Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第26回−5

1877年2月1日 木曜日
今朝、お逸が、お母様とお姉様がうちに来ると云ったので、大急ぎで準備をした。
今日はあまり気分がよくなかったのだけれど、それも当然。昨夜“ひまし油”という気持ちの良い<?>ものを飲んだのだ。
飲む前、気分は悪くなかったのだけれど、ひどい咳をしたら母がくれたのだ。飲んだら風邪は治った。風邪は治った代わりに、今度は気持ちが悪くなってしまった。
エマが自分の「オルガン指導書」を試しに送ってくれたが、なかなかいい。
一時にお客様、つまり勝婦人、疋田夫人と二人のお子さん、長男の玄亀、次男の保爾がみえた。
アディはアニー・トルーのところへ午後を過ごしに行っているので、私がおちびさんたちの相手をすることになった。
日本の子供たちは好きだ。とても礼儀正しいけれど可愛くて、いったん始まると大変なお喋りである。
赤ちゃんはとてもおかしな帽子を被っていた。それは明らかに手の込んだランプ敷きで、真ん中は緑色の毛糸で出来ており、緑が明るい色合いの黄色だったので、可哀想に、赤ちゃんは向日葵の花のように見えた。
皆なんと美しいお土産を下さったことだろう! 
母には口紅などを入れる素敵な漆塗りの化粧箱。父には卵一箱と棒砂糖を沢山<とても役に立つものである>。
ウィリイには立派な急須。アディには綺麗な着物を着た人形、そして私には、最上の縮緬の着物を着て、蝶形の髪型に結った若い女の人の人形、つまり“お洒落さん”を象ったもので、とても美しい。
これらの他に、蜜柑、卵をもう一箱、私たちの大好物であるカステラ一箱を頂いたけれど、私は人形が気に入った。
去年の雛祭の日以来、こんな日本の人形が欲しかったのだ。あの日、丁度これに似た人形の値段を聞いたら、四ドルか五ドルもしたので買えなかったのである。
コクラン夫人とモードが、コレル夫人とお子さんたちと一緒に来訪された。
勝夫人は大勢のお客に慣れておられるに違いない。大抵の日本の女の人たちと違って、外国の紳士や婦人の前でもとてもくつろいでいらっしゃるからだ。