Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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第13話「冬の城」の感想・考察を、本編シナリオと読み比べながら御紹介。
OPで遂にセイバーの過去シーンが……と思いきや、まずはイングランドの荒涼とした大地、そして付き従う兵士とともに、例のあの立ち絵のシーンまで。
OP開けのAパートは凛によるセイバーの現状解説。ほぼシナリオ通りで、目立ったところはありませんが、今後の展開的には、詰まるところ「バーサーカー戦直前の、魔力供給のシーンをどう表現するか?」が問題なわけで。
ちなみにその手段としてシナリオでは、一応伏線を張っているわけですが。
>「……まあね。共有の魔術を教えてあげても間に合わない。
>士郎は魔術師に向いてないから覚えるのに一年ぐらいかかるだろうし、覚えたところで使えないわ。
>……まあ、召喚時にセイバーとパスは通っている筈だから、まだ他に方法があるかもしれないけど――――」
>ぶつぶつと考え込む遠坂。
これがアニメの方ですと、微妙にアレンジは加わっていますが、
>「召喚した時点で士郎とセイバーの間に何らかのパスは通っている筈。何か他の方法があるかも知れないけど……いえ、気休めを云っても仕方ないわね」
この台詞を見る限りでは、やはりシナリオ通りの方向で行くのではないのかと。
前例を上げると以前「らいろ色戦奇譚」という作品のアニメがありまして「戦艦を動かすためのエネルギー補給のシーン」として「(実年齢は何百歳だけど、見た目は)幼女に、××する主人公」のシーンが、画面に霧が掛かったような表現ですが、ちゃっかり表現されたことはあったり。……但し、そのシーンが某地域ではゴールデンタイムに流れてしまい、後で問題になったような(汗)。とりあえずFateの場合は、普通に考えれば冒頭のキスシーンだけ流して、後はフェイドアウト、と云ったところでしょうか?


セイバーを救うための手段について悩む士郎は、セイバーの過去を垣間見ます。
アーサー王伝説の始まりである、選定の剣のシーン。
―――この剣を岩から引き出した者、即ち、ブリテンの王たるべき者―――
シナリオですと分かりづらいですが、なるほど、ちゃんと教会墓地という原典の設定を踏襲していますね。ただ、マーリンの「それを手に取る前に、今一度よく考えてみるがいい。その剣を手にしたが最後、君は人ではなくなるのだよ」という台詞を受けたセイバー「はい、私は望んでこの剣を抜きに参りました」のシーン。
>王になるという事は、人ではなくなるという事。そんな覚悟は、生まれた時から抱いていた。
>王とはつまり、みんなを守るために、一番多くみんなを殺す存在なのだ。
>幼い彼女は毎夜それを思い、朝になるまで震え続けた。一日たりとも恐れなかった日はない。
>だがそれも、今日で終わりだと少女は告げた。
シナリオを読めば、それが「王としての覚悟」であり「みんなを守るために、一番多くみんなを殺す存在」としての覚悟――ひいてはこれがFateルートにおける士郎とセイバーの対立の軸となるべきもの――だと分かるわけですが、アニメのこの描写ではそこまで読み取るのは難しそうです。
ただアニメならではの描写として、セイバーの過去である幕間部分に、士郎が入り込むような形での描写が為されるようですから、今後の描写に期待。あと気になった点と云えば、シナリオ上ですと、エクスカリバー発動の時点で士郎はセイバーの正体に気付いているわけですが、アニメですと少々微妙な感じに。と云うか、過去シーンで部下が「アーサー王の行く手を遮るものはなし!」と叫んでいるわけですが。。。
目を醒ました士郎。セイバーの剣に思いを巡らすところは今後への大きな伏線として当然必要なシーンですね。そのまま中庭に出てくるとアーチャーが。ここで士郎の弓の腕前について看破し、なおかつ「残心」について語るアーチャーのシーンがあってこそ、シナリオ上は後の士郎=アーチャーの伏線ともなるわけですが、あっさりセイバーのことに関してだけで流されてしまったのは、やはりこのままFateルート直行の模様ですね。


そしてBパート。悩んだまま、ふらふらと公園にやってきた士郎は、速攻でイリヤに拉致。シナリオ通りなのですが、これだけ見ると、士郎って本当に。。。真正悪魔っ子モードで登場のそのイリヤですが「士郎の瞳に映る真っ赤なイリヤの瞳」はアニメらしい表現だったかと。ただもう少し門脇さんには、悪魔っ子モードの時と、無邪気な天使モードの時の演技分けをして頂けたら、と思わずにはいられなかったり。
拉致された先で再びセイバーの剣を夢見る士郎。着実に「投影」のフラグを建ててているわけですが、シナリオだとアーチャーの『―――ならば、せめてイメージしろ。現実では敵わない相手ならば、想像の中で勝て。自身が勝てないのなら、勝てるモノを幻想しろ。』という助言がリフレインされるので更に分かりやすいのですけれど、この辺は次週描かれるであろう、バーサーカーに立ち向かうアーチャーのシーンで描かれるものかと。


そして再びイリヤの誘惑……と、その前に。正直アインツベルン城の調度品が全然豪勢に見えないのは如何な物かと。
>豪華な天蓋つきのベッドに、足首まで埋まりそうな毛足の長い絨毯。
>装飾ではなく、今も暖房として使われている石作りの暖炉。
>壁の紋様は壁紙などではなく、直に刻み込まれている。
>慎二の家で洋館には馴れていたが、これはそういうレベルの部屋じゃない。
>……こういう感想を口にするのは面はゆいが、まるで昔話に出てくるお城のようだった。
細かなところですが、ちょっとイメージと違いすぎたので指摘してみたり。
イリヤに膝の上に座られて、誘惑される士郎。……少しくらいシナリオ通りに、ドキドキしてもバチは当たらないと思うわけですがw、カットされて残念。
>「っ――――!」思わず仰け反る。
>イリヤは俺の動揺なんて知らない、とばかりに、いっそう顔を近づけてきた。
>「イ、イリヤ、ちょっと……!」
>ふ、不謹慎だとは判っているんだけど、足の上に乗ったイリヤの感触に心臓が動悸している。
>重くはないイリヤの体重でも、こうあからさまに膝にのっかると妙に生々しくて、冷静な思考ができなくなるというか――――
そんな士郎の具現化ははせ様や、かつまた様に期待と云う事で(笑)。
士郎を誘惑し、慎二殺しもあっさりと告げるイリヤ。今回は前々回の公園でのシーンよりはイリヤらしさが、士郎に言わせれば、
>この白い少女には善悪の観念がない。
>無邪気に笑うのもイリヤなら、無慈悲に笑うのもイリヤなのだ。
>……この少女には天使と悪魔が同居している訳じゃない。
>ただ、天使という悪魔がイリヤなだけ――――
というイリヤらしさは出ていたと思うのですが、ハッキリと書くのは気が引けますが、演技の方にメリハリがイマイチ効いていないですので、如何とも。。。無邪気なシーンは確かに進歩しているとは想いますので、今後の持ち直しに期待です。


一方、士郎がアインツベルン城でイリヤに誘惑されている間に、目覚めた浴衣姿のセイバー。こちらはシナリオでは直接描かれていなかったシーンですが、既に夕暮れシーンだった上に、更に士郎の手懸かりを求めて徒歩移動、というのは「冬木から車で数時間以上かかる場所にある城」との距離関係的にはおかしいのですが、この辺はシナリオ通りに拘ってもあまり意味はありませんし(橋を渡る描写もありますが、アインツベルン城は逆方向)。ただセイバーにせよ、凛にせよ「士郎の不在に半日以上気付かなかった」と云うことになる点は玉に瑕ですが。


さて次回第14話「理想の果て」予告解説。
1コマ目−森に佇むセイバー、アーチャー、凛、2コマ目−椅子から立ち上がる士郎、3コマ目−バーサーカー着地、4コマ目−焦りながら何か語る凛、5コマ目−バーサーカー突進、6コマ目−凛、セイバー、士郎を前に何か語るアーチャー、7コマ目−焦った様子で振り返るイリヤ、8コマ目−森の中でセイバーと凛、9コマ目−剣を投影するアーチャー、10コマ目−縄抜けする士郎、11コマ目−森の中を走る凛、12コマ目−森の中で目を見開くアーチャー、13コマ目−遠ざかるアインツベルン城、14コマ目−背を向けて城の扉から歩みさるイリヤ
6コマ目は「ああ。時間を稼ぐのはいいが―――別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」もしくは「―――忘れるな。イメージするものは常に最強の自分だ。外敵など要らぬ。おまえにとって戦う相手とは、自身のイメージに他ならない」のシーンでしょう。そして9コマ目が実はアニメでは初めてのお披露目になるアーチャーの投影シーンかと。
来週も引き続きシナリオ通りだと過程して、恐らく14コマ目のイリヤが城の扉から歩みさるシーン、即ちなんとかアーチャーを倒し士郎達を追うシーンがラストだとすると、随分来週は時間に余裕が出来そうです。普通に現在のアニメのペースで描いても前半パートだけで描き切れそうですので、それなりの確率で、ゲームのプレイヤーに「描かれなかったシーンで一番見たいシーン」のアンケートを取れば間違いなくば筆頭に上がるであろう、アーチャーVSバーサーカーの激闘が描かれるのではないかと期待です。ここくらい見せ場がないと、アニメのアーチャーの役割って一体? になってしまいますしね(苦笑)。