Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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1876-10-01から1ヶ月間の記事一覧

クララの明治日記 超訳版第22回−2

1876年10月29日 日曜日 素晴らしい天気! 実に日曜らしい日曜日だ。教会に行って、デイヴィッドソン氏の説教を聞いた。昼食後、母が聖書勉強会を始めようとしていたら、シンプソン夫人がみえたので、私が代わりに教えるように頼まれた。 出席者は佐…

クララの明治日記 超訳版第22回−1

1876年10月26日 木曜日 昼食後、人力車に乗って、富田家に行った。富田夫人は三田四丁目二十六番地の小さな日本の家に住んでおられる。ご在宅で、とてもやさしく迎えて下さった。 「ごめんくださいませ」 突然の来客。私とアディは顔を見合わせると…

クララの明治日記 超訳版第21回解説

【クララの明治日記 超訳版第21回解説】 「本日分はクララの暇そうで忙しい毎日でした。私の弟たち二人も本格的に初登場ということで以降宜しく」 「……お逸。貴女、お嬢様のくせに、本当にお転婆でしたのね。鞍もない馬に乗って、挙げ句の果てに暴走させる…

クララの明治日記 超訳版第21回−11

1876年10月23日 月曜日 朝は晴れていたのに、一日中曇りだった。令嬢たちも授業に来て、お逸も三時過ぎまでいた。 私のところに来た手紙を見せたら、お逸はその数に吃驚ていた。 「中原氏、小野氏、矢田部氏……って、これ、みんな相手は日本人よね!?…

クララの明治日記 超訳版第21回−10

1876年10月22日 日曜日 みんなが健康なのでとても有り難い。母はすっかり体調を回復させ、顔が丸々として艶々した感じだし、私も確かに元気になっている。 それもこの気持ちの良い季節のお陰に違いない。故国の十月も素晴らしいけれど、日本のこのす…

クララの明治日記 超訳版第21回−9

1876年10月21日 土曜日 今日は素晴らしい日だ。こんな気持ちの良い天気はうまく利用しなくてはならない。 母とウィリイとアディは横浜に出かけた。午後は富田夫人たちとお浜御殿へ行く予定だったのだけれど、母が横浜に行きたいと云い、また富田氏が…

クララの明治日記 超訳版第21回−8

1876年10月20日 金曜日 今日は縫い物とお菓子を焼くこと、そして勉強を教えること以外何もしなかった。 私は迷路に立つ人のようにここ数日のことを思い返して、ここに坐っている。 「日は巡り来り、そして去ってゆく」しかし我々は休まず働き、遊び…

クララの明治日記 超訳版第21回−7

1876年10月19日 木曜日 今日の夕方、早速以前のように陽気に我が家に現れたのは勿論矢田部氏だった。勿論手厚くもてなされ、本を読み、ゲームをし、お話ししたのは云うまでもない。 とてもにこやかで、だけど九時半きっちりには静かに帰って行った。…

クララの明治日記 超訳版第21回−6

1876年10月18日 水曜日 ウィリイはもう一度矢田部氏を訪ねたが留守だったので、開成学校の方へ行きかけて、急に角を曲がったら、その問題の紳士とばったり出会った。 矢田部氏は最初は迷惑そうで、よそよそしかったけれど、ウィリイは持ち前の愛想の…

クララの明治日記 超訳版第21回−5

1876年10月13日 金曜日 今日はケーキを作ることにした。なんでも勝提督はケーキが大好きだそうだ。 お逸は家に持って帰るカップケーキを作ったのだけれど、滑稽で見ていられないほどだった。 「あっ!」 指にバターがちょっとつくと、端正な顔をしか…

クララの明治日記 超訳版第21回−4

1876年10月12日 木曜日 今日はお逸がやってきて一晩泊まっていくことになった。勝提督から外泊の許可が頂けたのだ。 午後になって、みんなで銀座と芝へ出かけることになった。一緒に乗った人力車の中、向こうから薄黄色い肌の馬がやってきた。すると…

クララの明治日記 超訳版第21回−3

1876年10月11日 水曜日 今日ウィリイは矢田部氏に会いに行ったのだけれど、矢田部氏がお留守だったので名刺だけを置いてくる羽目になった。

クララの明治日記 超訳版第21回−2

1876年10月10日 火曜日 昨日の今日で、というべきか、母と私は銀座で矢田部氏に出会ってしまった。 何故だか矢田部氏が銀座の真ん中で長い枕を腕に抱えていたのだ。 私たちはチェスのセットを注文しようと思っていたところなので、母は矢田部氏を呼…

クララの明治日記 超訳版第21回−1

1876年10月9日 月曜日 また困ったことが起きた! 今晩、丁度ウィリイがインブリー家へ行きたいと思っていたところに矢田部氏がみえたのだ。 「明日が早いので私は先に休ませて貰いますから」 母が早々に引っ込んでしまったので、結局矢田部氏の相手は…

クララの明治日記 超訳版第20回−9

1876年10月5日 木曜日 母は今日気分がいいので、私は富田夫人と十一時十五分に出発して、十二時半に横浜に着いた。 丁度ヘップバン夫人の昼食の時間になってしまったし、私たちだけでホテルに行くのも嫌だったので、日本のお茶屋へ入った。かなりみす…

クララの明治日記 超訳版第20回−8

1876年10月4日 水曜日 母は今日もよくならず、実は悪くなっているのかもしれない。 ウィリイと私が母に替わって授業をした。とても母のことが心配なのだけれど、母は「私はヘップバン先生以外のお医者さんには罹りませんから」と頑強に言い張る。 と…

クララの明治日記 超訳版第20回−7

1876年10月3日 火曜日 今日の午後、母が病気になったので、エマ・ヴァーベックが、ジェシー・フェントンのところへ行こうと誘いに来たが行けなかった。それでエマはうちとにお茶の時間までいた。母はいつも誰かにそばにいて貰いたがる。随分弱くなっ…

クララの明治日記 超訳版第20回−6

1876年10月1日 日曜日 今朝目をあけて、美しい明るい日光が射し込んでいるのが見えた時、殆どこの目が信じられないくらいだった。それほど素晴らしい秋の朝だったのだ。 空気が綺麗で新鮮で、熱いマルセーユ織りの掛け布団がいるほど涼しい。母は芝聖…