Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第20回−6

1876年10月1日 日曜日
今朝目をあけて、美しい明るい日光が射し込んでいるのが見えた時、殆どこの目が信じられないくらいだった。それほど素晴らしい秋の朝だったのだ。
空気が綺麗で新鮮で、熱いマルセーユ織りの掛け布団がいるほど涼しい。母は芝聖公会へヘバートン主教の説教を聞きに行き、私はアディとユニオン・チャペルへ行った。
食後に訪れたのは他ならぬ矢田部氏で、皇后様の女学校の学生である二十歳の従姉妹のお嬢さんと一緒だった。
「先週の日曜のような罠には嵌るまい」
そう決心して、二人を教会へ行くように誘った。矢田部氏と私、富田夫人と矢田部氏の従姉妹、というように組んで出かけたけれど、運悪く時間を間違えて遅過ぎてしまった。
やむを得ず、ハイパー家の祈祷会に行ったら、丁度終わるところだった。無視論者とは、ここまで神と無縁になれるものなのだろうか?
祈祷会では数人の友達に会ったのだけれど、矢田部氏は自分の英語を見せびらかしたいらしく、私が話す人全部に話しかけていた。
「六年もアメリカにいらした割にお若くみえますね」
「私が日本を発ったのは二十歳の時でしたから」
矢田部氏は開成学校五番に住むことになっている。
富田夫人は今朝来て、一日中いらっしゃった。ご主人の富田氏は、十月二十五日の次の汽船まで帰国なさらないことになったが、私たちはもっと早くお帰りになると思っていた。