのだ。 天気に恵まれた今日の午後 日本の婦人と少女たち一行のおもてなしとゲームを終え、私は疲…

クララの明治日記 超訳版第22回解説

【クララの明治日記 超訳版第22回解説】 「如何でしたか、クララにとっての初の我が勝家訪問は?」 「……なんだか妙に百合百合しい場面があったのは気のせいかしら?」 「へへへっ、クララと服の取り替えっこ♪ 羨ましいでしょ♪」 「気持ちの悪い笑い方はお…

クララの明治日記 超訳版第22回−5

1876年11月8日 水曜日 夕方お客を招待しているので、みんなとても忙しかった。 幸いなことに、昨夜あらかた準備をしてしまったし、それにお客様にも段々慣れ、使用人達の訓練も大分ゆき届いてきた。もっとも使用人たちには今でも苛々することはあるけ…

クララの明治日記 超訳版第22回−4

1876年11月3日 金曜日 ミカドの誕生日 今日はミカド陛下の誕生日で、勿論授業は全部お休みだ。ミカドは二十九歳になられた……と思う、確信はないけど。 生徒たちは家で今日を祝っている。私は前に約束したとおり、お逸を訪ねることにした。 いつものよ…

クララの明治日記 超訳版第22回−3

1876年11月1日 水曜日 雨! 一日中土砂降りの雨。 ビンガム夫人もおみえにならないし、イギリス公使夫人であるレディ・パークス訪問も取り止めだ。 この雨の中を、何物にも負けない令嬢たち――おやおさんとおすみ――は、いつものように明るく快活にやっ…

クララの明治日記 超訳版第22回−2

1876年10月29日 日曜日 素晴らしい天気! 実に日曜らしい日曜日だ。教会に行って、デイヴィッドソン氏の説教を聞いた。昼食後、母が聖書勉強会を始めようとしていたら、シンプソン夫人がみえたので、私が代わりに教えるように頼まれた。 出席者は佐…

クララの明治日記 超訳版第22回−1

1876年10月26日 木曜日 昼食後、人力車に乗って、富田家に行った。富田夫人は三田四丁目二十六番地の小さな日本の家に住んでおられる。ご在宅で、とてもやさしく迎えて下さった。 「ごめんくださいませ」 突然の来客。私とアディは顔を見合わせると…

クララの明治日記 超訳版第21回解説

【クララの明治日記 超訳版第21回解説】 「本日分はクララの暇そうで忙しい毎日でした。私の弟たち二人も本格的に初登場ということで以降宜しく」 「……お逸。貴女、お嬢様のくせに、本当にお転婆でしたのね。鞍もない馬に乗って、挙げ句の果てに暴走させる…

クララの明治日記 超訳版第21回−11

1876年10月23日 月曜日 朝は晴れていたのに、一日中曇りだった。令嬢たちも授業に来て、お逸も三時過ぎまでいた。 私のところに来た手紙を見せたら、お逸はその数に吃驚ていた。 「中原氏、小野氏、矢田部氏……って、これ、みんな相手は日本人よね!?…

クララの明治日記 超訳版第21回−10

1876年10月22日 日曜日 みんなが健康なのでとても有り難い。母はすっかり体調を回復させ、顔が丸々として艶々した感じだし、私も確かに元気になっている。 それもこの気持ちの良い季節のお陰に違いない。故国の十月も素晴らしいけれど、日本のこのす…

クララの明治日記 超訳版第21回−9

1876年10月21日 土曜日 今日は素晴らしい日だ。こんな気持ちの良い天気はうまく利用しなくてはならない。 母とウィリイとアディは横浜に出かけた。午後は富田夫人たちとお浜御殿へ行く予定だったのだけれど、母が横浜に行きたいと云い、また富田氏が…

クララの明治日記 超訳版第21回−8

1876年10月20日 金曜日 今日は縫い物とお菓子を焼くこと、そして勉強を教えること以外何もしなかった。 私は迷路に立つ人のようにここ数日のことを思い返して、ここに坐っている。 「日は巡り来り、そして去ってゆく」しかし我々は休まず働き、遊び…

クララの明治日記 超訳版第21回−7

1876年10月19日 木曜日 今日の夕方、早速以前のように陽気に我が家に現れたのは勿論矢田部氏だった。勿論手厚くもてなされ、本を読み、ゲームをし、お話ししたのは云うまでもない。 とてもにこやかで、だけど九時半きっちりには静かに帰って行った。…