Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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日曜恒例異文化交流クイズ。ジャポニズム特集第8回は「有名なガラス工芸家エミール・ガレに、日本のモティーフや季節感などを直接伝え、その後のガレの作風に強い影響を与えた高島北海は、明治政府の官吏として何を勉強にフランスに留学していたのでしょう?」という問題でした。
正解は……今回も実は複数あり得て申し訳ないのですが、一応一番メインかつ広義の意味合いで「林業」が正解と云うことで。植林、森林保護なども当然正解ということで、今回の正解者はMr.ROMさん、sumaさん&mikeさん、nonさんとなりました。nonさん、なんと三週連続正解です。
しかし明治18年なんて時代に、林業を学ばせる為にフランスに留学させるとは、明治政府もそれなりに色んな所に目を配っていたんだ、という点には感心。もっとも日本の美術・工芸を売り込むべく作った官製会社はあっさり潰れ、後の美術史に名を刻んだのが個人の美術商やら、芸術なんて全くの門外漢の、この高島北海のような人物だった、というのは、皮肉と云うべきか、ある意味「当然」と云うべきか?
更にこの林業に関しても皮肉な話ですが、江戸時代の日本の森林保護、植林技術は世界的に見てもピカ一でした。具体例を挙げると非常に分かりやすいのですが、先般開かれた愛知万博。その本来の会場予定地だった瀬戸の「海上の森」は数百年前には一度ほぼ禿げ山化しています。これは陶磁器を焼く為の薪を作る為に木を伐採しすぎた為ですね。勿論そのまま放置すれば洪水や土砂崩れが発生します。ですから、人々は長い年月を掛けて「陶器を焼くために伐採した分を植林して」というリサイクルシステムを構築したわけです。実際一部だけ使用された瀬戸会場を見てきましたが、確かに奥凄く深い森というわけではありませんけれど「この山が一時は全山禿げ山だった」と云われてもピンと来ないでしょう。江戸時代の日本はこうして少なくとも一般的な日常生活に必要なモノは自給自足できる体制を確立していたわけですね。
もっとも江戸幕府が倒れた時、木曽の山奥の人々は「これで(今まで幕府に禁じられていた地域で)木の伐採が自由に出来る」とはしゃいだのが「夜明け前」であって、そういう観点で捉えると某県知事様は、環境保護と正反対の思想の人間たちを「信州の誇り」と云っている、と(その程度のこと、ご本人が知らない筈がないので更に不思議なんですが)。更に蛇足ですが、明治政府は「禿げ山だらけのとある地域」に長い時間と大量の資金を投入して植林に励んだわけですが、ほんの60年で完膚無きまでに全土禿げ山に逆戻りしたようです。なんでもその地は「地上の楽園」を自称しているそうですが。。。
話が逸れましたが、とりあえず今年のクイズはこれにて終了と云うことで。来年も宜しくお付き合い下さいませ。もう少し参加しやすい形にしたいと思っておりますので。