Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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1876-01-01から1年間の記事一覧

クララの明治日記 超訳版第21回−6

1876年10月18日 水曜日 ウィリイはもう一度矢田部氏を訪ねたが留守だったので、開成学校の方へ行きかけて、急に角を曲がったら、その問題の紳士とばったり出会った。 矢田部氏は最初は迷惑そうで、よそよそしかったけれど、ウィリイは持ち前の愛想の…

クララの明治日記 超訳版第21回−5

1876年10月13日 金曜日 今日はケーキを作ることにした。なんでも勝提督はケーキが大好きだそうだ。 お逸は家に持って帰るカップケーキを作ったのだけれど、滑稽で見ていられないほどだった。 「あっ!」 指にバターがちょっとつくと、端正な顔をしか…

クララの明治日記 超訳版第21回−4

1876年10月12日 木曜日 今日はお逸がやってきて一晩泊まっていくことになった。勝提督から外泊の許可が頂けたのだ。 午後になって、みんなで銀座と芝へ出かけることになった。一緒に乗った人力車の中、向こうから薄黄色い肌の馬がやってきた。すると…

クララの明治日記 超訳版第21回−3

1876年10月11日 水曜日 今日ウィリイは矢田部氏に会いに行ったのだけれど、矢田部氏がお留守だったので名刺だけを置いてくる羽目になった。

クララの明治日記 超訳版第21回−2

1876年10月10日 火曜日 昨日の今日で、というべきか、母と私は銀座で矢田部氏に出会ってしまった。 何故だか矢田部氏が銀座の真ん中で長い枕を腕に抱えていたのだ。 私たちはチェスのセットを注文しようと思っていたところなので、母は矢田部氏を呼…

クララの明治日記 超訳版第21回−1

1876年10月9日 月曜日 また困ったことが起きた! 今晩、丁度ウィリイがインブリー家へ行きたいと思っていたところに矢田部氏がみえたのだ。 「明日が早いので私は先に休ませて貰いますから」 母が早々に引っ込んでしまったので、結局矢田部氏の相手は…

クララの明治日記 超訳版第20回−9

1876年10月5日 木曜日 母は今日気分がいいので、私は富田夫人と十一時十五分に出発して、十二時半に横浜に着いた。 丁度ヘップバン夫人の昼食の時間になってしまったし、私たちだけでホテルに行くのも嫌だったので、日本のお茶屋へ入った。かなりみす…

クララの明治日記 超訳版第20回−8

1876年10月4日 水曜日 母は今日もよくならず、実は悪くなっているのかもしれない。 ウィリイと私が母に替わって授業をした。とても母のことが心配なのだけれど、母は「私はヘップバン先生以外のお医者さんには罹りませんから」と頑強に言い張る。 と…

クララの明治日記 超訳版第20回−7

1876年10月3日 火曜日 今日の午後、母が病気になったので、エマ・ヴァーベックが、ジェシー・フェントンのところへ行こうと誘いに来たが行けなかった。それでエマはうちとにお茶の時間までいた。母はいつも誰かにそばにいて貰いたがる。随分弱くなっ…

クララの明治日記 超訳版第20回−6

1876年10月1日 日曜日 今朝目をあけて、美しい明るい日光が射し込んでいるのが見えた時、殆どこの目が信じられないくらいだった。それほど素晴らしい秋の朝だったのだ。 空気が綺麗で新鮮で、熱いマルセーユ織りの掛け布団がいるほど涼しい。母は芝聖…

クララの明治日記 超訳版第20回−5

1876年9月28日 木曜日 「クララ、貴女はもっと几帳面になりなさい」 母に朝から怒られて、私はふて腐れたまま台所に立っていた。今日はお逸がお姉さまの孝子を連れて来るので、パイを作ることにしていたのだ。 「あれ、クララ? 機嫌でも悪いの?」 …

クララの明治日記 超訳版第20回−4

1876年9月27日 水曜日 富田夫人は今日引っ越しをされた。来週ご主人が帰国なさるので、おうちを整えにいかなくてはならないのだ。なんだか残念である。いらっしゃらなくなるとさぞ寂しいだろう。 富田夫人の家は三田にあって、ここから一マイルばかり…

クララの明治日記 超訳版第20回−3

1876年9月26日 火曜日 小野氏が早朝、結婚を知らせなかったお詫びにみえた。 「わたしが結婚したのは丁度ホイットニーさんが鎌倉に行っていた時でしたので」 だけど小野氏が三十三歳で仙台のサムライなのに対し、奥様は十五か十六の茶屋の娘さんだそ…

クララの明治日記 超訳版第20回−2

1876年9月25日 月曜日 美しい朝で一日が始まる。ここのところ、いい天気が続いている。 「申し訳ありませんけれど、おやお様はひどい風邪を引かれたので休ませて頂きます」 おすみがそう云って帰っていくのと入れ違いに、お逸がやって来た。 午前中に…

クララの明治日記 超訳版第20回−1

1876年9月24日 日曜日 昨日から荒れ狂っていた台風はようやく通過していった。築地付近は随分ひどいことになっているらしく、ビンガム夫人の家は客間・寝室・温室まで浸水してしまったそうだ。 昼食の直後、矢田部良吉氏というニューヨーク州のイサカ…

クララの明治日記 超訳版第19回−4

1876年8月30日 今朝、いろいろな支度をして東京へ発った。東京には夕方頃に着いた。 なんだか誕生日らしくなかったけれど、家に帰ってみると素敵な郵便が届いていた。すぐ後でリビー叔母さんから、いい物が一杯入った箱が届いた。

クララの明治日記 超訳版第19回−3

1876年8月29日 火曜日 今日は鎌倉の大仏の見学だ。海辺に沿って出かけたのだけれど、道のりの大部分を歩かなくてはならなかったので、かなり辛かった。 鎌倉はタイクーンの一人のいた古都で、江の島から約四マイル、東京から十五マイルのところにある…

クララの明治日記 超訳版第19回−2

1876年8月28日 月曜日 今日は弁天岩屋に行くことにした。お堂のある洞穴に着くためには、崖を上って反対側に下り、山の北側の岸に回らなければならない。 途中に幾つかお寺があった。そこに陳列してある骨董品を見てから、祈祷書やお守りや沢山の絵を…

クララの明治日記 超訳版第19回−1

1876年8月26日 土曜日 きっかけは昨日届いた母からの手紙だった。「アディを連れて江の島に来るように」と。 というわけで、昨晩のうちに素早く旅支度を調え、今朝の午前7時に家を出発した。 こういう時に頼りになるのがウィリイだ。「まずは神奈川…

クララの明治日記 超訳版第18回−9

【クララの明治日記 超訳版第18回解説】 「ふっふっふっふっ♪」 「いきなりなんですの、その笑い? 気持ちが悪いですわね」 「ポン様、暴落万歳! ってことで、Amazon.UKに頼んでいた本が遂に魔都倫敦から地球を半周して到着したんだよ! 「勝手に大英帝国…

クララの明治日記 超訳版第18回−8

1876年8月24日 木曜日 勝家のお逸が今日十二時に来た。素晴らしい着物を着て、口紅をこってりと塗り、顔にお化粧をしていたけれど、けばけばしさはなく、より一層美少女っぷりが際だっている。 本当に日本人にしては大きな悪戯っぽい黒い目がとても魅…

クララの明治日記 超訳版第18回−7

1876年8月23日 水曜日 母と富田夫人と父は、今日江ノ島に行った。 朝の七時に神奈川に向かって出発し、土曜か月曜に帰ってくる予定だ。

クララの明治日記 超訳版第18回−6

1876年8月19日 土曜日 「四十七士の墓所へ行ってみませんか?」 木曜日にみえた中原氏が突然そんな提案をされた。何か歴史上の、とても興味深い人物たちらしい。 午後になって中原氏がみえたので、四十七士の墓所である高輪へ出かけることにした。行…

クララの明治日記 超訳版第18回−5

1876年7月31日 月曜日 母とみんなは土曜の夜十時に帰って来て、トルー夫人は二日間うちに泊まっていかれた。 そして今日、新しき我が家「宝石荘」に引っ越したのだけれど、まだすっかり落ち着いてはいない。「宝石荘」は大変狭いけれどと綺麗で、とて…

クララの明治日記 超訳版第18回−4

1876年7月28日 金曜日 昨日の夕方、ヘップバン夫人がメアリ・ビンガムの結婚式にこちらへいらっしゃった時、一緒に先生のお宅へ行くことになった。 ヘップバン氏の横浜のお宅では、夫人はいつも私に軽い綺麗な仕事をさせて下さったので、私はエデンの…

クララの明治日記 超訳版第18回−3

1876年7月25日 火曜日 いよいよ母たちが日光旅行に行く日となった。これで母たちは「結構」と云う資格を得ることになるのだ。 今朝は本当に大騒ぎだった。昨夜母と同行するトルー夫人とアニーが来て泊まっていき、今朝は四時起き。十人の外国人と荷物…

クララの明治日記 超訳版第18回−2

1876年7月15日 土曜日 「申し訳ありません、急用が出来て本日はどうしてもおつき合い出来ないことになってしまいました」 今日は隅田川の川開き。昨日、一緒に行って下さると約束した小野氏が、急遽そんなことを云ってきたので、本当にがっかりした。…

クララの明治日記 超訳版第18回−1

1876年7月14日 金曜日 今日、小野氏の泊まっている旅館に招待されたのだけれど、真夏の酷暑を避けるため、夕方の四時になってから出かけることにした。目的地は比較的近くの蛎殻町で、一行は母、父、アディ、富田夫人と私だった。 見つけるのに少し苦…

クララの明治日記 超訳版第17回解説

【クララの明治日記 超訳版第17回解説】 「お逸さん、大勝利! (出番がまだ来ない)ユウメイ、涙目!!」 「ええい、やっと出番が本格的にやってきたといって“ごく一部の人間”に“ごく一部の時間帯だけ”しか通用しないネタを振るんじゃありませんことよ!! 大体…

クララの明治日記 超訳版第17回−6

1876年7月8日 土曜日 駿河台に住んでいるスージーに招待されていたので、二時にケーキを焼き終わってからアディとコクラン家へ行った。スージーは丁度私と同じくらいの年で、二、三ヶ月私より下だと云うけれど、動作は私より大人びている。 コクラン氏…