Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第24回−5

1876年12月23日 土曜日
今日、つまり土曜日の夕方、坐ってこれを書いていると、杉と松の清々しい匂いが漂ってくる。今日、庭木を刈り込んだのだ。庭師と職人が、一日中、香りのよい杉と柊と松をせっせと手入れしていた。クリスマスツリーを立てたが、飾って明かりを灯したら、素晴らしいツリーになりそうだ。
また、昨日と今日は日本人の友達から贈り物が届いた。
矢田部氏はアディと私に贈り物を送って下さった。アディには綺麗な羽子板、私には金で豪華に飾った漆塗りの箱と可愛い小さな家、箸、桃の木、満月、富士山を金色で描いた美しい腐食銅版画だった。中に小綺麗な小さなカードが入っていて「クリスマスおめでとう、クララさま――R.ヤタベ」と書いてあった。
今朝、杉田夫人が、優雅な贈り物を持って来て下さった。盛から私が頂いたのは小型の化粧道具一揃いで、飾り棚、紙入れ、化粧箪笥、磨いた鋼板の鏡が三つついた鏡立てが入っている。それから、ヒラガナで書いた小さな文庫本と本棚を頂いたが、私はとても気に入った。杉田夫人は本を並べて下さって、私が喜ぶのを見てお笑いになった。母も金色の漆塗りの美しい大きな箱を頂き、ウィリイはパイプと煙草入れ、父はボタン一組、アディは可愛い箱を頂いた。
大鳥氏からは、蜜柑一箱と一つがいの鴨が送られてきた。矢野氏は蜜柑一籠と干し柿一箱、森家の有祐からは蜜柑一箱と羽根一揃い。箕作氏も蜜柑一箱だった! 学校の生徒たちは焼き物の可愛い長方形のミート皿二枚。もっとあったようだが、今思い出せない。
大鳥氏をご招待しに、お逸と一緒に大鳥氏のお宅まで行って、土砂降りの雨の中を帰って来た。
母も間もなく戻り、お逸はクリスマスに結うつもりの髪型のことだけ話して帰って行った。