Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

クララの明治日記 超訳版第26回−1

1877年1月23日 火曜日
このところアメリカでいうインディアンサマーのような、素晴らしくいい天気が続いている。
けれど、私はここ二、三日、身体の調子があまりよくなかった。おやおさんとおすみも午前の授業を休んだので、病気が流行ってるのかも知れない。新型の病気なのかしら?
完全に病気というわけではないのだけれど、毎晩「ハライタイ」を起こし、昨日も夕食の直前にとてもひどい痙攣に見舞われた。
だけどそのお陰で<?>というべきかもしれないが、私は夕方中具合が悪くて下に下りて行かなかったので矢田部氏に会えなかった。ちなみに今夜の矢田部氏は、七時に来て十時!に帰っていった。
でも今晩は綺麗な花の絵が全体についた美しい日本風の茶器を一揃い、つまり茶碗五つと変わった急須を持ってきて下さったので、会えなかったのを残念がらねば人の道を踏み外すことになってしまうだろう。
矢田部氏は懐中ナイフも忘れていったのだけれど、これが意図的なものかどうかは分からない。それにしても、一週間に四度も来るなんて本当におかしなことだ!
今日私たちは、三田から麻布に引っ越した富田家を訪問して帰ってきた。富田夫人は悪寒がしてひどく具合が悪かった。
「残念ですよ、折角上海に赴任することができる予定だったのにね」
ご主人は清国行きが取り止めになったのでがっかりしていらっしゃった。
もっと残念がられているのは、あの美しい洋服が日本の家では役に立たないのを嘆いている奥様だろう。