Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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第11話「鮮血神殿」の感想・考察を、本編シナリオと読み比べながら御紹介。
シナリオ上だと「士郎はアーチャーとの邂逅の後、土蔵に向かいそのまま朝を迎えてしまいセイバーに叱られる」という展開ですが、今回は珍しく諸々省略して、翌日昼付近まで話が飛びます。
>「けど、セイバーってほんとに冷静よね。
> 三時間も士郎と試打ち合って、眉一つ動かさないんだから。」
>「剣を握っている時は感情を止めているのかもしれません。意識した事はありませんが」
>「それって女の身で剣を持つ為の心構えってヤツ?
> 体格で劣っているから、心だけは負けないようにって」
>「それは違います。私は一度も自身を女性だと思った事はないし、一度も女性として扱われた事はありません」
本編台詞を組み合わせた以上のOPの凛とセイバーの会話は、シナリオ上では居間で交わされ、士郎は調理しながらそれを聞き、セイバーに対して……というシーンですが、その士郎の感情の起伏はその横顔と瞳で、アニメらしく上手く表現されていたかと。
しかし遠坂さん、一瞬前までのその辺りの空気を吹っ飛ばしw、そのまま士郎を拉致して前日に引き続き魔術講義の開始。
で、士郎が強化の特訓をしている間に、今後の展開の肝ともなるべきものを、セイバーと共に凛が発見するシーン。士郎の能力はどんなものなのか、凛が何に対して苛立っているのか、視聴者に興味を持たせるべきシーンですね。シナリオも微妙に予備知識のない視聴者寄りに改変してありますし
>「――――何者よ、アイツ
> 信じられない。セイバー、貴女この事に気が付いてたわね……?」
>「……いえ、私には判らなかった。私は騎士であって魔術師ではない。
>ここには違和感があっただけで、凛ほど状況を把握している訳ではありません」
>「―――そう。なら教えてあげる。アイツは魔術師なんかじゃないわ」
>「……凛。それはどういう意味でしょうか」
>「言葉通りの意味よ。
> 魔術っていうのはね、結局は等価交換なの。
>どんな神秘だって、余所にあるものを此処に持ってきて使っているだけ」
>「……けどコレは違う。アイツは何処にもないモノを此処に持ってきてしまっている。
>此処には在ってはならないモノをカタチにしている。
> それは現実を侵食する想念に他ならない。
> アイツの魔術は、きっと、ある魔術が劣化しただけのモノなんだわ」
最後の「現実を侵食する想念に他ならない」と「ある魔術が劣化しただけのモノなんだわ」という台詞から、月姫をプレイしている人間には「固有結界?」とピンと来るわけですが、当然それでは一般視聴者には理解すべくもないので
>「アイツは元々こういうことに特化した、ある魔術の化身なのよ」
という表現に変わっています。この改変は確かに正しいと思いますね。凛が怒っている理由に関しては正直伝わらなくても仕方ないことだと思いますし。
しかし今回冷静にシナリオを読み直して疑問が。凛は一目で土蔵に転がっているものを投影の産物だと見抜いていますが、これは一目で分かるものでしょうか? あとUBWの10日目でも凛は土蔵を覗き込んでいますので、何らかの魔術の気配は伝わってきていたりするわけでしょうか?


話を本編に戻して、慎二からの学校への誘いの電話。士郎、警戒しつつもあっさりと応じちゃってます(汗)。一応シナリオ上は
>『それと遠坂にバラしたら本当に絶交するからな。
> 今まで桜のコトは目を瞑ってやってたんだ。最後ぐらいは、友人として義理を果たしてもいいだろ?』
桜のことで半ば脅されて出かけていますので、分からないでもないんですが。。。
そして士郎学校に到着と同時に鮮血神殿発動。倒れている生徒を目にして
> どろり、と。ケロイドのように爛(ただ)れた腕と、死んだ、魚のような眼。
>「――――――――」
> 知っている。こういう光景は知っている。
倒れている生徒に10年前、自らが巻きこまれた大火災を重ね合わせるフラッシュバックシーン。やはりアニメの表現上生徒たちの様子もソフトに描かれています。ですが、後半で描かれるであろう「教会地下の子供達」の描写は一体どうするつもりなのか、ちょっと心配に。
士郎を前にして滔々と語る慎二。如何にも「この後ボコられることが確定的なんだけど、今だけは勝利の快感に酔いしれる小悪党w」な演技ぶり、神谷さん、お見事です。しかしアニメと合わせて、シナリオを読み直してみても、一応、鮮血神殿を張った「第一次的な目的は」交渉材料用であったと思われるのに、凛に前日殴られたという理由でキレてあっさり使ってしまう辺りのチグハグさも、なんとも慎二らしくw。
それでも藤ねえを足蹴にしたのは決定的な間違いで。「……藤ねえがどうしたって?」という士郎の台詞、これまでのアニメでの台詞の中で一番凄みがありました。


そして戦闘開始。士郎を襲った「黒一色で出来た刃」の攻撃。シナリオでは如何なる方法か不明でしたが「偽臣の書」を全面に出してとは云え、慎二自身の攻撃だったのは意外でした。てっきりライダーの攻撃の一環かと。
その攻撃はかわしたものの、続いて現れたライダーには防戦一方の士郎。しかしこのシーン、てっきり忘れていたのですが、アニメで見ると改めて異質だと思わされたのは
>「っ…………!」
> 肩口―――鎖骨の下に、短刀が突き刺さる。
> 一際高い金属音と、チィ、という舌打ち。
>「え……?」
> なんだ……? ライダーの短刀の先が、ボロボロと刃こぼれしている―――
>「……驚いた。私の刃物では殺せない」
回復力の方は聖剣の鞘のお陰なのですが「金属音を立てて刃物を弾く」となるとそれとは少し異質で、如何なる意味あいを持つのか? やはり「身体は剣で〜」の伏線的意味あいだったのか、それとも別の理由付けがあったのでしょうか? 意味があるとすれば「私の刃物では」という部分?
しかし、そのシーンの意味を深く考えさせない程の思考の早さで繰り出されたライダーの蹴り、見事に吹っ飛ばされて落下していく士郎の描写と魂の叫び、そして召還に応じて現れるセイバー、とこの三連コンボのシーンは見事でした。シナリオだと士郎はそのまま地面に叩きつけられているのですが、ここはアニメの描写の方が格段に映えます。こんな描写が出来るなら、一番最初のセイバー召還シーンのアレや、対バーサーカーの描写はなんだったのかと。。。


Bパート。襲いかかるライダーを弾くセイバー。それを更に身を翻し、倒立して体制を整えるライダー。シナリオは士郎視点でしたので詳細な戦闘シーンは描かれていませんが、なかなか良いアクションです。戦闘シーンに関しては、個人的にはライダーの描写が一番ハマっているように感じます。
一方あっさり慎二を追い詰める士郎。ですが微妙に奇異に感じたのはこの後の件。
>「ならおまえの息の根を止めるだけだ」
>「は―――デタラメだ。おまえにそんなコトできるもんか」
確かにこの後で士郎の述懐で、切嗣が士郎に教えたことして、
>相手が同じ魔術師なら、殺す事に抵抗なんてないのだと―――
>そんな魔術師の初歩さえ、慎二は教われなかったのだから。
というシーンがあるわけですが、それがアニメとなると以下のように描写されます。
「一つだけ確かに教わったことがある。それはどんなに取り繕おうと、魔術は自分を殺し、誰かを傷つける術なんだと。だから魔術師は魔術師を殺すことを一番始めに覚悟している」
確かに魔術師としての教えとしてシナリオでは既出なわけですが、ここでそれを取り上げることに微妙に違和感がありました。切嗣とのエピソードを語るためにしては唐突ですし。


それとこのシーンですと、本来シナリオだとある筈の以下のシーンが消えていますね。
>「―――ここまでだ慎二。令呪を捨てないのなら、その腕を切り落とす。
>それでマスターの資格はなくなるそうだからな」
>「は……? 腕を切り落とす……?」
>慎二は心底不思議そうに首を傾げる。
>それは芝居なんかじゃなく、慎二は本当に俺の言っているコトが判らないようだった。
勿論コレはHFでライダーの真のマスターが桜であることを示す伏線である一方、アニメはFateルートだから不必要、とも考えられますが、今までの桜と凛の微妙なやりとり、そして次回予告での思わせぶりな桜の立ち絵シーンからすると、次回「士郎の知らないところで桜と凛が」というのはあり得るかも知れません。
そしてライダーの「ベルレフォーン」の発動。最大の見せ場は次回ですので、今回は顔見せ程度でしたが、シナリオ上では訳の分からない状態のまま逃げられた、って感じですが、翼だけチラリと映すのは、なかなか良いヒキだったかと。


倒れた士郎が、アニメでは久しぶりに十年前の光景を。シナリオだと切嗣の夢と交互くらいに登場しているので、久しぶりの感が。この辺りから本格的に士郎の過去にも触れていく形になる訳でしょうか?
そして目覚めると凛に怒られ、道場に行けばセイバーに怒られる士郎w。それでもセイバーとの絆が徐々に生まれていく感じは良い雰囲気です。
>「―――ええ。シロウが似合うと言いましたから」
このシーンのセイバーの柔らかな表情は素敵でした。


さて次回第11話「空を裂く」予告解説。
1コマ目−夕焼けの公園のベンチに座る士郎とセイバー、2コマ目−ニヤリと手にした刃物を舐めるライダー、3コマ目−ライダーの攻撃を避けるセイバー、4コマ目−腰掛けた士郎の隣にいるセイバー、5コマ目−頭上を見上げる士郎、6コマ目−ライダーとセイバーのビル壁疾走、7コマ目−何か食べながら喋る凛、8コマ目−夜、頭上を見上げる士郎とセイバー、9コマ目−何か突風のようなものを耐える(?)士郎、10コマ目−キッと顔を上げる武装セイバー、11コマ目−ビルの壁に垂直に立つライダー、12コマ目−エクスカリバー発動? 13コマ目−夜空を意味ありげな表情で見上げる桜、という具合ですね。
やはり一番注目点は、夜空を見上げる桜でしょうか? 一応シナリオ通りだと、鮮血神殿発動の翌日は士郎はセイバーを連れてライダー探索に出かけ、間桐邸にも寄っている訳ですが。
>念の為、慎二の家に足を運んだ。セイバーにライダーの気配を読みとってもらう。
>結果は反応なし。……まあ、自分の家に潜伏するほど落ち着いた男でもあるまい。
>「行こう。慎二が結界を張るとしたらこっちの町じゃなくて、新都の方だ。オフィス街のビルを総当たりしていこう」
>セイバーに声をかけて、間桐邸を後にする。
>「いいのですかシロウ? ここは桜の家なのでしょう。
>立ち寄ったのですから、声をかけては? それぐらいは余裕があると思いますが」
>「――――――――」
>たしかに桜の事は心配だ。遠坂の話じゃ桜は体調不良だけで、幸い外傷はなかったという。
>それでも、出来れば顔を見て、いつも世話になっているんだから看病ぐらいはしてやりたい。
> だが――――
>「やめておく。この戦いが終わるまでは、桜と会って戦いに巻き込む訳にはいかないからな」
と云うことで、桜と接触していません。加えて云うと、この日士郎達が慎二探しをしていた間、凛が何をしていたかもシナリオ上は描写されていない訳で、サービス的に凛と桜の姉妹ネタを入れるのに、(今後の展開を考えても)次回ほど適切な回はないかな、と。例えば「ライダーの消滅を感じ取って桜が空を見上げる→その背後に凛が現れて」みたいな感じで。
その辺にも微かに期待しつつ、メインとなるセイバーVSライダーも当然! あとイリヤの出番もあるでしょうか? 登場するとしたら、イコール慎二の……ですが。