Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

クララの明治日記 超訳版第45回−5

1878年4月19日 金曜日 
今日は杉田氏たちが何処かに連れて行って下さることになっている。
でも、受難日だったので芝の教会にまず行った。
ショー先生が祈祷文を読まれてよいお説教をされた。
ひどい雨だったけれど、杉田先生のところへ行ってみると、お逸も含め皆揃って待っていて下さった。
そこから真っ直ぐに、大橋屋という浅草の大橋近くの大きなお茶屋に行くことになった。
元は大名屋敷の広い綺麗な建物だ。
私たちの部屋は三階で、新しい清潔なところだった。
素敵な日本料理をご馳走になり、それから建物の内部を、お風呂場に至るまで全部見せて貰った。
そのあと一室で二、三のゲームをした。
畳が柔らかくて、部屋に何も置いていないので、目隠し遊びをするのにもってこいの場所だった。
武さんは鬼が好きで何回も鬼になった。
六蔵にぶつかったり、屏風を抱え込んだりしているのは、なんともおかしかった。
一度私が彼の広げた腕に捕まったが、その腕の骨張って固まったこと。
賑やかに楽しい時を過ごして、上機嫌で家に帰ってきた。
そして杉田夫人と母、武さんとウィリイ、お逸と私、六蔵とアディ、それにおやすという一行は、土砂降りの雨がやむまで家で一服した。およしさんが病気で一緒に行けなかったのは惜しいことだったけれど。
あと私の洋服を取りに横浜へ行った。
絹の服の縫い直しが上手にできていて、直したものとは思えない。
最近私の胴は瓢箪のようになってきた。
「クララさんも随分女性らしい体つきになってきましたね」
マーティン夫人はそう云って下さるけれど、私としてはなんだか縮んでいるような気がする。
フランス人の経営するペール・フレールで、素晴らしく美味しいコーヒーを飲んだ。
母はペールさんにねだって、炒ったコーヒー豆を一ポンド売って貰った。
ペールさんは惜しくてたまらない様子だった。
雷雨に会ったので、急いで帰ってきた。