Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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異文化交流クイズ「異文化としての吉原」第6回の問題は、グァテマラ人小説家カリージョは「吉原の女性達は通る男たちを見ているか、○○を見ている」とし「そもそも女性にとって○○とは、その前に座って何時間でも飽きずに過ごせる大事な物である」と表現していますが、女性達がその前に座って何時間でも過ごせるとした、この「ある物」とは一体何でしょうか? という問題でした。
これは恐らく世界中の女性たち、共通の心情でしょうので、回答しやすいかな? と考えて今週の問題はノーヒントでしたが、少し難しかったでしょうか? 正解を以下、原文から引用します。


『女たちの檻は実に華麗である。彼女らは、螺鈿と金の象嵌を施した漆塗りの屏風を背に、白い畳に敷いたビロードの座布団の上に座っている。物静かに座ってはいるが、異国の旅人たちが描写したようにじっとしているわけではない。それぞれの目の前に鏡が置かれている。そもそも女性にとって鏡とは、その前に座って何時間でも飽きずに過ごせる大事な物である。鏡を見ていないときは、女たちは通る男たちに顔を見せている。通行人がその大きな髪型を驚嘆するのを心密かに楽しむのである。』
と云うことで、今週の正解は「鏡」または「鏡台」でした。確かに吉原を舞台にした映画や時代劇でも、同様の光景が見られますねー。
今回の正解者は、Expsterさんとせみこさんでした。お見事です。


さて補足ですが、このカリージョが初めて吉原を訪れ、遊女たちの様子を見た際の描写は非常に印象的ですし、次週以降の問題にも関わってきますので、以下、再び引用します。
『この生ける花々の園を初めて訪れる者にとっての最大の驚きは、笑みを浮かべた女性たちを檻の中に並べて客に見せていることであろうう。私は以前、この光景を詳しく記述したものを読んだことがある。(中略)。しかし現実のものはもっと美しく、もっと印象的だった。
いま私が目にしているこの光景には、危惧していたような悲しそうな様子は微塵もない。彼女たちは素晴らしい絹の着物に身を包んだ我が身を、喜んで人々の目に晒しているように見える。その表情の豊かな燃え立つような黒い目の中には、彼女らの矜持が見てとれる。西洋の同類の娘たちが俯いているのと違って、彼女らは堂々と顔を上げている。彼女らは民衆の女神、生ける小さな女神であり、触れることのできる偶像なのだ。そして娘たちはそのことを知っており、そう思われることを喜び、自己の力を楽しんでいる。』

彼女たちの「矜持」がきたる所以は何処にあるのか? これをテーマとして次回以降に続きます。