Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

今回の「Angel Beats!」第9話のキモとなった「とある事項」についての「職業柄の雑感」を(作品ネタバレ注意。あと、どうにも陰鬱な話付き。ちょっとグロ分有り)。


生前の音無の最後の行為となった「臓器提供カードへの記入」。
流石に現状のカード方式ではドナー数が少なすぎるため(カードを持っていても記入不備が多かったらしい。○の打ち方とか些細なことでもアウトだった)、この6月1日の改正法施行で、カードを持っていなくても親族の同意があれば提供できるようになります。
それは臓器を待つ人たちにとって朗報ではあるのですが。
厳密な脳死というのは、実はあまり頻繁に起こらないようです。
「殆ど脳死状態」というのは結構あるようですが、臓器移植法に定められたルールに厳密に則って判定してみるとアウトという事例も多いようです。
かといって、その人に回復可能性があるかというと「人間を人間たらしめている脳の部分が完全に破壊」されているので「絶対に回復不可能」という事例もあるようです。


そもそも遡って考えると「脳死」とは、一体どういう状況で起こるのでしょう?
「特に発生しやすい事例の代表」としては「脳の一部が破壊される」と「脳に酸素がいかなくなる」があります。
前者は交通事故などが主として、では後者はどうでしょう?
「どうしたら脳に酸素がいかなくなるか?」
非常に簡単に思いつく「手段」があるわけですが、ここでは敢えて正答は云いません。
しかし、ここで素朴な疑問が浮かぶでしょう。
その「手段」を実行して、臓器ドナーになどなれるのか、と。
意外なことに、答えはイエス
新聞紙面orネットに上がった「提供者の死因」を注意深く読めば、それが分かります。


で、ここまでが前振り。
これらの事情を知った上かどうかはともかく。
世の中には「臓器提供カード」を手にして、その「手段」を実行し、挙げ句の果てに「保険が一切効かず」全額実費の(アレをした場合、健康保険は効きません)、回復不可能なエンドレス治療中、という方がいる……のかどうかは定かではありませんし、現実にそんなことがあっても「よく似たフィクション」ということにさせて頂きますが。
Angel Beats!」の話自体は「それなりに」楽しく見ているので、作品そのものに文句はないわけですが。
「身を捨てて他人のために尽くせばOK」という思考自体はなんとなく違和感があるなあ、と、今週の話を見てつらつらと。
制作者の意図とは全く別の雑感でした。