Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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金曜夜から今朝までずっと甥っ子姪っ子の玩具にされていたので(笑)、甥姪が遊びに出かけた本日は、予定通り有給をとって映画鑑賞に。富野御大激賞の「おおかみこどもの雨と雪」を。
以下、完全ネタバレになりますので隠します。
一言で云えば。
「富野御大が褒めた理由は分かったけど、ストーリー評的には丸くなったなあ」w。
ズバリ、ストーリーを最後まで簡潔に書いてしまえば
「狼男に恋した普通の少女が、二人の子供を女手一つで育て、その姉弟が違う道を歩み始めるまでを描いた物語」


一般観客的には、二人の「おおかみこども」の愛らしさと成長を楽しむ物語、なんでしょうが(実際凄く可愛く描かれてます。特に幼少期)、映画としての主題は明らかに「少女が母親となり、その子供が自立するまでを描く」こと。
富野御大が好きそうでありながら、誰も御大にそんな発注をしないので(←絶対に一般には売れそうにない物語が出来あがるに決まってるから(笑)作れなかったテーマを正面から描いたことに好感を持ったのでしょう。
特にラスト付近の「わたし、あなたにまだ何もしてあげてない」という台詞は御大的には超ストライクゾーンだったと長年の富野ウォッチャー的には推察します(←興味のある方は映画か小説で確認してみて下さい。帰りがけに小説立ち読みしてきましたが、確認した範囲では映画そのまんま)
ただ御大が描けばもっと複雑骨折した筋立てで、ぶっちゃけ映像的には地味というか、えげつない描写になるであろうことを考えれば、手放しでこの物語を褒めることに対しては「丸くなったなあ」との感想を抱かざるを得ないわけで(笑)。


御大のことはとりあえずおくとして、この作品の評判が人によってバラバラな理由もなんとなく分かりました。正直とても評価がしにくいのです。
上にも書きましたが、映画の主題的には明らかに母親の「花」の物語である筈なのに、タイトルからして子供達「雨」と「雪」。
実際一般観客が楽しむのは子供達の成長シーンですから、映画を見終えた瞬間は「うん、良い映画だった」と思うのですが、いざ批評を書こうと冷静に分析すると、物語の視点がブレてることに気付き困惑するわけです。
勿論、細田監督としては、エンターテイメントとテーマとの落としどころとして意図的にこういうバランスになったと思われますが、冷静に見れば見るほど、そこが気になって。うーん、考えてみれば「サマーウォーズ」もそんな感じでしたが。


ともあれ、それでも「見て損ではない映画」とは云えるとは思いますので(映像表現的に目を見張ったシーンは幾つもありました)、皆さんも機会があれば是非ご覧下さい……って、全然宣伝になってませんね、この批評では。
最近随分と批評書いてないので、ボチボチとリハビリしないと。