Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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第14話「理想の果て」の感想・考察を、本編シナリオと読み比べながら御紹介。
前回予告のラストシーン、アインツベルン城から歩み去ろうとするイリヤは、セイバー達を追いに行ったと見せかけるためのフェイクシーンでした。しかしイリヤの仕草が妙に可愛らしかったですから、これもまたよしでしょう(^^)。
そしてAパート。ほぼシナリオ通りかと思いきや、城内を走る途中で倒れたセイバーを助けようとする士郎にアーチャーが言い捨てるようにするシーンがオリジナルですね。
>「やめておけ。セイバーを助けようなどという気は起こさぬ事だ。貴様には所詮何もできない」
そうして睨み合う士郎とアーチャー。Bパートに向けての、ある意味、伏線ですね。
玄関まで無事に辿り着いた一行。シリアスこの上ないシーンの筈なのですが、遠坂さん大胆、と思いきや、シナリオ読み返すと、更にそちらの方が大物振りで。
>―――そうして。遠坂の案内に従って、城の出口とやらに辿り着いた。
>「で、出口ってここ入り口じゃないのか遠坂―――!?」
>「? なに当たり前のこと言ってるのよ。玄関ってのはそういうものでしょう。入る時も出る時もここが一番てっとり早いんだから」
> ほらほら、と階段を下りていく遠坂。
>「…………………」……まあ、こっちも文句を言える立場じゃない。
>     (中略)
>「イリヤスフィールが戻ってきて、士郎がいないって気づいたところで後の祭りよ。
> アイツが帰ってくる頃には朝になっちゃってるしね……って、何よ士郎、その顔。いかにも不服そうだけど」
>「……いや、別に。遠坂は大物だなって再確認してただけだ」
>「? ヘンところでおかしな確認するのね、貴方」
>……いや、だから敵の本拠地に玄関から侵入するところとか、そういう風に堂々としているあたりが。
遠坂さん……もう少し行動は慎重に。。。


>「―――なぁんだ、もう帰っちゃうの? せっかく来たのに残念ね」
イリヤの開幕を告げる言葉で一気に展開はシリアスに。楽しげで無邪気で残酷なイリヤの声と表情。ここにきてようやくイリヤらしさが出てきました。
>「――――誓うわ。今日は、一人も逃がさない」
> そう、殺意と歓喜の入り交じった宣言をした。
この辺はよいのですが、門脇さん、この後のバーサーカーVSアーチャー戦でもそうですが、ヒステリックに叫ぶシーンだと声量が上手く調整できずに、声が割れた感じになるのは残念。あと長口上の台詞の抑揚も、もう少し上手くアクセントをつけた方が。。。
一方の、マスターとしての凛の、アーチャーへの静かで冷徹な、感情を殺した声。もう少し声に緊張感と悔いで強張っている感じが混ざっていても良いとは思うものの、
>「……………アーチャー、わたし」何かを言いかける遠坂。
> それを。
>「ところで凛。一つ確認していいかな」
> 場違いなほど平然とした声で、アーチャーが遮った。
>「………いいわ。なに」
> 伏目でアーチャーを見る遠坂。
> アーチャーはバーサーカーを見据えたまま、
>「ああ。時間を稼ぐのはいいが―――
> 別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」
このあたりをアニメと比較してみれば分かりますが、アニメの演出は全体として、凛のマスターとしての側面に重きをおいて描いていますから、その辺は妥当なのかなと。


そして最後に士郎に伝えられるだけのことを伝え、Bパートは完全オリジナルでアーチャーの見せ場に突入。
干将による天井破壊はアニメオリジナルで唐突でしたが、士郎たちの逃走への補助的意味合いと、その後のバーサーカーとの戦闘に備えて、という意味合いではおかしなモノではなかったと。
基本的に今回の戦闘シーンの演出は十分に迫力があったと思いますし、「BGM『エミヤ』とともに固有結界発動!」はゲームをプレイした者としては最も盛りあがるシーンな訳で、その辺のサービスは嬉しかったのですが、それ以前にアーチャーの戦術そのものには疑問が。いえ、元が士郎だから仕方ないと言えば仕方ないのですが、実力差を十分に把握していながら、しょっぱなから接近戦を仕掛けるのは如何なモノかと。『噂に違わぬ、といったところか』『なるほど、確かに最強のサーヴァントだ』って、士郎時代にバーサーカー戦を経験していないのでしょうか、このアーチャーは?
で、ダメージを負ったところで、遅ればせながらカラドボルグ発射。確かに「バーサーカーには二度同じ攻撃は通じない」と云う設定がありますが、だからこそ出し惜しみせずに最初から……と思ったわけですが、今回の最大の目的は「時間稼ぎ」でしたものね。
そういう意味では納得なのですが、ただそれでも「固有結界を発動したにもかかわらず剣を持って突貫」は如何なものかと。「士郎だから」と言えばそれでお終いなのですが(苦笑)。
それと戦闘シーンの演出は前述のように十分迫力があったと思いますが、それでも「干将莫耶キラリの謎ポーズ(ガンダム演出風w)」と「移動する月の明かり」のシーンだけは、なまじっか他のシーンが格好良かっただけ違和感がありました。
ところでこの戦闘の終了後、イリヤが「たった一人のサーヴァントに五回よ。まさか五回もやられるなんて」(シナリオでは6回)と怒りにうち震えていますが、カラドボルグなどで倒しているのか、全てUBWによるものなのか、内訳がイマイチ分からない演出でした。カラドボルグ、投げ干将莫耶爆発、干将莫耶V字切りで倒した上、そしてUBW発動前に『せいぜい手を抜け。その間に後二つはもらっていく……!』と言っていますので、それだと数字がピタリとハマるわけですが。ただそうすると、イリヤバーサーカーへの「殺される前に殺しなさい」という台詞とは矛盾する気も。



そしてアーチャーの正体についての演出が満載の今回でした。
投影という士郎との共通点、UBW発動シーンでの回想、初対面の筈にもかかわらず「相変わらず容赦がないな、イリヤ」と告げるシーン、EDの回想、そしてEDの最後、消えていったアーチャーが唯一残したのは、士郎が持っている筈の、士郎の命を救った凛の宝石、と勘の良い人ならば気が付く構成になっています。Fate未プレイでアニメ視聴している友人は一人だけいますので、今回ので気が付いたか視聴後に聞いてみようかと。
ちなみに自分はゲームプレイ時、Fateルートの中盤、実質的にアーチャーと士郎との初対面のシーンで、士郎がやたらアーチャーに反発心を抱いたシーンで最初にアーチャー=士郎じゃないかと疑った口ですが。いえ「自分は自分のことが嫌いだ」というのは、昔のアニメでもSFの類でも比較的よくあるネタですし。
話が逸れましたが、話を元に戻して士郎=アーチャーの演出についてですが、細かい話ですがアーチャーの回想シーン、アーチャー視点で統一されていない点(特にED部分の回想は完全に士郎視点)は単純に総集編的な扱いだったのか、それとも「アニメでの士郎視点の記憶」も「この」アーチャーの記憶なのか。後者だとすると、それもまたせつないこと。。。


まだ書くべき事はありそうですが、とりあえず次回第15話「12の試練」予告解説。
1コマ目−荒い息をつくセイバー、2コマ目−掌に宝石を乗せる凛、3コマ目−飛び上がって襲ってくるバーサーカー、4コマ目−せつなげな表情でベットに横たわるセイバー、5コマ目−遠坂さん、木の枝でさかのぼり、6コマ目−セイバーの身体をまさぐる凛、7コマ目−座り込んだセイバーの肩に手をやる士郎、8コマ目−朝日の中のイリヤ、9コマ目−廃墟で何かを告げる凛、10コマ目−アーチャーの背中、11コマ目−セイバーをベットに横たえる真剣な表情の凛。
これに加え先日書いたニュータイプ掲載のあらすじ「アインツベルン城脱出して森の廃墟に身を隠す士郎、セイバー、凛。アーチャーの最期を知った凛は士郎にバーサーカーを倒す覚悟を決めさせ、セイバーに魔力を与えるもう一つの手段を提案する」を加味すると、バーサーカー戦の冒頭までが15回の模様。
さて問題は「百合シーン、そして士郎とセイバーのシーンがどう描かれるか」ですが、予告を見ただけでは、かなり真正面から描く予感。勿論肝心のシーンはフェイドアウトでしょうけれど、魔力補給の理由付けをどう描くかも興味津々です。