Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

最後に今回分の「クララの明治日記 超訳版」解説を、いつも通りにお逸とユウメイに。
【クララの明治日記 超訳版解説第25回】
「本当に懲りない方ですわね、矢田部氏は」
「手酷くはねつけられても不屈の根性、よね。この当時の日本人としてはかなり特異な存在だと思う。アメリカまで留学しておいて、何を勉強してきたんだか」
「植物学、でしょ? 本来の留学時の予定通り、外交や政治部門について学んでおれば政府の高官になれたかも知れませんのに、わざわざその道を絶ったのですから、筋金入り、というべきでしょうね」
「でも結果的にこの当時の開成学校、つまり今日の東大だけど、そこで数少ない日本人教授になれたのだから、収支的にはあったんじゃないかな? 本人が好きだったらしい西洋近代詩を日本に翻訳して紹介した、という点でも歴史に名を残したんだし。
ま、牧野富太郎氏に目をかけたお陰で、恩を仇で返された上に後世に悪名を残したのとバランスは取れてるんだろうけど」
「ですけれども、直接の被害担当官になったクララにとってはそんな後世のことなど知ったことではありませんわ」
「うーん、それはどうなんだろ? クララ、矢田部さんの事、日記では散々に書いているけれど、アプローチされること自体は内心、喜んでいるような気がするのよね。本気で嫌いになった人への日記での記述と読み比べれば。16歳というお年頃を考えれば、ありそうな話だとは思うけれど」
「……その辺の所はわたくし、正直よく分かりませんわ」
「さて、後は今週分で目立ったところというと、2日の我が勝家訪問かな? 明治初期の正月の雰囲気が少しは伝わって来るでしょ?」
「この記述によると、勝夫人、普段は地味な格好をなさっているようですわね」
「その辺は、その、色々と難しいことがあるのよ。我が家には頻繁にお金を借りに来る幕府の元旗本なんかが来たし。母様があまり派手な格好をしていると反感があるでしょう?」
「随分と苦労をなさっているのね、勝夫人も。……娘の方はそんなことお構いなしに派手な服を着ているのに」
「……うっ。それを云われるとちょっとだけ耳が痛い」
「しかもスプラッタな怪談をクララに聞かせて悦に入っていたようですし、本当に困ったものですわ。何故美女と野獣やシンデレラの話の返礼が怪談ですの? そもそも舌切り雀は確かに昔話でしょうけれど、もう一方の話は何ですの? ちょっとした悪さをしただけですのに、煮られてしかも仏像に捧げられてしまうなんて、そんな話、本当にありまして?」
「えー、それについては疑い過ぎだよ! 本当にこの手の話は説法話としてあるんだって。……ま、確かに解体して、煮て、仏前に捧げる、なんてどう考えても本来の仏教の説法話から逸脱してるのは認めるけどさ。でも、その方が面白いじゃない!」
「……貴女にまともな回答を求めたわたくしが馬鹿でしたわ」
「私の日本昔話シリーズはまた紹介する機会がありますのでお楽しみに♪」
「まだ凝りませんの、貴女は!?」
(終)


と云った所で、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
最後まで読んで頂けた方、拍手ボタンだけでも押して頂ければ幸いですm(_)m。ご意見・ご感想、質問等も随時募集中ですのでお気軽に拍手で。