Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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引き続き、現実逃避w読書強化週間中。本日は「半分の月がのぼる空」の橋本紡先生の、現在の所の最新作「空色ヒッチハイカー」より。何故か今回の異文化交流クイズと、シンクロニティまで発生して吃驚。
今作の版元は新潮社で、所謂「一般文芸書」として出版された作品ですが、普通に萌え絵なイラストさえついていれば、ラノベと云っても通用しそうなお話です。と云うより、より正確に云えば「青春小説」とでも云うべきでしょうか?
今回の主人公は18歳の高校生。兄の残したオンボロキャデラックを(無免許で)転がして、神奈川から九州へと、途中でヒッチハイカーを拾いながら旅する物語です。で、最初に拾い、最後まで旅連れになるのが今回の物語のヒロイン。性格は……ぶっちゃけ「半月」の里香と亜希子さんの容姿と性格(の悪さw)を足して二で割ったような。主人公の方は、これまた「半月」の裕一の「頭良いバージョン(注.性格は似たような物w)」。
こんな書き方をしていると、罵倒しているように思われるかも知れませんが、読後の素直な感想としては「非常に面白かったです」と。兄へのコンプレックスと青春のほろ苦さと、軽い恋愛モノが非常にバランスよく組み合わされていて、久々に読んでいて心地良い作品でした。と云うわけで「半月」好きの方は勿論、この手の物語に興味のある方は是非。


で、冒頭のお話ですが、何故に「異文化交流クイズとのシンクロニティ」かと云えば、この作品の途中で突然「この町は幡随院長兵衛の出身地」というネタが突然出てきたのですね。幡随院長兵衛が何者かについては、長くなりますのでこちらで。なんと子孫の方によるHPで、今回の「空色ヒッチハイカー」の話と完全にビンゴ。
で、今回の異文化交流クイズに書いた「馴染みの遊女の下に通うために辻斬殺人強盗を重ねたものの、ある寺の住僧に匿われてて改心して自首し処刑された男の墓の前で後追心中した遊女」の物語、この実話を歌舞伎化した際に、この男、白井権八(史実では平井権八)と幡随院長兵衛との出会いの場面があるのですね(注.史実上では年代的に両者が会える筈がないのですが、それは物語の「お約束」ということで)。
「雉も鳴かずば 討たれまいに、益なき殺生いたしてござる」という有名な台詞は、この歌舞伎の二人の出会いの台詞から来ていたりするのです。


昨晩クイズを出題するに辺り、この辺りを読み直していたのですが、本日「空色ヒッチハイカー」を読んでいて突然「幡随院長兵衛の出身地云々」という話が出てきて、何と云いますか「シンクロニティ」というのは実在するのだな、と改めて実感でした。