Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第28回−3

1877年2月26日 月曜日
ああ、とうとうやってしまった!
ぴしゃりと閉じられた玄関の扉を、呆然と見つめながら私は嘆息した。
いま怒りながら出て行ったのは、いつものように我が家を訪れていった矢田部氏だ。
原因がなんだったのかは正確には云えないし、分からない。
最終的にどの辺が逆鱗に触れたのかは分からないけれど、私たちの何かが気に入らなくて、矢田部氏は突然立ち上がると帽子を被って、儀礼の「さようなら」さえも云わずに、我が家を後にしたのだ。
確かに、私たちがあまり誠意をもっておもてなししなかったことは否定しない。
母は私たち――ウィリイと私が悪いのだというけれど、今までの経緯から云っても素直に頷くわけにはいかない。
本当に悲しいやら嬉しいやら。
嬉しいのは、もう邪魔しにおいでになることはないだろうから。
悲しいのは、私たちは日本人のためになることをしに来たのであって、怒らせるために来たのではないのに、私たちに対して腹を立てたということである。