■

異文化交流クイズ「ナポレオン三世によるパリ大改造」第７回は、既にこの頃には写真は庶民の手に届く物となっていましたが、コスプレ……もといw仮面舞踏会でどんちゃん騒ぎを繰り広げる宮廷の有様を更に囃し立てるために、彼らは「どのように」写真を利用したのでしょうか？　という問題でした。
今回の問題は難しいかと思いましたが、写真を使った「悪戯」と云えば洋の東西、古今問わず、どうやら考えことは同じのようでw。手口としては、首から上と下を別々の写真から切り貼りして、あたかもその人物が破廉恥な格好をしているように見せかける、と云うことで、正解は「コラージュ」でした。アイドルの写真を切り貼りする「アイコラ」が一般的には有名ですね。現在はパソコンのペイントソフトでより手軽に作ることが出来ますからね。
ちなみにナポレオン三世当時の状況と云えば。宮廷の貴婦人や高級娼婦、人気女優のポートレートなどを売る店の裏で、そのような「いかがわしい写真」が売られていたようで。その画面では皇后とその取り巻きが全裸で寄り添って……という想像通りのシロモノ。本当に人間の考えることはあまり変わりませんねー。趣味が良いとは間違っても云えませんが。
今週の正解者は、Expsterさん、Ironさんでした。Expsterさんは初正解おめでとうございます。

ともあれ問題編で紹介したような宮廷事情を反映してか、巷は淫らな誘惑に充ち満ち、当時のパリ市民たちの誰もがこれに身を任せていたようで。色気たっぷりの娯楽をこれでもかとばかりに提供する繁華街のサロン、色っぽい仕草で女が服を脱ぎ演物で大当たりをとる芝居小屋が出現。娼婦の溜まり場ともなった大衆ダンスホールでは奔放なダンスが大人気。イギリス風の庭園に開発されたばかりのブローニューの森には多くの上流夫人が、豪華馬車を仕立ててきそって出かけ、方々のクラブでは上流人士が情痴劇を日雇い労働者に駄賃を与えて演じさせ、しかも今見たばかりの演物を、夫や愛人に連れられてきた淑女らが特別室でとくとくと再現、と毎日がお祭り騒動。
我々か現在イメージする「華やかなりしパリ」というイメージは、この時代にほぼ源流が出来たと云えるでしょう。
人々の乱舞の速度はとどまる所を知らず、永遠に続くかと思われましたが……やがてこの宴は「ラ・マルセイエーズ」の歌声へと変わっていくことになります。「ベルリンへ！　ベルリンへ！　ベルリンへ！」の大合唱と共に。
以下、次回へと続きます。