Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第45回−6

1878年4月22日 月曜日
今日は母に叱られて、とてもみじめな一日だった。
ウイリイは笠原を信用していなくて、私が一緒になってよからぬことをしていると、母に告げ口したのだ。
それで私は酷く叱られ、憂鬱になってしまった。
兄の悪口が癪に障って、私はやけっぱちになる。
でも、母の叱責は私の浅はかな心にも染みとおる。
私の問題だけではなく、家では学校のことでまた矢野と上手くいってない。
矢野は悪意のある人物で、私たちは何も彼に不当な仕打ちをしていないのに、いつも私たちに害を加えようとするのだ。
商法講習所で父の片腕を務めている高木氏もみえたので、母は彼に文句を云った。
高木氏は本当に煮え切らない頼りない男だ。母に文句を云われても仕方がない。
現に母に何を云われても、何も云い返せないでいる。
私は六時に強風に吹かれながら、低く垂れ込めた雲の下をアマーン夫人の家まで歩いていった。
橋を渡る時に、私はふと真ん中当たりで足を止めた。
橋の下で荒れ狂う黒い水を見下ろしながら、何故かぼんやりこんなことを思い浮かべてしまった。
『死ぬというのは、どんな気持ちのするものだろう?』
家に帰って来たら、母が優しく迎えてくれたので、母の腕に抱かれながら泣いてしまった。