Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第69回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第69回】
「今回分は冒頭の予告通り、まったりとした展開でしたわね」
「チッチッチッ、甘い甘い。実は隠れたところで、重大な証言が潜んでいるんだな、これが。
メイ、大鳥圭介氏の娘の三姉妹、知ってるわよね?」
「大鳥ひなさん、ゆきさん、きくさんですわよね。長女のひなさんは確か米沢藩の上杉茂憲氏と結婚されたのでしたっけ?」
「そう、結婚式は明治11年5月13日で、ちゃんと記録が残ってるわ。幕府最後の陸軍奉行の家と米沢上杉藩との結婚と云うことで、お互いにネームバリューは抜群。
でも、この結婚は一般には“なかったこと”になってるの」
「? どういうことですの?」
「世間一般では人気のない、というより影が薄くて、せいぜい新撰組ファンから函館戦争の時に土方歳三と対立したことで嫌われている大鳥圭介氏だけど、維新後は工部大学校長として日本のテクノクラート制度の基礎を作ったとして結構実績を残しているの。
思想的にも当時としては相当リベラルで、結構生徒たちからも慕われていたみたい。ただ日清戦争の際の外交官としての働きは賛否両論あるみたいだけど。
ということで、人物伝が何冊も出版されていて、家族構成からその後の人生まで結構分かるのだけれど、ひなさんの結婚相手は上杉氏じゃないんだよね、これが。
で、丁度少し前にNHKの歴史番組で上杉茂憲氏について、ほんの少しだけ、でも“上杉鷹山の子孫”に相応しい善行の持ち主ということで取り上げられていたので少し調べてみたんだけど、上杉茂憲氏関係の資料にも載ってないんだよね<大鳥ひなさんとの婚姻について」
「歴史から黙殺された、というわけですの?」
「歴史と云うほど大袈裟な話じゃないけどね。ただ実は彼女の人生も結構波瀾万丈で、本格的に調べてみたら面白いかも? 
ちなみに、森有礼夫人とは開拓使女学校の時の同級生だったりするんだけど……クララの日記中にはそれらしき記述はないかな?
ともあれ、結婚の話については専門家たちは当然把握しているんだろうけど、多分一般人が普通に読める文章だと、このクララの日記だけじゃないのかな、二人の結婚の記録が残っているのは?」
「ホイットニー家や勝家に関する記録は一部削除したと思われる節があるのに、他家の家庭内事情に関してはスルーですの?<クララの日記の記述」
「……いや、それは、その……クララの日記を翻訳した人も勝海舟の孫だからね。。。わたしからすると、姪の子供だけれど」
「もう宜しいですわ。確かにこれ以上はゴシップになってしまいますから、次の話題に映りますわよ。
アーネスト・サトウ氏、流石に日本人以上に日本の歴史に詳しいと云われただけのことはありますわね。
会合に参加されていた他の方も負けず劣らずで、山田長政はともかく、今時の少し歴史に詳しい程度の日本人では、浜田弥兵衛の名前は出てこないでしょう」
「当時の一流外交官や一流知識人の知識は本当に凄いよねー。大学の一般課程での日本史講義レベルでは到底太刀打ちできないレベルだもの。
もっとも名著といわれる本――例えば『大君の都』――でも、とんでもない事実誤認とかあったりするけど。この辺は長くなるので、また機会を改めて。
とりあえず、本日の所はこの辺で……」
「お待ちなさい、ここの部分の説明をしてからになさい、幕を閉じるのは。
『「天国に昇っていくような気持ちがするわね」
そう云ったお逸は「自分のお葬式の時にその曲を弾いて貰えるなら死にたい」とまで云った。』
……貴女、本当に良家のお嬢様ですの?」
「人の趣向に良家も何もないと思うんだけど。まあ、表現が過激なのは認めるけどさ」
(終)


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