Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

今回は1月7日付の独白の続きのお話。
Fateとは無関係の、真面目なお話なので、興味のない方はお読み飛ばし下さい。
先日「肺がん治療薬イレッサ、英国で承認申請を取り下げ」というニュースについて書きましたが、その後、予想通り日本では「今後も使用」という方針が出されました。特定の方に劇的に効果を発揮する一方、副作用も多発し社会問題になっていることもあり、これに関しては新聞でも諸々取り上げられ、擁護側、承認取消派、それぞれの意見が載っていました。
ところで以前から何度も書いてますが病院では「治験」という業務があり、開発中の薬の効果の確認や市販薬の組み合わせによる効果的な治療法について検討しています。
で、今回の治験審査委員会でもその話題が出たわけです。幸いうちの病院には肺癌に関する大きな国際学会には必ず呼ばれる先生がいるのですが、その方に云わせると今回の件に関しては国際学会では昨年中に決着済みだそうで。承認取消派は「誰に効くのか明確じゃない」と主張しているのですが、実際には既にどの特定の遺伝変異を持った方に効くかは確認済み。しかもその特定変異の方に限れば、奏功率は90%以上。これは素晴らしい数字です。
ですが当然問題もあります。その特定遺伝変異を持っている方は日本人でも全体の3割程度。漏れてしまった他の7割の方に関してはどうすべきかで激論に。別の治療法を試みることで10%程度の成功率に賭けるのか、副作用で寿命を更に縮める可能性の高いその治療法を認めないのか。自分なら……最後の最後まで足掻き続ける方を選択するでしょうね、きっと。実際委員会でも前述の先生の主張が通り、最後まで足掻く手段は残しておくべきだ、と云う結論に至りましたが。
ですが、実際にその立場に立たされたら……そう簡単に結論を下せますでしょうか?