Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第22回−3

1876年11月1日 水曜日
雨! 一日中土砂降りの雨。
ビンガム夫人もおみえにならないし、イギリス公使夫人であるレディ・パークス訪問も取り止めだ。
この雨の中を、何物にも負けない令嬢たち――おやおさんとおすみ――は、いつものように明るく快活にやって来た! 
多分雨の中を出歩くのが面白いのだろうう。私だって好きだから。
雨がひどいので、令嬢たちはいつもより少し長くいた。
知っているだけの祝歌と賛美歌を歌ったが、おやおさんはこの国の少女には珍しく、本当によい声を持っていることを発見した。甲高くもなく、声を振り絞るのでもなく、完全に正しい調子で歌う。その進歩がとても嬉しい。
「おやお様、素敵ですわ、おやお様」
必要以上に熱っぽい視線で見つめるおすみに至っては、殆ど崇拝の領域に達しているようだ。
母とアディと一緒に寝室で、ぱちぱち燃える暖炉の火の前に気持ちよく蹲っていたら、箕作秋坪氏の来訪が告げられた。箕作氏は果物と、加賀の花瓶一対を持ってきて下さったが、それは長年ご自分の家にあったものだという。とても素敵な花瓶だった。