Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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【#朝鮮日報】【コラム】尹美香の想像の中の「ワンダーワールド」

30年間献身した市民運動家…3時間悩んで権力の懐へ
総選挙前の3月31日、政治部の後輩記者が「反米運動をしていた与党比例代表候補の娘が米国の名門大学に通っている」と報告してきた。「事実確認して記事を送れ」と答え、4段落の短い記事をインターネット上に掲載した。その時は尹美香(ユン・ミヒャン)という人物が何者なのか、その人物が慰安婦被害者たちをどのように利用して国会議員になったのかにまでは関心が及ばなかった。国会議員当選が予想されていた人物の検証をきちんとできなかったのが悔やまれる。今、国会議員になった尹美香氏の言動はすべてフィルターを通されてから表に出ている。今後4年間の彼女の言動もそうだろう。だが、インターネット新聞「統一ニュース」に4月3日に掲載された尹美香氏のインタビューを遅ればせながら読んだところ、そこに真の尹美香の姿があった。

 娘の留学問題を取りざたした記事をめぐり、尹美香氏は言った。「始まりは日本政府が私のことを鋭意注視しているという記事だった。日本の知人は『用心しろ』と言った。しかし、朝鮮日報が私の娘の記事を書いて、各経済紙も同じことを書いた。経済新聞が出てきたら、日本の資金が動くということだと思った。日本は私のことを不都合に思っているから朝鮮日報が代わりにやっている、そう関連付けるしかない」。

 経済紙は日本の金で動き、朝鮮日報は日本の代わりに記事を書いたというのだ。世の中は自分を中心に動いているという「誇大妄想」だ。訳が分からない。問題が起こると、釈明の代わりに「お前は親日派だ」とお決まりの「魔法の盾」を取り出す。

 尹美香は「挺対協(=韓国挺身隊問題対策協議会、日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯〈正義連〉の前身)の先輩が私を推薦した。3時間悩んだ末、比例代表出馬の提案を受け入れた」と言った。30年間献身してきたという市民運動家から与党議員にシフトするのに悩んだ時間はかっきり3時間だった。「これはチャンスだ。日本政府に対する強いメッセージになりそうだ」。彼女はチャンスをつかみ、慰安婦被害者・李容洙(イ・ヨンス)さんに事後報告した。彼女は「ハルモニ(李容洙さん)と一緒に国会に行くことを考えています。ハルモニと北朝鮮にも行きますよ」と言った。李容洙さんは「良かった、良かった」と喜んだというのが尹美香氏の主張だ。だが、李容洙さんの言葉は違う。李容洙さんは「美香さん、それではだめだ。大邱に一度来なさい。そうしないなら記者会見をしようと思う」と言った。

 尹美香氏の抱負は、国会外交統一委員会に入ることだった。彼女は「日本の政界、市民社会をとてもよく知っている。韓国政府が解決できないことを私は解決できる」と言った。「(市民)運動をしてきた30年間で行ったことのない国はない。国際舞台で引き続き活動する」とも言った。慰安婦被害者たちのためだという寄付金や国庫支援金でウガンダにも米国にも日本にも行ったのかもしれない。私なら、ウガンダに行くお金で慰安婦被害者たちにきちんとした食事や肌着を用意することだろう。

 彼女は、ベテラン外交官らも苦労している「多国間外交」で慰安婦問題を解決すると言った。対北朝鮮問題では「金剛山・開城の門戸を開くことから始めなければならない」と米国に強く声を上げていくとしている。さらに、「日本を民主化させる」「韓国とほかの世界(の国々)が日本の民主化のために共に努力する」とも語った。隣国である日本の民主化よりも、琴泰燮(クム・テソプ)前議員の高位公職者犯罪捜査処(公捜処)設置法案反対を懲戒処分にする「政党民主化」からやれ、という言葉がのどまで出かかった。「真の解放を享受し、植民の責任を清算する」という点で「尹美香ワールド」の根の深さの察しがつく。

 尹美香氏は「数多くの慰安婦被害者たちの夢をかなえるため、国会へ」という言葉でインタビューを終えた。李容洙さんは「韓日の青少年たちに未来志向の教育をしよう」と言った。国会外交統一委員会で「日本を民主化せよ」「真の解放を実現しよう」と叫んでいるが、それは慰安婦被害者たちではなく尹美香氏の夢だ。インタビューを行った記者も国会補佐官になったのだから、別の夢もかなったことになる。こういうことをしないのが「言論改革」だ。

政治部=鄭佑相(チョン・ウサン)次長