Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第69回−7

1879年1月20日 月曜日 
朝、窓から外を見たら、この冬二度目の綺麗な雪が地面を覆っていた。
でもあまり熱心に私が眺めたせいかどうか知らないが、雪は間もなく解けてしまった。
十時にお逸とマレイ夫人を訪ねた。
小鹿さんも昨日訪問されたのだが、お逸は同行を断ってしまったのだ。
とにかくマレイ夫人はお逸の来訪を大変喜び、専ら彼女に話しかけた。
といっても、私が全部引き取って彼女の代わりに返事をしたのだけど。
マレイ先生もご在宅で、いつもと変わらず愛想がよくハンサムだった。
マッカーティ夫妻やユウメイも同席していた。
お逸は綺麗な着物を着てとても可愛く見え、みんなからちやほやされた。
次に私たちは森夫人を訪ねたが、彼女は和服姿でお元気そうだった。
夕べは川村純義海軍中将のところへ行かれて、国会議員のリード氏にお会いになったとのことだった。
このあと大山夫人のところに寄った。
外務省の構内にある素敵な西洋館に住んでいらっしゃる。
客間はとても綺麗で、張り出し窓が付いており、壁紙が貼ってあり、絨毯が敷いてある。
いくつか立派な銅や陶器の置物がある。
夫人は愛想が良く快活で、近くまた勉強に来ると仰った。
今日はご主人が熱海から帰って来られるのを待っておられる。
そのあと富田氏のところに寄って長いこといろんな人や物についてお話をした。
富田氏は高木三郎氏の奥様が嫌いだ。
高木夫人は傲慢で、ご両親がみえた時でも、自分は椅子に腰掛けて、ご両親は床に坐らせていた。
勝家を訪問した時の話も聞かされた。
お互いお辞儀をして「ゴキゲンヨウ」とか「ハジメマシテ」とか「ドウゾココロヤスク」とかいう言葉を勝氏の方で云われたのに対し、彼女は形式的にお辞儀をするだけで、返礼の言葉も云わず、三郎氏のアメリカ行きの費用を勝氏が出しておあげになったお礼も云わなかった。
勿論これは十年前のことだ。
しかし、それだから尚更お礼を云うのが礼儀というものだ。
母は人力車から落ちた時に傷めた背中が痛むと云う。