Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第93回−3

1879年9月18日 木曜
お逸の写真が届いた。
洋服がとてもよく似合う。
でもお逸は今日はお稽古に来ない。
将軍の奥方様にチャノユに来るようにとお迎えがあったそうだ。
大山夫人は来られたが、いつものようにしとやかで美しかった。
大山中将が鮫島尚信駐仏全権公使氏の後任になられる。
必然的に、彼女も間もなくフランスに行くことになっている。
「そのための衣装選びを手伝って欲しいのですけれど」
夫人は私たちにそう仰った。
今朝、杉田氏のお宅へ行った。
杉田夫人の話では、うちで以前「ボーイ」をしていたテイが、杉田家の女中のおヤスに手紙を寄越したそうだ。
『あと三年は東京に行けません。私は熊本で勉強しています。
私と一緒に勉強しに来ませんか?』
これは結婚の申し込みである。
杉田夫人はおヤスは行くまいと思った。
ところが聞いてみたら、案に反しておヤスは頭を垂れて云った。
「参ります」と。
夫人はとても残念がっておられる。
おヤスは十一歳の時から杉田家で奉公していたからだ。
今年二十で、かわいい娘である。