Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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異文化交流クイズ「異文化としての吉原」第2回です。
ちなみに先週からの補足ネタ。手元に先週にはなかった筈のジョサイア・コンドル著「河鍋暁斎」が早速あったりするわけですが(笑)「天保異聞妖奇士」第十四説での、狂斎の「川の中で生首を拾った」というエピソードは、この本が元ネタなのですね。勿論、それがきっかけで「異界を見た」って話は載っていませんがw。
と云うわけで、とりあえず今週も「天保異聞妖奇士」第十五説の解説を兼ねて、吉原の世界を見ていきましょう。


今週のタイトル「羅生門河岸の女」。これは吉原に関する最低限の知識がないと意味が理解しずらかったりします。と云うわけで、まずこれからのシリーズの前提としても、この吉原の略図を見ていきましょう。
お歯黒溝(おはぐろどぶ)」と呼ばれる堀で真四角に囲われた範囲が吉原の全てだったりします。こう見ると非常に狭いように感じますが、実際にはこの中に数千人単位の人が暮らしていたわけで、立派な一つの町を形成していたわけです。
実際メインストリートである仲之町は昼間は市が立っていました。江戸町の道筋との交差点は「待合いの辻」と呼ばれ、ここには野菜を売る行商人が集まり青物市場が開かれ、奥の角町と揚屋町の辻では魚屋が集まり魚市場が開かれ、という具合で、まさに毎日が祭りのような日々だったと云われています。


このメインストリート仲之町を挟んで左右に「引手茶屋」が、値段や遊女などの取り決めをする茶屋があり、そこで話が纏まれば客は登楼する事になります。
で、部屋持ちの遊女は茶屋から呼び出しを受けると、客に会いに行くわけで、この時の道中が所謂「花魁道中」です。もっともこの道中が開けるのは上級の花魁だけであり、当然その豪華絢爛の道中の費用を負担する客の方も金持ちばかり。ですので、殆どの客はメインストリートから横道に入り、手頃な遊女を選びました。よく時代劇で見る、通りに面した格子の中で遊女が客待ちしている光景がそれですね。これらは俗に「張見世」と呼ばれていました(但しイメージと違い、こちらもまた遊女を指名してもすぐにコトに及べるわけではなかったりします)。


もっともこれですら一般庶民には高い遊びであって「金はない、ただ遊べればいいや」という客は横町を突き抜け、お歯黒溝にある二つの河岸「浄念河岸」又は「羅生門河岸」に向かいます。お歯黒のように黒く濁ったドブ沿いに並んでいたのは、吉原で最も安い遊女達がいる「見世」でした。これらの見世し時間を区切って銭で遊べたので「切見世」或いは「銭見世」と呼ばれていました。
今週の第十四説で遊女達が「この羅生門河岸の鬼女たちが」と自虐的に呟いていたのは、そういう事情があったりするわけですね。
要するに、この十四説と十五説で、狂斎と清花の言葉を借りて語らせているのは、吉原の町というのは「極楽から地獄までがいっしょくたになった町」ということを、ですね。


さて、簡単に吉原の概略を説明したところで今週のクエスチョン。
吉原は上のリンク先の図の通り、全体が長方形の形になっていて、実はその四隅の角は綺麗に東西南北を指しています。これは「ある迷信」を避けるためなのですが、さてこの迷信とは一体なんでしょう? ヒントとしましては、今でもその「迷信」を信じる我々日本人は多いでしょうし、実際に「それ」を避けているかと。
回答は木曜日の22時まで、web拍手にてお待ちしています。
web拍手
なお全10問中5問以上正解の方には粗品進呈予定ですので皆さんお気軽にご参加を。