Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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第12話「空を裂く」の感想・考察を、本編シナリオと読み比べながら御紹介。
冒頭、前回のダイジェトが流れ、いいところ無く敗北した慎二君、壊れ気味で夜の町で大荒れ。だけどゴミ箱にしか当てれないところがなんともw。しかもライダーもそんな慎二を完全放置プレイwしている訳で、自業自得とはいえ哀れです。
一晩明けて翌日の衛宮家。藤ねえの無事を確認する士郎。たった一コマの出演ですが、藤ねえ、相変わらずのインパクトです。藤ねえの無事を確認してそのまま慎二探しに出かけようとする士郎をセイバーが止めます。この部分は基本的にシナリオ通りですが、同時にセイバーが士郎の「異常」に気付くきっかけでもありますね。
>「今日中にライダーのマスターを捕える理由などありません。戦うのならシロウの傷が癒えてからでも遅くはないでしょう」
>「―――それは違う、セイバー。順番で言うなら、俺の体なんて後回しだ。
> またあんな結界を張られる前に、あいつからライダーを切り離す」
>「……昨日のような犠牲者を出したくない、と言うのですか。ライダーのマスターを倒すのではなく、ただそれだけの為に戦うと?」
>「いや、慎二には責任をとらせる。その為にはライダーを倒するのはそのためだ。
>それに犠牲者を出さないために行動するのは当たり前だろ。戦う理由以前の問題だ」
>「………………そうですか。マスターがそう言うのでしたら、私は従うだけですが」
セイバーの機嫌が悪いのは、ハッキリとまだそれに気付いていなくても、何かしら違和感を感じてのことですね。もっとも勝ち目があるのかどうだか分からないまま、慎二を捜そうとする士郎に、遠坂さんは更に遠慮が無くって。
>「え……勝ち目って、慎二にか……?」
>「勝算もないクセに他のマスターに手を出す気だった、なんて言ったら笑うわよ?」
>「あ――――む」
>「……ちょっと。衛宮くん、本気?」
>「う――――すまん、笑ってくれ」
>「……うわ。悪いけど笑えないわ、今の冗談」
シナリオだと実は笑ってない(笑えない)遠坂さんですが、アニメの「こりゃ、困ったわね」な引きつった笑いもアニメらしい表現でこれはこれで楽しいかと。その後の士郎とセイバーの話を聞きながら漬け物を食べるシーンも、妙に衛宮家に馴染んでいる感じで(^^)。


引き続き物語は、忠実にシナリオ通りにライダーの宝具の解説に入りますが、シナリオですと「なるほどなるほど」と読み進めるところですが、こうしてアニメで実際に解説してみると、冗長と云うか、唐突と云うべきか。
>「確認は出来なかったのですが、分類的には凛の使う魔術に近い」
>「それは変よ。現代の魔術じゃまず貴女に傷をつける事はできないわ」
>「―――はい。神秘はより強い神秘の前に無効化される。
>私の鎧を通る事ができる神秘は、貴女たちの言う“魔法”か、神域に棲む幻想種だけです」。
ですがこの解説がないと、今回のBパート何が起こっているのか、予備知識のない視聴者に皆目見当がつきませんし、痛し痒しですね。
そして解説終了と共に「わたしはわたしでやる事があるから」と出て行く遠坂さん。結局シナリオ上では何処で何をしていたかは描かれませんでしたが、Bパートクライマックスでの「エクスカリバー発動→ライダー消滅」シーンで、間桐邸前にいるところを見ると、やはり「ライダーの真のマスターが桜であることを知っていた」ということを暗示しているのでしょうか? そして桜の呟きは「ライダー……」でしょうか? それとも「兄さん……」?


さて急ぎすぎたので時を巻き戻して、その間桐邸にやってきた士郎。
>「いいのですかシロウ? ここは桜の家なのでしょう。立ち寄ったのですから声をかけては?」
>「――――やめておく。この戦いが終わるまでは、桜と会って戦いに巻き込む訳にはいかない」
と、ここもシナリオ通りの訳ですが、敢えてここで続く士郎のモノローグ部分。
>……それに、なにより。
>これから桜の兄貴と戦う自分が、桜に会える訳がない。
>慎二を殺してしまうような最悪の結果になったなら、これから先も、桜に会う事はできなくなるだろう。
>……なら、そんな未練は残さないほうがいい。
>それは俺がするべき最善の方法で、きっと、桜にとっても最善の方法だと思うのだ――――
この冒頭の「……それに、なにより」だけは言葉にした方が、演出的にも「士郎の覚悟」がハッキリと伝わったのではないかと。


慎二探索の途中で、眩暈を起こした士郎を公園に連れてきたセイバーさん。寂しい公園の筈なのにそこだけ熱々で膝枕をしているカップルを見て、膝枕を思いつくシーンは、アニメ本編では滅多に見られないセイバーの可愛らしいところが垣間見えて素敵です。
そして十年前のシーンを夢で見て、飛び起きる士郎。今回シナリオを読み直して、ここに初めて「鞘」の伏線があったことに気付きました。
>……と、なにかおかしい。一際熱い胸の感触なんて、俺は覚えてはいない筈だ。
>「―――――――」
>がばっ、と勢いよく体を起こす。シャツの襟元を開けて、自分の体を確認する。
>「―――だよな。傷なんてないし」胸に傷痕なんてない。
>そもそも俺は火傷による呼吸困難で死にかけたのであって、致命傷らしき物なんてなかった。
>そんなものがあったら、いくら切嗣でも俺を助ける事なんて出来なかっただろう。
散々云われていますが、アニメでの十年前の士郎って、シナリオを読んで想像する程には、大怪我に見えないんですよね。さて「鞘」に関するエピソードは、如何にアニメでは表現されるのでしょうか? 言峰教会の地下の件も含めて、今後に注目です。
そして士郎の十年前を知り驚くと同時に、その「疵」にハッキリ気が付くセイバー。それは同時にセイバー自身の「疵」とも重なり合うことは、ゲームをクリアした方々には今更云うまでもないことかと。このシーンから、士郎とセイバーの心の問題が本格的に描かれていくことになるわけですね。
……と、そちらの件は宜しいのですが「アニメ第1話の冒頭を見る限り」十年前の大火災の責任の半分はセイバーによるもの、と思われても仕方ありませんので、アニメのみの視聴者にとっては、このシーンは全く別の意味で取られる恐れもあるような。。。


引き続きBパート。ライダーとの決戦ですが、改めてアニメを見て思ったのですが、何故にライダーさんは木に逆さに張り付いたり、ビルの壁に蜘蛛のような体勢で張り付いているのでしょう? 蛇属性の現れなのか、視聴者サービスなのか、はたまた上姉様と下姉様に変な教育を受けたのか?w
それはさておき、ビルの屋上に向けて壁を疾走しながらの戦闘シーン。序盤のやたら軽そうな槍を打ち込むランサー戦やら、半ば意味不明な電線疾走のあったバーサーカー戦に較べると格段の進歩かと。お互いの攻撃にもちゃんと質感があり、このシーンの見せ場であるスピード感もありましたし、自分的には十分満足のいく戦闘シーンでした。
そして屋上に向かって走る士郎。危うくバーサーカーとニアミスなシーンは、アニメらしい上手い表現かと。しかしこのシーンがハッキリ描かれたと云うことは、慎二の次回冒頭での死亡フラグは動かしがたいものとなったようです。
一方セイバーは、屋上に辿り着いた瞬間、ライダーの切り札である宝具とご対面。少なくともここまでの展開はライダーの思惑通りな訳で、改めてこうやってアニメで行動を見直すと、以前の「セイバーを柳洞寺にけしかけて、その隙に寺内侵入」等々、ライダー(もしくはマスターである慎二)は聖杯戦争の参加者の中で一番マトモに計略を立てて行動しているように思われます。……ただ、ちょっとばかり慎二に忍耐力がなく、行動にも一貫性がなく、魔術師としてアレだっただけでw。
>「……神代のモノを持ち出すとは。随分と業が深いようですね、ライダー」
>「私は女たちの敵だったモノにすぎない。故に、私が操るのは貴女たちが駆逐してきた、可哀想な仔たちだけよ」
>「―――なるほど。歪んでいるとは思いましたが、英霊ではなく悪鬼の類でしたか、貴方は」
ペガサスの動かし方はアレで良いと思うのですが、シナリオに忠実に“きのこ節”炸裂シーンが挟まると、アニメオンリーの視聴者はついて来られるのか、心配になります……が、雰囲気を醸し出すためにはこの辺りの台詞も必須と云えば必須ですし、難しいところです。


そして屋上に辿り着く士郎と、無駄に格好良くw悪役らしい台詞を語ってくれる慎二。少なくともこれまでのところ、今回のFate声優陣の中で慎二役の神谷さんがベスト演技賞は間違いないところでしょう。
屋上に現れた士郎に対するセイバーの想い。
>「な――――――」
>彼女は初めて、戦いの中で敵を忘れた。
>このような死地にやってきた主への怒りもある。
>このような展開になるのは当然だと、思い至らなかった自身への怒りもある。
これを受けての「シロウ―――――――」の台詞はなかなか重みがあったかと。それに引き続くエクスカリバー発動シーンも流石は川澄さん、という演技でした。
そしてこのエクスカリバーの発動シーンと云えば、ゲームプレイヤーにとっては、やはりこの音楽でないと、ということですね(^^)。ただ、敢えて難を云えば、シーンの関係で音楽のリフレインが少し長くなり過ぎたところは……致し方ないのかと。
それでもトータルで見れば、十分にアニメ前半の見せ場に相応しい迫力でした。ライダーの最期のシーンも、十分に力を入れているのが伝わってきましたし。アニメのライダーさんの描写はどれも力が入っていたので、これで退場は残念です。ご苦労様でした。


さて次回第13話「冬の城」予告ですが、今回は時間がないので簡易で。イリヤに魔眼をかけられる士郎のシーン、そしてアインツベルン城でイリヤに迫られるシーンがありますので、順当にFateルートを進む模様。その一方で、騎士王としてのセイバーの立ち絵がありましたので、こちらもシナリオ通り、ようやく来週以降セイバーの過去が描かれるようです。但しこの過去話絡みはシナリオですと「幕間」的に描かれていますので、アニメとしてどのように描写されるのか、ここも注目どころかと。