Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

クララの明治日記 超訳版第108−4回

1880年1月14日 水曜
今日は本式のおもてなしを受け大層なご馳走だった。
大鳥、津田、村田、高木氏たちが久保町の売茶亭に招待してくださった。
食事は日本式のフルコースのあとに洋風のものが出、一時から三時半までかかった。
ありきたりのつまらないものだったが、「日本のクリスマスツリー」と説明されたものは、とても面白かった。
一月に子供に贈り物をするのが日本の風習だという。
集まった子供たちは、それぞれ長い紙のくじをひき、くじに書いてある番号のおもちゃをとる。
一番は大きなおかめの面で、これに当たった子は面をつけて踊らなくてはならないが、そうすると一年間幸福でいられる。
おひなさんがおかめに当たったが、踊るのはいやというので、父親の大鳥氏がお面をつけてジッダに似た踊りをして皆を喜ばせた。
大鳥、津田、林氏のお子さんや、ほかのいたずら小僧たちも目を輝やかせて、賞品の一杯のせてあるお盆の方を眺めた。
母がひいたのは、絵の取り外しがきく素敵な掛け物で一番よかった。
シモンズ博士は化粧道具箱で、髪油、紅、白粉、歯磨き粉、歯ブラシ、派手なかんざし等が入っていた。
私は、はたき――引っ越し準備にすぐ使える――、漬物一瓶、それにシモンズ博土と同じような化粧道具箱と絹地に描いた可愛らしい絵をもらった。
アディも「ちょうどほしいと思っていたもの」をもらって大喜びだった。
それから後、またいろいろ面白い趣向があった。
綺麗な少女とその師匠が二弦琴で美しい曲を弾いた。
薔薇色の頬をした干供が二人、すまして「万歳」を踊り、手品師が私たちを驚かせた。
中でも面白かったのは、五センチぐらいの幅の普通の麻の皆帯を畳の上でクネクネさせていろいろな形をつくったことで、津田氏はこれで「Welcome」とか数字の、1,2、3ができるのではないかと言った。
もう一つの芸は玩具のだるま五、六個を、引き出しのついた箱にしまって見えなくしたり、紙吹雪に変えたりするものだった。
また、長い紙切れを燃やして、灰の中から紅白の傘を取り出したりした。
手品師は紅白の縞の服を着た、好感の持てる顔をした男で、手練の業は素晴らしかった。
白い紙の蝶を扇子、花、湯呑の縁にとまらせて、まるで生きているかのように踊らせる蝶の芸は最高のできだった。