Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第21回−11

1876年10月23日 月曜日
朝は晴れていたのに、一日中曇りだった。令嬢たちも授業に来て、お逸も三時過ぎまでいた。
私のところに来た手紙を見せたら、お逸はその数に吃驚ていた。
「中原氏、小野氏、矢田部氏……って、これ、みんな相手は日本人よね!?」
日本の少女は手紙を書くことをあまり知らないが、私はとても楽しんでいる。手紙を書いて返事を貰うのが大好きで、このことは私にひたむきな情熱を傾けている。
人は私の文章が上手だと云ってくれる――無論本当だとは断言できないけれど、五年前に書いた手紙が今恥ずかしいように、五年後には今書いている手紙が心から恥ずかしいと思うだろう。
人間は誰もじっと止まっていることは不可能だから、このように進歩もするし、堕落もしていくのだ。大人になったら、この日記を、まさに「ピーコック嬢の日記」に匹敵するものと思うかも知れない。
しかし、あまり自惚れてはいけない。人間は自分について語ることがとても沢山あるので、自分を宇宙の中心と考えるようになってしまう。だから日記をつけていると、つい自惚れてしまいがちになるのである。
「今度うちにも遊びに来てねー」
お逸はそう云って帰って行った。