Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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帰ってきたクララの明治日記 第15回−3

1884年9月8日 月曜
今朝ウィリイと私は西郷中将〈現在伯爵〉のお邸の宴会に行き、大変楽しい時を過ごした。
出席者は公使館の人々と九鬼ご夫妻だけで、とても愉快だった。
伯爵の別荘は美しく、スイスの山小屋風で、優雅な家具調度が置かれていた。
椅子やソファーや長椅子などの中央飾りは伯爵夫人がご自身で刺繍されたものである。
庭も美しく、広さは三十エーカーもある。
真後ろに山がそびえ、そこから一条の滝がおどり跳ねながら脇の方に落ちていた。
伯爵夫人はもしかして私が大山夫人の旧友ではないかと尋ねられた。
もしそうなら大山夫人が亡くなってからずっと私に会いたい、そしてよい友達になりたいと思っておられたそうだ。
私は伯爵夫人と公使夫人の間に交わされた会話を全部通訳して差しあげた。
九鬼一家は十四日に出帆される。