Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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異文化交流クイズ「ナポレオン三世によるパリ大改造」第5回。今回の問題は三世のパリ改造に伴ってパリに登場した世界で初めての百貨店「ボン・マルシェ」には、待合室を兼ねた図書室があり、店に用事が無くとも女性客達はここを新たな社交場として「新しい消費文明」を築き始めました。利用客はこの部屋のテーブルの上に置かれたボン・マルシェのイニシャル入りの「あるもの」を、無料で利用できましたが、この「あるもの」とは一体何でしょう? という問題でした。
流石に今回は難しかったのか回答への参加者の方も少なめだった上に、きっちりとした正解者はゼロでした。
ということで、早速正解発表。今回の正解は「封筒」と「便箋」でした。
なにしろ手紙を書かないことには何も始まらない、何も始めることが出来ない当時のこと。手紙と封筒は今日の我々の携帯電話と同様に、いえ、実際に封筒と便箋という形で相手が受け取るということから考えれば今日の携帯以上に、宣伝効果抜群の媒体でした。
つまり百貨店は生まれたその時点で、既に現在の消費文化、宣伝形態を獲得していた、と言っても過言ではないでしょう。


もっとも先般紹介したエミール・ゾラの小説「ボヌール・デ・ダム百貨店」の中でも描かれているのですが、消費文化の成立は同時に、消費文化の陥穽に陥る人々の誕生でもあります。ゾラの小説の中には買い物中毒に陥ったブルジョワジーの婦人の姿のみならず、遂には切実にそのものが欲しい訳ではないにもかかわらず、そしてお金が無いわけではないにもかかわらず、つまらないものを万引きして捕まる女性の姿さえあります。
……現代人の心の病もまた、既にこの頃には芽生え始めていたのかと。。。
なお、今回は正解に一番近いと思われる回答「メモ帳」をお寄せ頂いたtutuさんに0.5ポイントを進呈させて頂きます。
と云うことで、今回は閑話休題的に百貨店の話でした。次回以降、再びパリ改造の話に戻りますので次週以降も宜しくお願いしますm(_)m。