Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

クララの明治日記 超訳版第21回−6

1876年10月18日 水曜日
ウィリイはもう一度矢田部氏を訪ねたが留守だったので、開成学校の方へ行きかけて、急に角を曲がったら、その問題の紳士とばったり出会った。
矢田部氏は最初は迷惑そうで、よそよそしかったけれど、ウィリイは持ち前の愛想の良さで気持ちをほぐし(何故普段からそうできないのか、小一時間問い詰めたい)、すぐに二人は楽しく語り合うことができたそうだ。
「お浜御殿に一緒に行きましょう、妹もご一緒致しますから」
もっとも誘いの口実として私の名前を出すのは如何なものかと思うけれど。
そうそう、今日10月18日はウィリイの二十三歳の誕生日だったということを書くのを忘れていた。
「……もう四分の一世紀近く生きたのね」
母にしみじみとそう云われるほど、我が兄は時折年寄りじみた反応を示すのだ。
誕生日プレゼントとして母はウィリイに「倹約」について書いた本を上げ、私は日本のインクスタンド、アディは自分の可愛い小さい手で作った、だけど“得体の知れない”としか形容のしようがない“なんらかの物”を幾つかあげた。