Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

クララの明治日記 超訳版第102回−3

1879年12月13日 土曜
今朝は疲れて遅く起きたが、服を着ながら、階下の小包が楽しみだった。
アディは今日、調子がよくない。昨日ジェシーと遊びに領事館に行って、お菓子を食べ過ぎたのだと思う。
箱の中には、アディに鳶色のコール天の飾りがついた素敵な格子のキルト、金曜の洋裁の授業の教材、クリスマス用品、リボン、手袋など、良いものが沢山入っていた。
特に嬉しかったのは、セアラおばさんやいとこの写真だった。
特にセアラおばさんのは銀縁に薔薇色の絹で裏打ちした表紙がつき、ベルベットを台紙にした見事なものだ。
リビーおばさんの子供たちもとても良く、オスカーはもう立派な若者、ドーラはとても綺麗になり、おとなびてみえる。
ベッシーは相変わらずお転婆娘で、グレーシーは背は高くなったが変わっていない。
ウィニフレッドはパンパンに太った甘えん坊だ。
母は山下町に新島氏の教会の献堂式に行ったが、全部日本語だったので長くいなかった。
日本人が牧師に任命されたが、式の間ずっとポケットに手を入れていたそうだ。
右手が差し出されると、ポケットから片手を出し、みんなと握手してまわった。
洋服を着ていたが、明らかに着慣れていないのだ。
勝夫人が十一時頃みえたので、写真をお見せし、セアラ・モクリッジ叔母が母に親切に、靴下の編み方、パンの作り方、そのほかの家事を教えたことなどをお話しすると、叔母の写真を額に押し当て、深いお辞儀を一つなさった。
田中がみんな一緒の写真を見てこう云った。
「アー、ミナ、ビジョデス」
……オスカーは美女と言われてどういう顔をするだろう。