Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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6日分の歴史の話の続きで、昨日の「世界不思議発見」のお話。
自分の歴史の専門は「幕末維新期に日本を訪れた外国人の目から見た日本」ということで、オリジナル小説も実はこのラインを基本に。当時の外国人たちの手記で日本語化されているものは殆ど手に入れ、多少その辺は詳しかったりしますが、本当に素晴らしい記述を残したり、異国の筈の日本のために一生を捧げてくれた素晴らしい人々がいる一方、本当に屑としか表現しようのない輩も多かったわけで、自分の中ではその一角を占めるのが昨日前記の番組で取り上げられたスネル兄弟。
弟は後に明治政府に「(当時結ばれていた六カ国条約違反をした挙げ句)会津藩に引き渡した、もしくは引き渡す予定だったと“称する”武器弾薬」の代金を請求。4万メキシコドルなんていう莫大な金額をふんだくった挙げ句、姿を消してます。
ちなみに感動的に描かれていた兄貴の方は更に悪質で、オランダ人商人の癖にプロシア軍人を「詐称」して会津藩に取り入り、会津藩に弟から武器弾薬を買わせ(前記の条約違反)、挙げ句の果てに戊辰戦争では全くの役立たず。それから昨日取り上げられた移民の話ですが重要な話が抜けてます。スネルが「会津藩の人間のために買った」とされる土地ですが、手続きミスなのか最初から購入していなかったのかは今となっては不明ですが、後に「登記上は今なお公有地」であったことが判明し、それ故に移民した会津藩士たちが離散したわけで。ちなみに本人は移民した人々を置き去りにして、逃げ出した事は隠しようがないで、昨日の番組でも渋々認めていますね。
で、結局この兄弟、二人とも没年不明。ロクな死に方が出来る人生を送っていないので何処かで野垂れ死んだと信じたいですけどね。ちなみに両人とも「殺された」という噂が当時日本にいた外国人達の間で広まったようですから、彼らの間でも如何にこの二人が唾棄すべき輩と認識されていたかが察せられます。
多分昨日の番組は某直木賞作家の本を元に作ったのだと推察されますが、その本は全てスネル兄弟に都合の良い視点で構成されています。ちなみに上に記した事実関係自体は同書でも大体取り上げていますが、何故か全てスネル兄弟の都合の良い様に解釈されています。「まず最初に結論ありきで、それを成立させる為におかしな理論を構築し、邪魔な要因を排斥したり」というのが見事に当てはまるお話でした……。