Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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第17話「魔女の烙印」の感想・考察を、本編シナリオと読み比べながら御紹介。
冒頭、再びセイバーの過去を垣間見る士郎。
みんなを守る為に“人々を守りたい”という感情を捨てねばならなかった王としての苦悩。人の心を持っていては、王として国を守る事など出来ぬと知って、自ら望んで人間であることを捨てたにもかかわらず「アーサー王は、人の気持ちが分からぬ」と、騎士達の反発を買い、離反を招くという矛盾。
>その気高い誓いを、誰が知ろう。
>―――――戦うと決めた。
>何があろうと、たとえ、その先に、
>―――――それでも、戦うと決めたのだ。
>避けえない、孤独な破滅が待っていても。
シナリオのこの部分が最も端的にセイバーの決意と悲劇を物語っているわけですが、やはり延々とした回想シーンをアニメで再現するのは難しく。。。


そしてAパート。ここからがセミオリジナルの展開に。Fateルート通りだとセイバー、凛、イリヤがいる朝の食卓風景なのですが、そこに藤ねえ、桜が加わって大所帯に。藤ねえ、何時の間に退院を? テレビの時間軸ですと、鮮血神殿発動してから一応4日経っているわけですけれど。更に云うとシナリオだと慎二に停められて以来、実はEDまで衛宮家に現れない桜は、該当シーンがないため当然のように衛宮家にいますし。……二人とも前々日の朝に士郎達がいないことを不審に思わないかったのでしょうか? 前日はやって来てませんし……と云うところは、展開上仕方ないご都合主義だから深く突っ込まないことにしてw。
とりあえず、イリヤ藤ねえ、桜のファーストコンタクトのシーン。
>「イリヤスフィールと申します。イリヤとお呼び下さい、お姉様方」
>「宜しくー。私は藤村お姉様でいいよーん」
……祥子さま、それはギャグで云っているのか!?(AA略) いえ、藤ねえはこれでいいんですけどねw。微妙に引っかかるのが桜の反応で、基本的に本編&ホロウでも不思議とイリヤとは相性が良い、と描かれているのであって。イリヤが桜に「同じ聖杯の器」としてのシンパシーを感じているのは不思議ではないのですが、桜側からのイリヤに対する感情というのはイマイチ分かりません。セイバーや凛に対してはシナリオ上、明らかに当初は敵意又は隔意を示しているのですが、イリヤはあっさり受け入れています。……酷い人間だったとは云うものの、一応義理の兄を殺した相手ではあるのですが(確信してはいなくとも、消去法的に慎二を殺した下手人の可能性が高いことは分かる筈)。
とりあえず「みんながいる」朝の食卓風景はほのぼのとした感じで描かれていたのは結構なのですが「先輩とセイバーさん、とっても仲が良いんですね」と桜が、少しからかうように云ったりするのにも前述した通り少々違和感が。演出意図的には、その後の凛とのさりげない会話と合わせて「桜の日常の平和」的側面をクローズアップさせるためだとは思うのですが。


そして物語は本筋に戻って、テレビから流れる謎の昏睡事件のニュース。「ニュースキャスターの声を、キャスターさんの中の人に読ませる」のは、如何にガヤ要員が少ないとは云え、如何なモノかとw。更にここのシーンで「……事故」と桜が意味ありげに呟くのも、喧噪の中から逃げ出すのも、縁側で所在なげに佇むのも「裏の事情を知っている」と云う伏線だとは思いますが、これもまた中途半端な表現な気が。
逆にあまりにあっさり開陳されるのが、イリヤによるキャスターの正体と意図。ただこれは再度キャスター戦、小次郎戦を行うのに必須の前提知識ですので、物語をそう云う方向で速やかに進めるためには致し方ないかと。……唐突な感じは否めませんが。それよりもここは素直にイリヤの得意げな表情やら踊りを楽しむところかと。……きっと作画していた頃はトリノ五輪で盛りあがっていた頃なのでしょうw。
しかし久々に一成襲来は流石に唐突すぎるかと。「学校は休校中」という設定上、一成が訪ねてくる形でしか葛木先生の話題に触れようがないのは分かるのですが、これもまたルートを部分的に混ぜている以上、止むを得ない結果かと。……ところでいつから一成はアーチャーになったのでしょうか?(EDクレジット参照w)


Bパートは、UBWルートより、葛木先生襲撃シーン。
さりげなくキャスターさん、シナリオと違って「宗一郎“様”」付けだったりしますw。
しかしここでよく意図が分からない改変シーンが。
>「衛宮くん、合図をしたら跳んで。セイバー、準備はいい?」こくん、と背後で頷く気配。
> ――――だが。その前に、確かめなくてはいけない事がある。
>「―――すまん。それは後にしてくれ、遠坂」
>「え?」
>返事を待つまでもない。俺は木刀を下げたまま、物陰から交差点へと歩き出した。
シナリオですと、まず葛木先生の意図を確かめてから戦闘態勢に移っている士郎ですが、いきなり強化した木刀を構えて問い質すように聞くのは聞いている質問とは裏腹に、好戦的な気がします。別に葛木先生の意図を聞いてから構え直しても全然問題なさそうなのですけれど。
そして戦闘開始。いきなり全開の葛木先生、あっさりセイバーの攻撃を受け止めます。……なお、何故かここにきて初めてセイバーが風王結界を解いているのかは考えない方向でw。
>「私はそこいらにいる朽ち果てた殺人鬼だよ」
この台詞、格好良いのですが、突然そんなことを云われても「……はっ?」ってなところを補完すべく葛木の異様な戦闘スタイルがシナリオでは表現されているわけですが……残念ながらアニメでは「毒蛇百芸」を表現しようもなく。。。
>それを、どう表現すればいいのか。
>鞭のようにしなる腕は、しかしあくまで直角に変動する。
>放たれる速度が閃光ならば、そこから更に変化する二の腕は鬼神の業か。
……予めある程度は予期されていたことではあったのですが、このアニメの表現ですと普通に葛木先生が、バーサーカーとでも張り合えそうに見えてしまうわけですが(汗)。


あとこの戦闘シーン、凛の行動も実はおかしくて。
>「―――上等。セイバーは面食らってやられたけど、あいつのネタは判ってる。要は近づかれる前に倒せばいいんでしょ」
>葛木を睨みつけたまま、遠坂はじりじりと後退していく。
>―――魔術師と戦士の戦いは距離との戦いだ。
>いかに化け物じみた格闘技能をもっていようが、葛木に対魔力はない。
>故に、放てば勝てる。近づかれる前に一つでも呪文を編み上げられればこちらの勝ちだ。
の筈が、それが士郎の前に出てしまっては考えないとしか思えないわけですが。。。
そしてセイバー、凛と敗北したところで士郎の反撃。干将莫耶を投影して葛木の襲撃を防ぎますが……はて? 士郎、干将莫耶が実際の戦闘で使われているのを見たことがあるのは、アニメだと実は校庭でのアーチャーVSランサーだけな気が。きっと一目見ただけで、カリバーンより自分にとっては使える武器だと判断したのでしょう、きっと。……ええ、そういうことにしておきましょう、一応w。


聖杯の絡繰りについて語るキャスターさん。次回以降の伏線となる模様。「幸い現世にはうんざりするほどの人間が溢れている」って台詞は、ギル様とも相通じるモノがありますね。流石は生まれながらの王族と云うべきか。それはそうと「火にくべる薪」という台詞に過敏に反応する士郎。……さて、この展開で何時セイバーは前回の聖杯戦争に参加していた事を切り出すのでしょう? ギル様登場まで引っ張るつもりでしょうか? すると残りの話数が激しく不安ですが。。。
>「(魔術師を)魔力を発火させる装置として使うのよ。聖杯を下ろした瞬間、火力に耐えきれず燃え尽きてしまうでしょうけど」
これも伏線でしょうか? 桜ならばキャパシティ的に耐えきってしまいそうですが、ここで聖杯下ろしに成功したら後の展開がおかしくなるので、直前で失敗するとは思うのですけれど。ただ問題はそうなると、ギル様との最終決戦時、聖杯となるのは本来のシナリオ通りイリヤとなるのか、それとも引き続き桜が囚われたままで? 後者だとすると、流石に諸々歪みが出てきそうですけれど。ここで桜が退場しないと、言峰襲来時に姉妹揃って大怪我を負う羽目になるしかなさそうですし。。。
で、今週最大の問題点と云えば、突如機能が増えた(笑)ルールブレイカー。きのこ氏が監修している筈ですので、ひょっとして「術者に魔力が足りない場合は契約解除ではなく、宝具使用不可になる」というのが公式設定となるのでしょうか? ……とりあえずこれは「そういうもの」と思わないと仕方ない模様。次回、一体如何なる展開が繰り広げられるのか、期待と不満が諸々渦巻いております(苦笑)。
なおキャスターに遠隔操作され、攫われる桜。さりげないシーンてすが、室内をスーッと横切るシーンは空中を浮いて移動しているようで(その次のシーンは歩いているようなのに)、なんとなく幽霊じみた動きだったのは生理的にちょっとアレだったり。


さて、その問題となる、次回第18話「決戦」予告解説。
1コマ目−雨に打たれるキャスター、2コマ目−雨の中振り返る葛木先生、3コマ目−竜牙兵を蹴散らすセイバー(スローで見ると凄い作画(汗)、4コマ目−小次郎の横顔、5コマ目−布団に横たわるイリヤ、6コマ目−柳洞寺を見上げる凛、士郎、セイバー、7コマ目−襲いくる竜牙兵、8コマ目−葛木先生、9コマ目−余裕たっぷりの表情の凛、10コマ目−イリヤを看病する藤ねえ、11コマ目−子桜横顔、12コマ目−山門に立つ小次郎、13コマ目−寺内で戦う士郎とセイバー、14コマ目−若キャス子さん、振り返り。
最後のコマの若キャス子さんが、でら萌えっ子です!(^^) てか、このカットがあると云うことはキャスターさんの過去話もやる模様。尺的に大丈夫なのでしょうか? わざわざこのシーンを描くと云うことは、ひょっとしたら桜の境遇の話と絡める、という展開もあるやも知れませんが。


ちなみに、この回のコンプティークの粗筋はと云えば。
『「自分の神殿に来い」というキャスターの言葉に従い、柳洞寺に向かう士郎たち。血の臭いに満ちたそこは最早寺などではなく、まるで古代のギリシャを思わせる巨大神殿と化していた。そして神殿の中央にある祭壇に辿り着いた士郎と凛は、そこに信じられないものを目撃することになるのだった……。』
とありますから、てっきりセイバーは小次郎と対決して士郎と凛を先に行かせたのかと思いきや、士郎と共に寺内に踏み込んで戦っています。と云うことは小次郎を倒した後なのか、はたまた何らかの理由で小次郎が門番を放棄したのか。……瞬殺されるのは勘弁して貰いたいですが、さて。せめてUBWルートの「花鳥風月」のシーンを期待したいところです。もしくは士郎たちを行かせるだけ行かせて、実はその背後から来ていたギル様との対決、という超展開もこうなったらありかとw。
それと9コマ目の「余裕たっぷりの表情の凛」がある事からして、ここもUBWでの教会地下の対決(2回目の方)のシーンの「凛VSキャスターの格闘戦」が場所を変えて繰り広げられる可能性も在処と。
そして最大の焦点は、凛と桜の姉妹バレは如何様に描かれるのか? ここに来て急に先の展開が読めない物語構成になってきましたが、次回は特に注目と云うことで。