Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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「ハロー・ワールド」感想(ネタバレ全開)

[雑記]

実は公開初日に見に行っていながら今更「ハロー・ワールド」の感想を。
小説版は観終わった後に注文しましたが、まだ到着していないのであくまで映画だけで読み取れる範囲で。
観終わった瞬間の感想は主に二つ。
「プロモーションに馬鹿みたいに金を使いながら興業成績は爆死必死」
「ラスト一秒でひっくり返る・・・って盛大にネタバレしちゃマズイでしょ」
今回の舞台は京都(主に宇治近辺)なため、京都で大々的な「野外上映会」なんてものを開きながら、内容がどう考えても一般受けしない。一般受けするわけがない。
恐らく元々の企画はもっと硬派なガチSFだったのでしょうが「君の名は。」の成功を受けて、視聴対象を一般向けに変えたということですが、元々一般受けしない素材を無理矢理「売れ線」に切り替えてもうまくいくわけがない。
奇しくも作中で主人公が、読書趣味がどのジャンルかをヒロインに問われた時「SF」と正直に答えるのを躊躇うシーンがありましたが、アレは「普通の視聴者」にはキョトンとするところでしょう。
ですが、根っからのSFファンには全く説明不要のシーンで、ぶっちゃて云うと「SFファンですら一般人にSFファンと公言するのは恥ずかしい」というコンプレックスの発露シーンなのです。昔から自虐ネタとしてSFファンには定番だし、実際昔の自分もそうだったから痛いほど分かります。
ただ「脚本家からしてこういう発想をしている」時点で「一般受けする作品」になる筈がないのです、はい。
で、そんな作品内容はと云えば「ラスト一秒でひっくり返る」って盛大なネタバレしたお蔭でラストシーンの驚きが殆どない。
正確に云うと、驚くには驚くものの(自分の予想では「入れ子構造」で仮想と現実が入れ替わると思った)、「ふーん、こういうオチね」くらいにしか思わない。
小説版がまだ届いていないので映画の内容からだけの推察ですが、ラストシーンのシチュエーションというのは「本当の地球は既に滅んでいるが、仮想世界に囚われたままの主人公(大人版)の手によって<天地開闢>を実行させることにより地球を復活させる」って感じかな?
子安さん演じた博士の台詞が少ないので推察が難しいのですが、SFの「定番」&野崎まど的オチから想像すると、こんな感じなのではないかと。
「どうしてラストで主人公(大人版)が『ああいう境遇』になったのか」を推察する手がかりが少ないのでアレですが、ラストシーンが「月面から地球を眺めている」というシチュである以上「主人公」が「本当に置かれている状況」というのは映画本編で描かれていたのとは全く違うものなのでしょう。
ただ作中でそれを推察する手がかりが少なすぎる以上、「ラストシーンで驚く」以外の意味を持ち得ようがなく、結果的にキャッチフレーズがネタバレ以外の何物でもない、という困ったことになっています。


さて、散々なことを書いてきましたが「良かった探し」も。
一番目。「ヒロインが可愛い! 尊い! ・・・でも声が残念すぎる」って、いきなり良かった探しじゃないw。
・・・いやね、別に演技さえあっていれば声優が演じる必要はないのですが、あまりにも演技が残念過ぎて「この彼女をどうしても助けたい」という気持ちが湧いてこない。
グッっと来たシーンと云えば、主人公(大人版)が初めて「生きていた頃の」ヒロインを見て涙をポロポロ流すシーンだったり、本来「干渉すべきでないシーン」で主人公(大人版)が主人公(高校生版)に力を貸すことでヒロインの心を救うシーンだったり、ヒロインを「取り戻して」感極まるシーンだったりと、完全に「主人公(大人版)を通じて見た」ヒロインでしかない。
もう一つこれに付随する問題は、主人公(高校生版)が主人公(大人版)に「この世界は過去の時間軸を仮想世界で再現した世界だぞ」と告げられているにも関わらず、殆ど動揺を見せていない点。
いや、SFファン的には「おお、SFにありがちシーン」と思うのかも知れないけど「現実の自分」が過去のデータに基づくアバターでしかない、と知ってもまるで動揺しないのは如何なものかと。
大体生粋のSFファンなら「仮想世界でいいからヒロインを助けて『その後の彼女』を見たいんだ」と「自称未来の自分」に云われて、素直に「はい、そうですか」などと信じる筈がない(笑)。
「コイツの目的は別にあるのでは?」と「穿った見方」をするのがSFファンとして正しい(笑)反応の筈。


さて、ヒロインの演技の話に戻りますが。
ラストシーンを見ることによって「主人公(高校生版)を助け続けていた鳥=未来のヒロインのアバター」と判明するわけですが、この鳥の声優はくぎゅこと釘宮さん。
本当にヒロイン役の演技が問題ないと判断しているのなら、声質のもっと似通った俳優もしくは声優を用意すればいいのに、ヒロインと声もトーンもまるで似通わないくぎゅを投入。
だから、こと演技面で「鳥=未来のヒロイン」などとは絶対に推理不可能。
くぎゅ(と子安さん)を投入した理由は、恐らくヒロインを始めとする俳優陣の演技がたどたどしいので(但し、主人公(大人版)はまあ似合っていたと思う)、ストリーリーを補完する役所は声優を使って迅速に進めたい、くらいでしかない。
新海監督が「君の名は。」や「天気の子」で脇役に声優を使った理由とは天と地の差。
・・・ヒロインの声がもう少し可愛ければもっと人気キャラになっていたであろうに、本当に勿体ない。
ヒロインについて語っている間に、作品の他の欠点まで書いてしまいましたが、その他にも「バグ消しプログラム」のキャラデザのアレさ具合(しかもこの独創性の欠片もないキャラが無限増殖する)の上に、それらが合体した「ラスボス」が、もののけ姫ナウシカエヴァのアレの複合体にしか見えないことや、元はハードSFだったろうに、(とりあえずの)ラストシーンの解決がガバガバだったり、劇場で見ている間は「それほど」粗は目立ちませんでしたが、こうして感想として文章化してみると、ツッコミだらけに。
・・・うん、これらの突っ込みどころを事前に知らなければ、少なくとも「劇場で見ている間」は楽しめたのでしょうが、こうしてこの感想を最後まで読んでしまった方は多分劇場で楽しめません、御免なさい(笑)。
ただ「正解するカド」が好きだったので、それ以降、野崎まど作品は大体収集した上で、今回の映画は前売り券まで買って公開初日に観に行ってしまった自分の今の残念な気持ちを一人でも共有してくれれば幸いですwww。


さて、話は変わりますが、秋アニメ。
野崎まど原作の「バビロン」が放映されますが、今流れている予告を見る限りだと「サスペンス作品」に見えますが、ぶっちゃけて云うとこの作品のジャンルは「明確に」ホラーです。
未だに「アレ」の声優が公開されてませんが「アレ」は類似キャラを探すと「リング」の貞子とかの類です。
原作の最新刊だと遂に○○○までヤっちゃってます。
「アレ」対貞子だとどっちが勝つのかなあ、と思わせるような最凶キャラです。
とりあえず「男性声優は豪華だし、サスペンスぽくて楽しみ」という先入観を持って見て後で、お気に入りキャラが次々に○○させられていくシーンでダメージを負って「騙された」という「被害者(笑)」を増やさない為に事前に警告しておきます。
こんな滅茶苦茶書きながら、それでも自分は本当にアニメを楽しみにしているのですが「アレ」の声優だけは本当にどうするんだろ? 
安易に(というか選択の余地なく)沢城さんか、若手起用するなら上田麗奈さんあたり起用する気がしないでもありませんが、さて?