Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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異文化交流クイズ「ナポレオン三世によるパリ大改造」第9回。ナポレオン三世の治世が遂に終わりますが、それは更なる破滅への……。
―――ベルリンへ! ベルリンへ! ベルリンへ!
その勇ましい声と共に、ナポレオン三世と帝国軍はドイツ(プロイセン)に進撃していきました。……鉄血宰相ビスマルク参謀総長モルトケが数年がかりで完璧に整えた舞台に乗せられる格好で。
アルザスとロレーヌ地方からプロイセンに侵入したフランス帝国軍は、フレーシュヴィラ・ヴェルトの戦いで最初の敗北を喫すると、そのままズルズルと後退。逆にフランス国境近くまで鉄道を敷設し、大量の兵員を運べるようになったプロイセン軍は一気に兵力注入し、戦局は一方的なものに。
そして運命の8月31日。ベルギー国境近くのセダンにおいて、プロイセン第三軍の包囲下にあったナポレオン三世以下、フランス帝国軍は為す術もなく投降。更にその翌々日の9月2日、三世はプロシア軍に正式に降伏。フランスにおける帝政はこの瞬間、終わりを告げます。
ですがこのフランス帝国の消滅は……この後パリを襲うことになる史上最悪の破壊と流血の序曲に過ぎませんでした。ここで再びオリジナル小説用に書いた一節から御紹介。


アパルトマンの外側、そして大パリの内側では死と破壊と極寒の世界が広がっていた。
クリスマスイブの今宵十二月二四日を、パリ市民はプロイセン軍の包囲で迎えた。この包囲網の中での生活を、パリ市民は既に三カ月以上続けている。
皇帝ナポレオン三世を捕虜にし、事実上の勝利を確定させたにもかかわらず、プロイセン軍のパリへの進撃速度は極めて緩やかなものだった。
皇帝が捕虜となった翌々日の九月四日。パリでは暴動が発生し、民衆が立法院を占拠。彼らは一八三〇年の七月革命、一八四八年の二月革命に倣い、パリ市庁舎でその主のいないまま皇帝の廃位宣言を行う。名実共にこれによりフランス第二帝政は消滅する。
第二帝政にとって替わりこの国を統治することとなったのは、ガンベッタ、ジュール・フェリー、ジュール・ファーヴルらの共和主義者によって組織された国民防衛政府だ。
彼らはプロイセンに対する惨敗を、フランスの敗北ではなく、あくまで「皇帝の敗北」として捉え、新政府の下、侵攻してくるプロイセン軍との徹底抗戦の方針を採った。
そして新たな国家体制が確立するのを待っていたかのように、プロイセン軍によるパリ包囲が完成したのは九月十九日のことだ。


当初国防政府も、パリ市民もこの戦争の成り行きを楽観していた。
プロイセン軍の実質的主導者たるビスマルクにせよ、軍の総責任者たる参謀総長モルトケにせよ、その指揮下の兵士たちが帝政を廃し、共和国となったフランスの「自由な民」の見本であるパリ市民と接触を望むまい。皇帝の圧政に苦しんでいる「筈の」プロイセン国内に革命の火種を持ち込みたくはあるまい。
期待、というより甘すぎる願望が新政府の首脳部にまで蔓延していた。
そんな幻想を一発で吹き飛ばしたのは、パリ市内を襲うプロイセン軍の砲撃だった。竜巻のような猛火がパリを襲い、家を、女を、子供を、木っ端微塵にしていく。
折悪しくパリの街に猛烈な寒波が襲来する。
ただでさえ戦時で品不足だった木炭はあっという間に底を突いた。人々はシャンゼリゼ大通りの並木を切り倒したが、若木は燃えにくいことこの上なかった。
ガス燈は早々に使用不能となり、人々は灯油でどうにか凌いでいた。あれほど頻繁だった馬車の往来は絶えて久しかった。馬を食べ尽くしてしまったからだ。
小麦のパンはあっという間に消え、得体の知れぬ廃物を捏ねた恐るべきパンが市民の唯一の糧となった。それすらも極寒の中、門前市で列をなして手に入れたものなのだ。
犬や猫、そして鼠の肉屋ですら、既にその棚は空っぽになっている。そして動物園から動物が消えるまでにさほどの時間を必要としなかった……。


かくして悲惨な状況に陥ったパリですが、某キャラの台詞じゃありませんが「本当の地獄はこれからだ」と云うのが恐ろしいところ。。。
ここでとりあえず今週のクエスチョン。「動物園から動物が消えた」理由はご想像の通り「食用にされてしまったから」からなのですが、以下の6匹の動物の中で(自分の知る資料の範囲で)「食べられたという記録がない」動物は一体どれでしょう?(つまり他の5動物は食べられた記録があるわけです(汗)
1.ロバ 2.虎 3.熊 4.狼 5.カンガルー 6.象
回答は木曜日の22時まで、web拍手にてお待ちしています。
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