Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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最後に今回分の「クララの明治日記 超訳版」解説を、いつも通りにお逸(勝海舟三女)とユウメイに。
今回は「勝家の家庭の事情」についての解説です。


【クララの明治日記 超訳版解説第80回】
「遂に明かされた我が勝家の秘密! 梅太郎と七郎は正妻たみの子ではなかった!」
「貴女もそうでしょうが!」
「それはそうなんだけど、クララ、この時に同時に私のことまで知ったのかどうか微妙なんだよね。
事前に“私の事情”まで知っていたのか考えると、梅太郎に対するこの驚き方からして、答えはノーだし。
少なくともこの時までは、父様の子供は全部たみ義母様の子供だと思っていたんだろうね。
別段武家の家では珍しい話でもないから、私の方もわざわざ説明しなかったし」
「ただこの後の日記にも、この件に関する記述は全然ありませんわ。
クララとお逸の関係からして、当然この件に関しての話題があって然るべき筈ですのに。
ということは、この時に一緒に貴女の事情についても知ったのではないかしら?」
「これに関しては何処までも推論の域を越えないのでこの辺にして。
今回は我が勝家の家庭環境についての解説を!
ちょっとだけ待ってね、いま参考資料を読み直しているから。
少し時間が掛かるだろうから、お茶でも飲んで待っててよ」
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…………………………(2時間経過)……………………………
「いい加減になさい! いつまで参考資料を捲っていますの!?」
「もうちょっと待って。いまようやく次女である小太郎姉様、いえ、孝子姉様が生まれたところだから。
それにしてもなんで孝子お姉様だけ、男名前で呼ばれていたのかしら?」
「そんなこと、わたくしが知る筈が……って、貴女、一体どんな資料を読んでいますの!?」
「松浦玲著の『勝海舟』。久し振りに一冊五千円超の本、買ったわ」
「……なんですの? その、凶悪そうな“鈍器”は?」
京極夏彦の『どすこい(仮)』より、ぶっといよね。
しかも、あれは表紙の厚さで稼いでいたけど、こっちは中身もぎっしりで、全900頁超。
専門書以外の勝海舟研究本としては最厚だろうね」
「専門書でなくなった代償に、注釈だけで300項目を超えていますわよ、この本。。。」
「父様、本当に大量の資料を書き殴っているのに対して、日記は物凄く簡潔にしか書き記してないことが多いからね。
父様の周りの人間関係を全て把握していれば何の話か分かるんだけど、如何せん、それを本当の意味で理解しているのは、書いた当人である父様だけだし」
「だからですのね、ほら、ここ。クララが勝家関係で日記を書いているところが、やたらピックアップされて、勝氏の日記の補強資料にされているのは」
「クララが日本にいなかったり、別件で日記を書く暇がなかったところなんて、この本の筆者の無念さが行間から滲み出てくるもの。
『なんで肝心なことを書いてないんだ!?』って感じで」
「そう考えると、クララの日記も侮れませんわね」
「さて、そんな前振りはさておき、本題の我が勝家の家庭の事情なんだけど。
家庭の事情……というより、父様の女性関係の話になっちゃうような」
「確かに、随分ハンサムですものね、貴女のお父様は。さぞ、もてたことでしょうね」
「正妻であるたみ母様の子供は、長女の夢子姉様、次女の孝子姉様、長男の小鹿兄様、次男の四郎兄様。
但し、前にクララの日記でもほんの少し触れられたけど、四郎兄様はすぐ亡くなってしまうのだけど。
で、ぶっちゃけ妾さんの子供としては、三女であるわたし、逸子が最初ね。
多分この頃には父様も出世したお陰で、若い頃の極貧生活から抜け出し、妾さんを持つ余裕が出来てきたのかな?
で、三男の梅太郎は今回の日記にあるように、父様が長崎に派遣されていた当時の妾さんの子供。
同じく日記にある通り、七郎は小西かねさんの子供。
更に下の妹として、私と同じ、増田いとの子供である四女の八重、最後に香川とよさんの子供である五女たへ。
ちなみに、やえが生まれた時に、父様はもう六十代だったり」
「六十代……って、え!? まだこのクララの日記の時系列では生まれていませんの!?」
「しかも父様、その妾さんの大半をほぼ全員自宅に住まわせていてね。
実際サラリとクララの日記にも、七郎の母親であるおかねさんも出てきているし。
クララ的には勝家の使用人として映っていて、まさか妾さんだとは夢にも思ってなかったでしょうね。
だって、たみ義母さまや夢姉様たちと一緒に仲良く外出しているのですもの」
「……なんというか、正直云って“女の敵”としか映らなくなりましたわよ、勝氏の事が」
「たみ義母様の有名な遺言である『勝とは同じ墓には入りたくありません!』という発言はこういう事情があるわけ」
「なるほど、本当に苦労させられたのですわね、たみ夫人は。
それにしてはお逸、貴女とたみ夫人、クララの日記を読む限り、随分と仲がよいですわね」
「仲がよい……のかな? 一緒によく遊びに行ったりするけど」
「なるほど。仲がよいといっても、母娘の仲の良さと云うより、年齢の離れた友達みたいな仲の良さ、という気は確かに致しますわね」
「我が勝家の事情を書き出すとキリがないので、今週のところはとりあえずこの辺で。
この本を全部読み終えた頃にまた特集させて頂く予定ですので」
「しかし全部精査しながら読み切るのに、いつまでかかりますのやら……」
(終)


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