Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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異文化交流クイズ「異文化としての吉原」第8回の問題は、フランス人作家エドモンド・ルイ・ゴンクールによりフランス語にも翻訳された十返舎一九の吉原案内にして「日本の萌えの原点」からの出題。一九は『花魁の間で男をもっとも喜ばせる官能的な女は、猫のようにしなを作って笑う女ではなく、憂鬱そうに黙りこくって死ぬことを考えていそうな女だ。』と述べた上で『結局、○○と遊んでいるような女だけが愛するに相応しい女だ。何故ならば、そういう女は童心の心を持っているからだ』と述べているわけですが、この○○に当てはまる言葉はなんでしょう? という問題でした。
今週の正解はズバリ『人形』でした。
憂鬱そうに黙りこくって、生身の人間には興味も見せず、ただ人形だけを相手にしている。。。
このお話、敷衍すると「『生ある者』ひいては『生ある事』に対して興味のない女性を、自分の力で、現実の世界に引き戻す」という図式であって、敢えて乱暴な言い方をすれば現在のアニメや漫画の「無口無表情キャラ」の萌えのポイントをついているとさえ云えるでしょう。
もっともカリージョも一九の指摘を絶賛したところをみると、これは我々日本人だけに特有の感情ではなく『男という生き物一般』の萌え感情と直結しているのかも知れません。
今週の正解者はMr.ROMさん、totuさんでした。お見事です。


さて、今週の最後に、政治向きの話はここであまりしたくないのですが、海の向こうから「歴史に対する犯罪以外の何ものでもない動き」が活発になっているようですので、カリージョの記述から抜粋します。
勿論、以下でカリージョが述べた事例は「建前」ではあります。大多数の遊女はそんな余裕などなかったでしょう。ですが、それでも江戸期を通じて日本人は男もそしてそこに生きる女も『遊郭』という世界をそのように捉え、そこにおいて仮初めとはいえ『夫婦の契り』を結ぶ、という形式をもって、互いの誠実さを示していた事だけは、紛れもない歴史的事実なのです。


『もう一つ興味深いのは、この国では娼婦は嫌な客に身を任せなくてもよいということである。伊達の殿様の意に従わなかった美しい高尾の話は良い例である。
というわけで、日本の恋の市には征服すべき何かがある。それどころか、女性たちはここでは卑しい身ながら情熱を持ち、それを貫くべき術を知っている。男が女に愛していると云うとき、彼は彼女に対して不実であってはならない。もしそうなら、それは見さげ果てた事である。』