Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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日曜恒例異文化交流クイズ。今回の舞台は大正7年から11年にかけての横浜、後に世界的伝記作家となるアメリカ人、セオダテ・ジョフリー(女性)の記録からの出題です。
小ネタとしてあまり知られていない当時の「外国人居留地」ネタがありますので、興味のある方はどうぞ。遠坂邸の元ネタも、横浜と神戸の違いはあっても、同じ外国人居留地ですしね。
さて、もうこの時代になると皆さん「当時の横浜は既にハイカラな町だったんだろう」と想像されるでしょう。ですが実際には市電はあちこちを走り回っていますが、路上にはまだまだ人力車が走り回り、2階建てより大きい建物は殆ど存在していません。公衆浴場は辛うじて男女別に別れていますが、夏の暑い日には浴場から出てきた男は赤褌1丁、女性も上半身裸で町中を歩いている、という牧歌的光景が見られたようです。
何故彼女の記録が貴重かと言いますと、当時のある程度の階級の外国人達は、皆日本人との接触を極力断つようにして、かつ『本国でのと同じ生活環境を保つ』ことを最優先事項として、元の外国人居留地周辺に集まり、独特のコミュニティを作っていたからです。
以下、一般的には知られていない、外国人居留地の裏面を。
この頃になると日本人の一般賃金も上がっているのですが、彼らが使用人に払う給料は何十年前の相場のまま。しかも初期に日本に“(その目的はともかく)一定の目的、使命感を持って”やってきた人たちと違い、彼らの大半は亡命者、本国で破産して日本に逃げてきた人々、商売上・外交上の都合でやむなくやってきた人々と、あり体に云えば嫌々日本にやってきているので、日本人に対する差別意識がありありとあったようです。その結果、日本人の使用人に対する扱いは酷く“まともな日本人”は誰も使用人として応募しなくなりました。
では、何処から使用人を調達するか? 普通の日本人家庭では雇ってくれない前科持ちの人間、もしくは現職の犯罪者を雇わざるを得なくなるのです。外国人への治外法権が撤廃されていても、やはり日本の警察権は外国人居留地の中までは実質踏み込めなかったようなので犯罪者の隠れ場所としては最適。しかも彼ら日本の犯罪者達は「使用人組合」を作り、推薦状等も仲間内で偽造して融通、しかし外国人達も自分達の待遇が悪いことを自覚している為か、推薦状の偽造も知っていて知らないフリ、と酷い状況。
しかも元が犯罪者達ですから、使用人としての誠実さを求めるべくもなく、持ち逃げ等が頻発。すると雇用主側は更に使用人に酷く接して、ともう悪循環のスパイラル。
(……と、この辺りを背景にした時代小説のネタは長年検討中。大正くらいの遠坂・間桐一族を舞台にしたSS用のネタにも出来るかなあ、と思ったり)
但し、このような風潮に反発したセオダテが、ありのままの当時の日本の姿を知ろうとしてくれたお陰で様々な興味深い記述が後世に残っている訳ですけどね。
さて、ここで問題。彼女は旅行での移動中“あるモノ”を購入し「これは世界のどの国でも同じ方式で販売すべきだ」と感嘆しています。まず最初に売り方に感心し、次にその多彩さ、便利さを褒めています。これにより当時アメリカ等では、この方式で、その“あるモノ”は販売されていないことが分かりますが……さて、この『あるモノ』とは一体なんでしょう?
もっとも昔は日本の至る所で買えたその“あるモノ”ですが、現在ではそんな方式で発売している所は殆ど絶滅状態ですけどね。