Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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第16話「約束された勝利の剣」の感想・考察を、本編シナリオと読み比べながら御紹介。
新OPの、中盤のセイバーの立ちシーンのバック映像。予想通り、その回のメインシーンの先取りであることが確定。ここの編集に力を入れるのは結構ですが、どうか本編が疎かになりませんように。。。
更に本編前に突っ込むなら「約束された勝利の剣」はエクスカリバーであって、選定の剣であり「勝利すべき黄金の剣」カリバーンを士郎が投影して倒しているのに、このタイトルは根本的に如何なものかと。
さて、Aパート。握り潰されそうになる凛を助けるべく、バーサーカーに斬りかかるセイバーですが、シナリオでも
>視えない剣は大根でも切るように、無防備なバーサーカーの腕に振り下ろされる。
>だが効果はない。剣は弾かれ、バーサーカーの腕は傷つくどころか、遠坂を潰そうとする力さえ緩まない。
仕方ないと云えば仕方ないのですが、こう云うときに見えない剣だとビジュアル的には非常に奇妙に映ってしまいますね。それより問題なのは士郎の行動。一見「シナリオ通りの」無謀な突撃に見えますが、
>「放しやがれ、テメェ――――――――!」
>ただ夢中で、弓で背中を叩きつける。
>巨人はぴくりともしない。背後に駆け寄った俺など、初めから眼中になかったのか。
一応シナリオだと、ちゃんと背後から、一応弓を手にして襲いかかっているわけですが、アニメの士郎は真正面から素手で特攻。しかも素手で殴りかかっていますから当然
>咄嗟に防ぎに入った弓は容易く砕かれ、こんなところまで、弾き飛ば、さ、れ――――
>「が――――あ、は――――!!!」激痛にのたうつ。
一応は盾に使った弓もなく、真正面から吹き飛ばされ半死人状態に(汗)。もっとも一撃でミンチになった慎二のことを考えれば、それでも頑丈過ぎるわけですが。


そして聖剣を発動させようとするセイバーを令呪を使って制止する士郎。このシーン「なんで呆然と背中を向けて立っている士郎をバーサーカーが見逃しているのか?」という疑問が当然の事ながら湧きますが、実はシナリオ通りだと一応不自然ではないのです。
と云うのは、基本的にシナリオですと「士郎はバーサーカーの背中側から、セイバーは真正面から攻撃」という具合に、バーサーカーを一応挟撃している体勢なのです。これは次の描写からもハッキリ分かるわけで。
>倒れた体を起こして巨人を睨む。恐怖などない。思考はとっくに焼き切れている。
>ただ、その背後で。
>自らの消滅も覚悟の上で。あの聖剣を使うと決意した姿が、網膜に焼き付いた。
と云うわけで、この後のシーンも一見シナリオ通りでありながら「襲いかかってきたバーサーカーの左腕を士郎があっさりカリバーンで両断」という「剣を手にしただけで突如士郎がパワーアップ」状態に見えるわけです。シナリオだと更に補足的にこんな文章が入っているから尚更ですね。
>俺ではなく、剣そのものに意思があるのか。
>黄金の剣は吸い込まれるように、止まる事なく、巨人の腕を切断した。
 (中略)
>巨人が吠える。狂ったように叩きつけられる無数の剣風を、剣はことごとく防ぎきる……!
>「っ…………!」だがそこまでだ。吹き飛ばされる。
>意識が戻った途端、剣は全てを俺に委ねたのか。
>今まで防ぎきっていた剣戟に、あっさりと弾き飛ばされた。


ただ散々文句を云っておいてアレですが、投影に至る士郎の台詞と音楽は燃えました。
>創造の理念を鑑定し、
>基本となる骨子を想定し、
>構成された材質を複製し、
>制作に及ぶ技術を模倣し、
>成長に至る経験に共感し、
>蓄積された年月を再現し、
>あらゆる工程を凌駕し尽くし――――
>ここに、幻想を結び剣と成す――――!
敢えて云えば
>難しい筈はない。
>不可能な事でもない。
>もとよりこの身は、
>ただそれだけに特化した魔術回路――――!
これも台詞化して貰いたいところでしたが、それは今後のお楽しみと云うことで。
ただ、また苦言に戻ってしまいますが、セイバーと共にバーサーカーを倒すシーンにはもう少しスピード感のある演出が欲しかったかと。
>「シロウ、手を―――!」誰より近く、彼女の声が聞こえていた。
>バーサーカーが突風となって俺を襲ったのなら、
>セイバーは疾風となって俺へと駆け寄ったのか。
>駆け寄ったセイバーは、ぐるん、と俺を巻き込むように身を返し――――――
もっとも士郎とセイバーの顔を見つめ合うシーンを入れるためと、アニメ的な間尺の為には致し方ない演出とは思いますけれど。
そして消滅するバーサーカー
>「―――その幻想も侮れぬ。よもやただの一撃で、この身を七度滅ぼすとはな」
これで14話のアーチャーが5回、15話の凛が1回、そして今回の7回と、バーサーカーを倒すのは13度必要ということは確定でしょうか? もっとも型月ファン歴は長いですが未だに「一度で七度殺せる」という、型月的な概念がイマイチ理解出来てない自分ですがw。
あと本筋と関係ない話ですが、バーサーカーの腕が消滅し、凛が開放されるシーン。その前のバーサーカーの腕を両断するシーンもそうですが、妙に拘って作画しているように見えたのは、何か力の入れ所が間違っているような気が。。。全体的に顔の表情の作画がヤバイ回でしたので、余計にそう思うわけですが。それと「凛がバーサーカーに握り潰されなかった理由」が一切触れられていなかった気がしますが「アニメ版の凛の腹筋は鉄よりも硬い」と云う認識が士郎の中で出来ている、ということでファイナルアンサーでしようか?w


そして衛宮邸帰還して更に翌朝(アニメではそういう描写に見えませんが)。
シリアスであり、今後の伏線ともなる枕元でのセイバーとの会話ですが、何故かアニメオリジナルで、イリヤが士郎の布団に潜入中w。はて? 枕元でセイバーが看病していたのはそれなりに前からでしょうに、イリヤさんは一体何時の間に? しかもずっと士郎にピッタリの体勢でw。勿論「セイバーに焼き餅を焼かせるため」の演出なんでしょうが、シナリオ通りの展開ならまだしも、先週来「魔術回路を移植した途端、セイバーが士郎に照れ照れ状態」になっているのは、アニメのみの視聴者には唐突にしか見えないでしょう。
唐突と云えば凛がセイバーの正体を言い当てるシーンですが、アニメのみの視聴者はこのシーンを当然と見るのか、それとも「ポカーン」と見るのか? シナリオプレイヤーは士郎を通してセイバーの詳しい過去を垣間見ているので何ら不自然に思わないシーンですが、そうでない視聴者にとってどう映ったのかは興味あるところです。


引き続きBパート。イリヤの処遇を検討する三人。「正確には和室ではなく、士郎の部屋です」セイバーの冷たい言葉と凛の冷たい視線がw。
>「それじやあ、イリヤスフィールのした事を全部許すっていうの?」
このシーン、セイバーを見つめるだけな士郎。回想の一コマさえ慎二のことを一切思い出してないところは友人としてさりげなく酷いようなw。
そしてイリヤを匿うことに関する議論ですが、次の台詞はイリヤに対して、と云うより次回で本格登場するキャスターを念頭に置いての台詞ですね。
>「いい士郎、そいつはまだマスターなのよ。サーヴァントを失っても、令呪がある限りマスターはマスターだって教えたでしょう」
>「それはサーヴァントも一緒。マスターを失っても消えるまで幾らか猶予がある。
>そんな『はぐれサーヴァント』とそいつが契約したら」
それにしてもここで唐突に「バーサーカーは強いね」の一コマを持ってきたのは……既プレイ者へのサービスとしては有り難いのですが、アニメのみの視聴者には皆目不明なシーンであって、どうにも制作スタッフがどちらに重きを置くべきか、迷っているのが見て取れます。


そして恒例セイバーと士郎との道場稽古シーン。イリヤに目聡く、そして士郎にも手を抜いていることに気付かれて、珍しくしどろもどろのセイバーさん。……やっぱり「廃墟の一夜」を削ったせいで、なんともセイバーの態度が豹変したようにしか見えません。勿論、凛の魔術講義のシーンと順序を入れ変えて、その後に挿入された風呂場のシーンも同じ事が云えますね。実際Fateルートも確かにシナリオ読み返すと、セイバーが士郎を意識し出すシーンの始まりとしては対ライダー戦の前のベンチでのシーンがあるくらいで、廃墟の一夜、そしてそれに引き続き、士郎の過去を垣間見たことでで劇的に変わっています。対してアニメでは、士郎の過去を垣間見るシーンはあったものの、それが具体的には描写されず(士郎視点で視聴者には何度も繰り返し見せているからある意味当然)、セイバーに自分が「女性である」と否応なく自覚させる筈のシーンが削られてしまったため、なんとも不思議な態度の豹変に映ってしまったわけですね。一応その分を、夜の士郎の鍛錬シーンを特に念入りに描くことで補完はしていますが。
しかしこの後、アニメは寄り道する格好で対キャスター戦、それは遠坂姉妹にスポットを当てる格好の物語でもあるわけで、益々セイバーの内心が追いづらくなることが予想されます。本来なら「廃墟の一夜」を補完すべく、セイバーとのデートシーンを早めても良いくらいだと思うわけですが、それどころか逆に下手をするとそのデートシーンさえ削られかねない状況なわけで。今後の対ギル様戦に突入する前までであろうと予想されるアニメオリジナルの展開で、その部分が補完されるか、極めて心配だったりします。


シナリオと順番が前後しましたが、夜になって遠坂さんの魔術講義。士郎が今更投影について聞いているのは、アニメのみの視聴者への配慮の何者でもないでしょう。カリバーンの投影シーン。本来「トレース・オン」の呪文の筈なのに「投影、開始」と日本語読みになっていたのもその一環ですね。ただ説明優先にしたため、士郎の言動が明らかに矛盾しちゃっているわけですが。
シナリオだとこの後、魔術話が延々と語られていますが、この辺りをバッサリとカットしたの正解かと。それどころか、このシーン。実は後半部分のエクスカリバーとその鞘についての話は、更に一日飛んで翌13日目(実は13日目は丸々眠っているので本当は14日目)の午後の講義に際して語られたシーンです。本来Fateルートですと、この晩にキャスター襲来&ギル様登場なわけですが、ここからルートが一端寄り道するようですので、一日前倒しして、Fateルートの最終決戦の伏線として絶対に必要なこのシーンが入れられているわけですね。


そして今回の最大の注目所は、ラストシーン。
「戦いも中盤と云うことか」と光る眼鏡と共に葛木先生。「いいえ、バーサーカーさえ消えてしまえば私たちに恐れるものはありません」と満を持してのキャスターさん。注目すべき台詞は以下の所ですね。
>「魔力の貯蔵もじき臨界に達します。後は受け皿になる魔術師が一人もいれば、力ずくで聖杯を呼ぶ事も出来ますし」
>「ご安心を。生贄の魔術師など、他のマスターを使えば済むことです。
> もっとも聖杯の器になる素体ですから、潜在能力の優れた魔術師でないと務まりませんが」
>「必要なものは魔術師としての血統だけ。素体として優れているのなら魔術が使えるかどうかは関係ない。貴女は役に立ちそうね、お嬢さん」
アニメ雑誌の予告通り、桜の聖杯化フラグが立ったわけですが、逆に考えてみると「イリヤが聖杯であることに気が付いていない」ということでしょうか? それはシナリオ上でのキャスターの言動からして微妙に違和感を覚えますが、敢えてそれは突っ込まない方向で。


さて、次回第17話「魔女の烙印」予告解説。
1コマ目−天を突き刺すような剣、2コマ目−その剣を天に向ける武装セイバー、3コマ目−放たれる凛のガンド、4コマ目−食事中険しい表情を見せるセイバー、5コマ目−何かを告げる士郎、6コマ目−食卓で吼える藤ねえ、7コマ目−葛木先生に斬りかかるセイバー、8コマ目−夕暮れに佇む桜、9コマ目−葛木先生の傍らに現れるキャスター、10コマ目−凛の傍らでクルクル回るイリヤ、11コマ目−眼鏡を光らせる葛木先生、12コマ目−葛木先生襲撃直前の士郎と凛、13コマ目−士郎とセイバーもいる道場で、凛と向き合った態勢から踊り出すイリヤ、14コマ目−ローブを纏ったキヤスターの後ろ姿。
加えて「ニュータイプ」の予告を読むと
『凛の遠い親戚と云うことでイリヤが衛宮邸に、士郎とセイバーは互いに意識してぎこちない雰囲気に。一方新都では昏睡事件がその規模を増す。イリヤにその原因がキャスターだと聞かされた士郎と凛は、一成から聞いたある人物について疑いを抱く。』
と云うことですので、3コマ目、9コマ目、12コマ目からも想定出来るように、ここからUBWルートでの葛木先生襲撃→セイバーVS葛木先生の展開かと。


ただ桜に関する前振りと、コンプティークの18話予告からして、
『「自分の神殿に来い」というキャスターの言葉に従い、柳洞寺に向かう士郎たち。血の臭いに満ちたそこは最早寺などではなく、まるで古代のギリシャを思わせる巨大神殿と化していた。そして神殿の中央にある祭壇に辿り着いた士郎と凛は、そこに信じられないものを目撃することになるのだった……。』
ということで、今後の展開予想。VS葛木先生を繰り広げられている一方で、桜をキャスターが拉致し、聖杯にしようと。神殿中央の祭壇に辿り着いたのが士郎と凛だけということは、恐らくセイバーは今週チラリと一コマだけ登場した小次郎と対戦中。
その祭壇前で、UBW通りに士郎VS葛木先生、凛VSキャスター戦が繰り広げられるも、凛の奇策が失敗して敗北寸前……駆けつけるのはセイバーなのか、それともここでギル様乱入となるのか。凛と桜の姉妹ネタを本格的にやるとすると、ギル様が乱入してはマズイ気がしますが、ここを逃すとギル様の圧倒的強さを見せるシーンがなくなりますし、丁度都合がよいと云うべきか「同じアーチャー同士」キャスターのトドメの差し方は同じになりますし、ラストの決戦はこの柳洞寺である以上、ギル様が何処かの段階で柳洞寺に陣取る必要があるわけですし。
この展開だと話数的には丁度良い感じに収まりそうなのですが(全24話と仮定)、そこから改めてセイバーを現界させようとする士郎の苦悩やら、セイバーとのデートとかやっている場合じゃなくなりそうなのが、展開上困るわけですけれど。
さて、どうなりますやら。今後の展開を期待半分、不安半分で待ちたいと思います。