Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

第15話「十二の試練」の感想・考察を、本編シナリオと読み比べながら御紹介。
なんと云っても今回の目玉は「士郎からセイバーへの魔力供給の方法」だったわけですが、その前に今週より新OPに変更。
セイバーを除く六騎のサーヴァント。座った凛に背中合わせに立つ士郎。言峰と切嗣、そしてエクスカリバーを手にしたセイバーのパンアップで始まるその新OP。中盤のセイバーの立ちシーンのバックにはセイバーVSバーサーカー、魔力供給のシーンなどの映像が流れますが、これは固定ではなく、その回のメインシーンの先取りでしょうか?
音楽、テンポ等も水準以上だと思うのですが……「OPはあくまでイメージ上の物であり、本編内容とは関係ありません」と? いえ、そのシーンが見られたこと自体は嬉しいのですが、先週悲しくも美しく消え去ったアーチャーが突如復活して、UBWでのVS士郎戦に突入ですから(汗)。ゲーム既プレイ者ならば「イメージ映像だろう」と察しがつくわけですが(でなかったら先週の余韻ぶちこわし&今後の展開が怖すぎ)、TVのみの視聴者は「あれ? 復活するの?」と思っても不思議はないかと。
今後の展開という意味で云えば、すれ違う凛と桜のシーン。先日紹介した通り、第18話で恐らく姉妹バレするであろうことは想像に難くないわけですが、桜の涙は兎も角、凛の表情は、少なくともシナリオ本編(特にHFルートでの描写から)の凛らしくないと個人的には思うわけですが。。。


さて、とりあえずその辺は今後のアニメの展開を見てから改めて判断することとして。
本編の話題に戻りますが、OP前の士郎が力尽きたセイバーを抱きかかえるシーン。セイバーの抵抗振りが想像以上に可愛い感じでしたが、シナリオを読み直すとそのまんまだったり。……多少元気すぎるきらいがないでもないですがw。
>「え―――な、何をするのですシロウ……!」
>「なにって、しばらく休んでろ。そんな顔で走られてちゃ、こっちが先にまいっちまう」
>「っ……! 無礼な、離しなさい! この程度で私が倒れるとでも思っているのですか……!」
> 抱き上げられた状態で暴れるセイバー。だが、その抵抗は微弱すぎた。
> こっちの胸を突き放そうとする手はか細く、あまりにも力がない。
> ……それで、彼女がどれほど弱っていたかを痛感した。
>「何を考えているのですか、シロウ! このような事、いくらマスターと言えど許しません……!」
> 顔を真っ赤にしながらセイバーは暴れている。


そして辿り着いた廃墟。
>「来る時にね、アーチャーが見つけておいたのよ。万が一の時の隠れ場所にしようって」
今回シナリオを再度読み直すまで気が付きませんでしたが(Hシーンだけは殆ど読み直さないので……)、ちゃんとアーチャー「お膳立て」をしているわけで。元が士郎だけあってやはりこまめですw。
で、その肝心の「魔力供給」のシーンですが、てっきり「途中まで描いて肝心の所で暗転させる」という極めて無難な方法が選択されると思いきや……
>「セイバーに士郎の魔術回路を移植するの」
……はて? シナリオ本編に、そして型月の世界観でそんな大技ありの描写、存在しましたっけ? 魔力回路を移植して済むのなら、このFateの世界だけでも間桐家あたりが真っ先にやってそうなもんですが。ていうか「ヤバメな魔術師による魔術回路狩り」という恐ろしい展開さえ想像できるわけですが。
>「二人を共感状態にして霊的なパスを繋ぎ直す。その為には魔術回路の移植くらいやらないと、士郎の力がセイバーに届かないわ」
とりあえず、全年齢対象対策として仕方ない改変なのかとは思いますが、ここの所はシナリオとは完全に正反対。
>「ええ。貴方とセイバーは霊的なだけじゃなく、肉体的にもパスが通ってるのよ」。
ただ「魔術回路を移植するのは、張り巡らされた神経を引き剥がすのと同じ」であり「魔術師にとって魔力回路とは己の寿命より大切」という点が強調されているのは、つまり「士郎側にもリスクがある」ということを強調して、士郎の覚悟を示す、という意味合いがあるものかと。確かにシナリオ通りだと、ある意味安直で、士郎にとっては「ノーリスクハイリターン」ですしw。


さて、そこまでは普通に許容範囲内だとは思うのですが。
>「でも魔術回路が欠けてしまえば、魔術師として致命的な欠陥を抱えることになる。
>どんなに努力しても一生魔術師として完成することはなくなる」
この後、士郎は展開上エクスカリバーを投影しないとマズイのですが、良いのでしょうか、こんな台詞をわざわざ入れてしまっても?  なければ普通にスルーできた話の筈なのに。一応翌朝「普段使わない回路を移植したんだと思う」と士郎がフォローはしてますが。
あとチグハグと云えば、突然士郎にキスをする凛。しかも本編だと、
>……唇が離れる。呆然とした俺をよそに、遠坂はベッドまで体を離す。
>「どう、落ち着いた?」
> ……矛盾してる。遠坂自身、真っ赤になりながらそんなコトを言う。
>「遠坂、おまえ―――」
>「ごめんね、わたしで」
こんな具合に、様々な想いが籠もっていることが想像できるシーンのわけですが、アニメでは淡々と事務的な感じで。いえ、それが意味のあることならばまだ理解できるのですが、
>「移植の前段階のため出来るだけ接触を多くしなくちゃいけないのよ」
それならば最初から士郎に、セイバーにキスさせればいいだけな気が。あ、ひょっとすると「出来るだけ接触を多くしなくちゃいけないのよ」というのは「二人の力の仲介者となる凛の方が」ということでしょうか? それならば納得は出来るのですが、わざわざそんな回りくどい設定にしなくてもいいような気が。。。


そして儀式開始。ドイツ語、第二外国語でしたが流石に完全に忘れてますので(汗)凛の呪文が何と云っているのか不明ですが、「士郎にもちょっと動揺して貰わないとバランスが悪いの」というのは、動揺した士郎を幽体離脱させるためでしたか……って、何か色々間違っている描写な気が。。。
そして幽体離脱した士郎が目にしたのは、セイバーの内面世界。そしてそこに現れたセイバーの本質とは、竜種の名の通り巨大なドラゴン。しかも何故だかこのドラゴンだけクレイアニメじみた3D。……一体どういう意図があってそんな描写に。。。とりあえずこのシーンは「右腕の魔術回路を竜に喰われる」イコール「セイバーに移植された」という意味合いなのでしょうけれど。
そして翌朝。セイバーに覆い被さるようにしていた士郎が跳ね起きるのは十分に分かるのですが……つい先日まで全裸でも平気だったセイバーが、突如胸の谷間だけでも顔を真っ赤にして隠そうとするのは、如何なる心境の変化が? ひょっとして内面世界を覗かれることは、それほど羞恥を催す事だったのでしょうか? 謎です。
唯一フォローできるとすれば、次の士郎の台詞くらいですけれど。
>「セイバーに何かが繋がっている。確かな感触がある」


そしてBパート。二度目のセイバーVSバーサーカー戦の開幕。
作戦会議はシナリオそのままですが、アニメならではの描写は、士郎が強化の延長的に弓を作り出したことに驚く凛とセイバーのカットでしょう。特に凛は何か言いたげだったものの、それを噛み殺した感じが出ていましたし。ちなみにシナリオだと以下の感じですね。
>「…………そう。ま、手段が出来たのはいいことだし、今はいいわ」
そして決戦直前。「木の幹に足を取られたセイバーの腕を取る士郎。真っ赤になったセイバーを見て更に真っ赤な士郎」はオリジナルシーン。廃墟の一夜から二人の関係が目立って変化してくるわけで、そういう流れとしてはありなのですが、先程の胸を隠すセイバーと動揺で、なんとも唐突な感が否めないのは「大人の事情」があったため致し方ないと云うべきか。
そしてイリヤとの対峙。
> 途端。
> 広場の空気が、キチリと音をたてて凍り付いた。
>「……そう。なら本気で殺してあげる。
> その思い上がりと一緒に、粉々に砕いてあげるわシロウ……!」
本編ですとこの後、イリヤの全身に浮かび上がる刻印と共に、マスターとしてのイリヤの迫力が存分に現れているシーンなのですが、演技にも演出にもまるで工夫が足りません。ついでに云うとイリヤの作画まで崩れてます(他のシーンも崩れてますが)。
>「―――遊びは終わりよ。狂いなさい、ヘラクレス
それと宣戦布告を告げるこの台詞も差し替えられていますが「狂う」という言葉も放送コードに引っかかっているわけでしょうか? なんとも不便な時代です。。。
ですが、この後のセイバーとバーサーカーの真っ向からの撃ち合いは迫力がありました。一回戦の「電柱飛び跳ね」が嘘のようで。……何故最初からこれが出来ないのかが不思議なわけですが。
そして「肉を切らせて骨を断つ」をまさに地でいく、セイバーの「鎧を切らせて、バーサーカーを弾き飛ばす」→「凛の奇襲」。このコンビネーションまでは良いのですが……。ちなみに本編の描写。
>舞い落ちる氷の雨。
>中でも三つ、槍となった巨大な氷塊には、屋敷一つ軽く吹き飛ばす程の魔力が圧縮されている――――!
別段捻らずにこのまま映像化すれば良さそうなものなのですが、何故か描写は(以前よりは多少は攻撃力ありそうでしたが)相変わらず破壊力の薄そうな宝石弾。実は宝石魔術の扱いにはスタッフも困っている節が映像からも見て取れて、続く凛のトドメの直撃弾に至っては着弾後しか描いてません。しかも爆煙のみのため、本当にコレで倒せたのか、判断に苦しむ描写になってしまってます。一応首の再生シーンと思しきカットはありましたけどね。……ま、確かに深夜アニメとはいえ、生首が鮮血と共にぶっ飛ぶシーンが描写できないのは分かりますし。
そしてバーサーカーの「十二の試練」。「十二回殺されなくちゃ死ねない体なんだから」はいいとして、冷静に数字を数えてみると、前回アーチャーが殺したのが5回(シナリオだと6回)。今回の凛が1回。にもかかわらずシナリオだと
>「わかった? バーサーカーは今ので死んでしまったけど、あと5つの命があるの。
> ふふ、惜しかったわねリン。今のが五倍の宝石だったら、バーサーカーは消えていたのに」
これがアニメになると、シナリオと明らかに数字が違っていて
>「バーサーカーは今ので死んでしまったけど、あと7つの命があるの」
これは「どちらが正しい」回数なのでしょう? 確定ソースが何処かにありましたでしょうか? 普通に考えれば「元々の自分の命+宝具」のアニメの方の数字が正解の気がしますが、御存知の方、教えて頂けますと幸いですm(_)m。


さて、そんな疑問はとりあえず置くとして次回第16話「約束された勝利の剣」予告解説。
1コマ目−額から血を流す士郎、2コマ目−同じく額から血を流しながら叫ぶセイバー、3コマ目−黄金の剣を振るってバーサーカーの腕を切断する士郎、4コマ目−意味ありげなイリヤ、5コマ目−光るバーサーカーの瞳、6コマ目−弓を手にして立つ士郎、7コマ目−切断されたバーサーカーの腕、8コマ目−叫ぶセイバー、9コマ目−光る黄金の剣、10コマ目−緊張したようなイリヤの表情、11コマ目−士郎のアップ。
ということで、普通にシナリオ通りバーサーカー戦が繰り広げられる模様ですが……それ以前に作画崩壊の危機が本格化して参りました(汗)。
そもそも予告カット数が最近減っていましたが、僅か11カットなのは前回と並び過去最低。しかもそのカットの作画さえ今週ところどころおかしかった作画以上に崩壊してます。士郎とセイバーの似たようなカットが出ているのみならず、10コマ目のイリヤの表情なんて生気が消えた感じで特に。1クールが終わった後のタイミングで作画崩壊の危機が来ることはスケジュール的によくある話ですが(特にFateは総集編等が間に挟まってない上に14回に全力投球&新OP投入)、なんとか本放送までに修正されることを期待したいところです。