Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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異文化交流クイズ「異文化としての吉原」。引き続き日露戦争終結前後、吉原にやって来たグァテマラ人小説家カリージョの記録からご紹介の第8回は「天保異聞妖奇士」打ち切り残念記念 orz「郭の画家」特集! それは同時に我々の『萌え』の原点をも探求するネタでもあったりします。


春画は、日本ではどこの本屋でも手に入る画集で、ヨーロッパでも日本の品を扱う商人が闇で売っている。誰でも好奇心から一度は見たことがあるだろう。』
カリージョはスペイン語圏での「日本に関する誤解」を広めてくれた一人と目されていて「日本人=切腹」という図式を広めたのも彼である節がありますがw、こんな素敵な誤解をも……とは云い切れないのは、他の来日外国人達の記録を見れば明らかなように、本当にどんな町にでも普通に春画は売っていたようです。と云うか、子供達も平然と春画を見ているのを、各種記録で外国人達は驚きまくっていたりするわけで。
そしてこの春画には、現在にも通じる「ある特殊なシチュ」が備わっている事をカリージョは見逃しません。その特殊なシチュとは……
春画には裸体はでてこない。性愛の無上の恍惚の最中でさえ衣装をまとったままである。精々描かれるのは帯を解き、着物の前を開き、袖をたくし揚げている姿までである。』
そう、即ち『着衣エ○チ』or『半脱ぎエ○チ』w
つまり、現在でも“とりわけ二次元では”根強い人気を誇るこの手の趣向は、江戸人たちの趣向をそのまま受け継いだ“極めて正道なもの”といえるわけです!(強調w)


さて、話を戻しまして。
ヨーロッパ人たちが「郭の画家」と呼ぶとき、それは喜多川歌麿のことを指すとのこと。カリージョの記録で驚かされるのが、歌川豊国、菱川師宣、勝川春章、鳥居清長、鈴木春信、喜多川秀麿の浮世絵の特徴を緻密に分析し、今日の我々でも驚かされる批評をサラリと書き記している事。当時のヨーロッパの一級文化人たちの間で、浮世絵が如何に驚きを持って迎えられたかの証左でもありますね。
もっとも、カリージョのこの記録について調べてみると、日本の浮世絵を精力的に紹介したフランス人作家エドモンド・ルイ・ゴンクールの受け売りのようです。
このゴンクールが、十返舎一九が記した吉原の解説本をフランス語に翻訳&注釈し、広くヨーロッパに普及させたことによって、カリージョも日本に来る前から吉原の事をある程度知識として知っていました。カリージョはその著書の中で題名を「吉原暦」としていますが、同名の十返舎一九の作品がない事から、恐らくこの本は「吉原青楼年中行事」という本のことではないかと推察される訳ですが、如何でしょうか?>sumaさま(とフォロー依頼m(_)m)


さて、以前も紹介しましたが今回はこの「吉原暦」の一節から再度の出題。
これはある意味、現代の「無口無表情キャラ萌え」の原点とも云える指摘でしょう。
花魁の間で男をもっとも喜ばせる官能的な女は、猫のようにしなを作って笑う女ではなく、憂鬱そうに黙りこくって死ぬことを考えていそうな女だ。
誰とでも喋る馬鹿笑いするが楼主からは眼を放さない女は、世渡りがうまい気紛れ娘である。しょっちゅう手紙を書いている女は客を失うまいとするしっかり者である。いつも黙って本を読んでいる女は会話が出来る女である。』
カリージョも『我が十返舎一九は鋭い眼を持った心理学者である』と絶賛していますが、なるほど、現在の我々をも唸らされる指摘かと。
さて、一九は引き続き、以下のように述べているわけですが、以下の○○に当てはまる言葉はなんでしょう?
『結局、○○と遊んでいるような女だけが愛するに相応しい女だ。何故ならば、そういう女は童心の心を持っているからだ』
回答は木曜日の22時まで、web拍手にてお待ちしています。
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