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第10話「穏やかな幕間」の感想・考察を、本編シナリオと読み比べながら御紹介。
今回は前回の予告からの予想通り、Fateルート７日目を基本に、道場稽古＆イリヤとの遭遇＆アーチャーとの会話の７日・８日分を纏め、かつ慎二との決裂部分だけ８日目を混ぜて一日にした上で、映像化。
朝、嬉しそうに道場の清掃をして戻ってくる士郎。遭遇した遠坂さんは寝起きが悪いというより―――着替えをして無いどころかネグリジェ姿なんで、天然系お嬢様の朝ボケに見えるんですが。そのまま寝ちゃうしw。いくら寝惚けていても着替えまでしてないのは(シナリオ上では幾ら寝惚けてても着替えだけはしてる)、流石に少々違和感。
ＯＰ開けのＡパートは、いきなり登校前シーン。本来Fateルート７日目の朝に凛が桜を追い出しているのですがこれはカット。昨日も書きましたが、いずれにせよFateルートの展開上、何処かの段階で桜は何処かで衛宮家を出ざるを得ないのでしょうが(少なくとも後半のギル様襲撃前までには)、まだ暫く引っ張る模様。これも同じく昨日書きましたが、子桜がアニメでも登場予定ということは、凛との姉妹ネタもあると考えるのが普通ですから、そこまはで引っ張るつもりなのかと。ただこの日、凛が慎二にベアナックルを放っているので、早ければ桜の衛宮家退去はその翌日で、姉妹ネタはまた状況を改めて、と云う可能性もありそう。
と云うことで、藤ねえたちを玄関で見送る士郎。おや？　士郎、妙に肩幅が広い気が。アーチャーを意識して描いているのか？　と思えば、後で登場するアーチャーも普段より広かったので、これは単純に作画の問題ですね。
学校に行かないと告げる士郎と藤ねえのシーン。シナリオだけ読むとサラリと流してしまいそうですが、アニメでは藤ねえがいい感じの保護者として描かれているかと。

そして士郎とセイバーの道場稽古開始。一見シナリオ通りで、ごく普通の稽古シーンに見えるのですが、以下のシナリオ上でのフォローシーンがないので、元々士郎の修行シーンの描写がないアニメのみの視聴者がついてこれているのか心配です。
>「私から見ても、シロウの運動能力は水準に達しています。
> これ以上肉体面を鍛えるのであらば、それは一日や二日で出来る事ではありません」
>「シロウは魔術師として未熟ですが、戦士としては悲観したものではないと思います。
>幼い頃から、よほど懸命に鍛えてきたのですね」
>「う―――まあ、それぐらいしか取り柄がなかったからな。
> 体を鍛えるのだけは、魔術の才能がなくても出来た事だし」
>「それが幸いしたのでしょう。ランサーに襲われて死に至らなかったのは、シロウの
>そういう努力のたまものですから」
これは散々指摘されていますが、魔術の修行に関してもそうですね。これに関しては今回のＢパートでの凛の魔術講義のシーンについても云えますが。
引き続き、セイバーの望みを聞く士郎。このシーン、シナリオ上はどんな風に会話しているのかはっきり明記されていませんが、セイバーの顔が正面からマトモに見られずに背中を向けての会話になっているのは、士郎らしくて良いかと(^^)。
本編終盤に向けての肝となるセイバーが「……ですが、私はただ、やり直しがしたいだけなのかもしれない」と独り言のように呟くシーン。商店街に出かけてもそのセイバーの姿に何処かやりきれなさを感じる士郎に、丁度イリヤがクイクイとやってくるのは、アニメならではの上手い切り替え具合かと。

久々のイリヤ登場。ですが、どうにも個人的にアニメのイリヤには違和感が。
自分のイメージ的には、イリヤって瞬間瞬間に感情がコロリと変わっていく感じで、そこが小悪魔っぽいわけですが、アニメのイリヤはどうにも一本調子のロリっ子な感じで。
実際シナリオ抜粋すると、
>「よかった。生きてたんだね、お兄ちゃん」
>　なんて、嬉しげな笑みをうかべてきやがった。
>「まさか―――ここで、やる気か」
>「？　おかしなコトを言うんだね。お日さまが出ているうちに戦っちゃダメなんだから」
>　むー、と不満そうに口をとがらす。
>　それは、どう見ても年相応の、幼い少女の仕草だった。
>「それは違うよ。わたしに敵なんていないもん。他のマスターはただの害虫。
>けど、いい子にしてたらシロウは見逃してあげてもいいよ？」
>　笑顔で、さりげなくとんでもないコト言ってるし！
>「―――なに。お兄ちゃん、わたしのこと嫌いなの？」
>　あの夜。バーサーカーを連れていた時と同じに、赤い瞳を灯らせて彼女は言った。
>「――――っ」
>　背筋が凍る。
>　さっきまでの仕草があまりにも幼かったから危機感が薄れていたが、彼女は間違いなくバーサーカーのマスターだ。
>　下手に逆らえば命はない。
士郎の名前の間違えて何度も連呼するシーンを、わざわざ入れているくらいなら(シナリオ上は一度だけ)、上のイリヤの性格切り替えシーンをもっと強調して入れるなり、
>「シロウ？　なんだ、思ってたよりカンタンな名前なんだね。そっか、シロウか。
>……うん、響きは合格ね。単純だけど、孤高な感じがするわ」
>　つ、と何やら思わせぶりな視線を投げてくるイリヤスフィール。
という、イリヤらしい感想シーンを入れた方が、印象深くなると思うわけですが。

そして公園でのイリヤとの会話シーン。シナリオ通りに進みつつ、アニメらしくイリヤの回想で切嗣のカットを入れてきます。「俺に妹がいたら〜」という台詞も伏線ですね。
それは良いのですが、シナリオだと士郎の夢という形で頻繁に切嗣が出てくるのに、アニメではその辺がカットされ、僅かに凛との会話の中だけで「魔術師の親子の在り方」という形で出てくるだけなのは、後半のセイバーと切嗣の関係を描く前提として大丈夫でしょうか？　士郎にとって切嗣が如何に重要な存在であるかを前半で描いているからこそ、後半で明かされる「セイバーと切嗣の間の齟齬」に士郎が戸惑うシーンが際だつと思うのですが。
で、場面変わって学校の屋上で、対峙する凛と慎二。しかしこんなシーンに力を入れんでもw。しかしこのシーン、慎二の台詞「衛宮？　衛宮とオマエが？」ってのは士郎と凛が手を組んでいることを知っている慎二としてはおかしいのでは？　シナリオだと士郎の家に同居しているコトまでバラしたため、凛に憧れていた慎二が逆上した、という流れなのですが、言葉が足りないと云うべきか。ついでに云うと遠坂さん、結果的にこれで慎二が完全に逆上して翌日鮮血神殿を発動させているので、言動には十分気を付けましょう……。

一方帰宅した士郎も大変で、久々、というかアニメでは確か初めて料理を披露するシーン。これ、どう見てもセイバーの虚ろげな表情がヤバイわけですがw。しかも料理が士郎にしては雑っぽい煮込みうどんのようですし。
凛と慎二のこともあり、頭を抱えながら風呂に入ろうとして、裸セイバーさんとのご対面(実はシナリオ上だと７日目８日目と連続イベントw)。何処のエロゲの主人公？　てな素敵な反応です、士郎w。もっともこのシーンは士郎がセイバーを「女の子」としてより強く認識するための必須イベントでもあるわけで、今後に上手くいかされればよいのですが。

続いてFateルート７日日＆８日目分を一度に纏めた、遠坂先生の魔術講義。てっきりカットと思いきや、考えてみれば「投影」の説明を何処かで入れないと今後の展開上成り立たないわけで、実はこちらも必須イベントですね。もっとも上にも書きましたが、ここのシーンも問題があって、士郎の日々の魔術鍛錬の過程と結果を知らないアニメオンリーの視聴者にとっては、士郎は「強化」なら百発百中なわけで、あと当然魔術スイッチの話なんていきなり云われても分かるべくもなく「投影」の話も唐突で、完全に置き去り状態。原作未プレイの友人にこの辺の所、どう見たのか一度聴いてみようかと。それにしても……宝石を呑まされた後のシーンの士郎、なんか変な薬でラリってるようにしかw。
そして凛の魔術講義を受けてアーチャー登場。Fateルート７日目の邂逅は既に第６話での遠坂邸での帰りのシーンで使用していますので、８日目の方そのままに。皮肉っぽく云っていますが、このシーンはFateルート通り、完全に助言者としてのそれで、やはり士郎ＶＳアーチャは今後もないっぽい雰囲気ですね、残念。こうなると注目は、アーチャーＶＳバーサーカー戦で無限剣製又は投影なシーンが描かれるか否かくらいでしょうか？

さて次回第１１話「鮮血神殿」予告予告解説。
１コマ目−道場(？)で座り込む士郎の前に仁王立ちの凛、２コマ目−学校へと走る士郎、３コマ目−ガラスランプで強化の訓練中の士郎、４コマ目−慎二に足蹴にされる藤ねえ、５コマ目−道場でのセイバー、６コマ目−士郎ＶＳライダー、７コマ目−真剣な横顔の凛、８コマ目−ライダーの鎖、９コマ目−走る士郎、10コマ目−鎖をひくライダー、11コマ目−攻撃に耐える風の武装モードのセイバー、12コマ目−慎二表情アップ、13コマ目−士郎立ち姿、14コマ目−攻撃してくるライダー、15コマ目−防戦のセイバー、16コマ目−士郎の令呪が発動、17コマ目−激闘中の士郎の表情、18コマ目−トドメを刺そうとする(？)ライダー、という具合ですね。
基本的にFateルート９日目通りの展開で、かつアニメ誌の予告から前半部分に、凛が士郎の魔術の異質性に気付くシーンもある模様(シナリオの選択肢で云えば「１．遠坂を呼びに行く」を選んだ場合)。ただ予告を見る限り士郎にもっとストレートに伝えそうな感じも。でないと視聴者には分かりづらいでしょうし。
あと作画的なところで気に懸かるのは、セイバーも凛も、やたらふっくらした表情をしていた気が。本放送では修正されていることを期待してます。